第492話 ひーちゃんの愛情表現

ひーちゃん5歳。

夏休みも後半に入るけど変わらず朝は早い。

まだ寝てる父さんと母さんにおはようのちゅー!起きてるじいちゃんばあちゃんに挨拶して、やっぱりちゅー!

最近ひーちゃんはちゅー!が好き!

家族皆んな喜んでくれて大好き!って気持ちが伝わるから!

にいちゃんとねえちゃんは起こさないでって言われたからラジオ体操のあとでね!


カブトムシにゼリーをあげて、乾燥防止と暑くならないようにの霧吹きかけてあげる。

ひーちゃんはお世話がだいすき!


『…ほらのぞみ?わけあってたべるんだよ?

ひかるはげんきだね!しょうとしんじはのんびりだね?

のぞみ!けんかしないの!』


ひーちゃんはカブトムシさんたちにおにいさんっぽく指示を出します。


望『…くちゅん♡』


2階からねえちゃんのくしゃみがします。



さて6:00小学校の駐車場に近場の小学生と幼稚園の児童が集まります。

ひーちゃんはねえちゃんの遠征以外では皆勤!

今日もラジオ体操前の皆んなお遊び…できるかな?


今日はだるまさんが転んだ!やった!かくれんぼとだるまさんはひーちゃんも参加できるのだ!

缶蹴りや鬼ごっこは運動量が多くて参加不可で憧れるひーちゃん。


たっぷり楽しんで、ラジオ体操元気全開でやった後ひーちゃんはおうちに一目散!

ご飯の支度をする母さんにもう一回おはようのちゅー!をして冷えた麦茶をコップに2杯なみなみ淹れて2階へ運びます!

こぼさないようにこぼさないように…。


『にいちゃん!おはよー!』


承『…おはよ、ひー。』

望『おはようひーちゃん♪』


『にいちゃん!ぷぎちゃだよぉ!』


ひーちゃんは麦茶が言いにくくて勢いで言うと『ぷぎちゃ』になります。

兄弟間ではそれで通るし、

望『ひーちゃんの淹れてくれたぷぎちゃうま!』

承『美味しいなーひーちゃんが淹れてくれたからだな!』


『…えへへ♪』

いつもこんなやり取り。


繰り返しますがひーちゃんはお世話が大好き!

起きたら喉乾いてるにいちゃんの水分補給にぷぎちゃを持ってくる気の利く男!

※アレルギー鼻炎持ちで口が空きがち。

向かいのベッドのねえちゃんはニヤニヤしながらその光景を見ています。


承『…ひーちゃん?兄ちゃん自分で飲めるかなぁ?』


ひー『いいの!ぼくがのませてあげるよ!』


基本何度もこぼしてびしょびしょにさせたひーちゃん。

兄ちゃんも心配そう。

ひーちゃんは先日あった幼稚園イベントで訪問した近所の介護センター慰問の時にみた光景を思い浮かべています。


『もしかいごになったらこうやってのませるんだよ!』


承『…俺ひーちゃんに介護されるんか?』


望『…やば!兄ちゃん介護になったらあたしが下の世話してあげるよぉ!』


承『妹弟に世話かけたくないなぁ…。』


待った無し!

ひーちゃんがにいちゃんの頭の下に足を入れて頭を少し起こしてぷぎちゃのコップを口に付けようと…


承『…何故毎回…こんなになみなみと…!』


それはにいちゃんの飲みっぷりがひーちゃんが大好きだからです。

ひーちゃんがこく…こく…って飲むコップより遥かに大きいコップをにいちゃんはごくん!ごくん!ぷは!ってひと息!あれが男らしくてお兄さんっぽくてひーちゃんは憧れ!


望『それ一気!一気!』


今の時代のコンプライアンス的にダメな姉のコール!

ひーもにいちゃんのゴクゴク見たいよぉ!


にいちゃんは必死の形相で吸い!ひーちゃんが上手いペースでコップを傾ければミッションコンプリート!


『あ。』


コップを傾け過ぎちゃった…にいちゃんの胸元はびしょびしょです。


『…つぎはきをちゅける。』


噛みました。


承『あぁ…そうだな。寝起きの冷たい麦茶美味い!

望も飲みたいんじゃない?』


望『あははは♪これベタだけど何回見ても飽きない定番コント!毎回導入が…ってひーちゃん?』


『きょうはねえちゃんのぷぎちゃもあるよ?

きのうあたしものみたいっていってたでしょ?』


望『…これ買ったばっかの部屋着だから…

持ってこーい!』


ねえちゃんは拒否しようとして曇っていくひーちゃんの表情に秒で負けました。


望『ありがと♪

…うん?ひとりで飲めるよぉ!

…うん、あたしも寝て飲まなきゃダメ?』


…同じ悲劇が繰り返されます…!


望『濡れ透け部屋着の美少女だよぉ!』


承『…自分で言ってて恥ずかしく無いんか…?』


望『ほーら♪にいちゃんドキドキしちゃうでしょ?

胸の谷間が透けて…。』


承『…谷間なんてモノは無い。』


ひーちゃんが優しく、


『おっぱいはないけどねえちゃんかわいいとおもうな?』


望『…ふぁっく!』


あ!


『にいちゃん!おはよ!ちゅー!』


兄ちゃんの頬にちゅー!ってすると、

兄ちゃんはおはよ?って頬にちゅって返してくれます。


『…ねえちゃん…。』


ねえちゃんは両手を広げて待ち構えています…

これは良く無いやつだ…。


『…ねえちゃん…ちゅー…。』


望『ちゅー!!!』


ねえちゃんはほっぺにちゅー!されたお返しにひーちゃんの唇を奪います!


ちゅるっちゅぱちゅっちゅちゅっ!!

ひーちゃんは唇を拭いながら、


『…おかされた…。』

_| ̄|○


胸元をぷぎちゃでびしょびしょにした兄妹がこのちゅー!!!についてのレギュレーションについて審議中です。


望『愛情!愛情表現だよぉ!』


承『やりすぎだ!』


ねえちゃんの無体はおかあさんに報告されてコッテリ搾られました…。


『…あいじょうひょうげんってむずかしい…』


ひーちゃんはつぶやきました。

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