第476話 ひーちゃんは頼まれた。

三兄弟は午後からポケモ◯の映画を見てエイオンを後にします。

3時過ぎって微妙な時間に俺カレへ到着!


景虎『へらっしゅー!!』

のぞひー『へらっしゅー!!』


景虎『お!来たな?立花三兄弟!』


空いてるから1番テーブルへ案内されるがらんとした店内。


景虎『なに食べる?夕食…では無いわなぁ。』


三兄弟はデザートの予定でしたが…


承『…俺デザート要らないから…ハンバーグカレー食べちゃお!

今食べても夕飯食べれるし!』


長男の承は食べ盛り!


望『…どっちも食べたいっ…!』


長女の望も食べ盛り!


ひー『ぱへ!ぼくちょこぱへくだだいっ♪』


望『パンケーキ…!

…にいちゃん♡ハンバーグカレーシェアしよっ♡』


承『え?やだよ…。』


この後パンケーキ一口貰っただけでハンバーグカレーは4割強奪されます。

三兄弟は同じ表情で幸せそうに食べすすめます。

映画の話をしながらのんびりのんびり。


紅緒『来ちゃった♪』


出た!俺カレのヌシちゃんこと黒髪ロングな目力娘の紅緒永遠!

いつも真っ白な肌を少し赤く上気させて。

承くん来たよ!ってバイト女子大生から連絡来たから即出動!


紅緒『あ!私いつもの!』


奥さん『はいはい、ダブルハンバーグセットデミとおろしでライス大盛り、アイスティーにクリームソーダかな?』


オーダー取りに来た奥さんが笑いながら厨房に通します。


紅緒『望ちゃん!ひーちゃん!へーい♪』


望『へーい♪』

ひー『へーい♪とわちゃーん!』


ハイタッチ後にひーちゃんと永遠は抱き合います。

心臓が悪いふたりは共通項でとても気が合う。

さっきエイオンでね!なるみちゃんと!

らーめんたべたの!私も誘ってくれれば…、いや兄妹お出かけだし…。

そんなことをわちゃわちゃ話しながら盛り上がる1番テーブル。


紅緒『望ちゃん…ほらあーん♪』


望『永遠ちゃん♡あーん♡』


ハンバーグをチラチラ見てる食欲モンスターを餌付けする紅緒さん。

瞬く間に消える大ボリュームのダブルハンバーグセット。

この辺りからひーちゃんはそわそわし始めます。


ひー『…にいちゃん?きょうはしんちゃんいないのかな?』


信ちゃんはここのオーナー景虎さんと奥さんの一人息子。

まだ8ヶ月の赤ちゃん。

前回初めて会った時からひーちゃんはしんちゃんが大好き!


店には人がほぼ居ない状態。

テーブルの上を片付けて…。


奥さん『ほら信?お兄ちゃんやお姉ちゃんたちだよー?』


信『きゃっきゃ!』


皆に可愛がられる信ちゃんは人見知りしないサービス満点赤ちゃん!

前回ぷくぷくほっぺを触らせてもらったひーちゃんはもう信ちゃんの虜で…。


ひー『…かわいいなぁ…かわいいよぉ…。』


姉ちゃんが横で支えながら今日は抱っこに挑戦です。


ひー『ちいさい…まもりたい…。』


ぼくがめんどうみるから!うちにつれていきたいよぉ!

ぼくのおとうとになってよ!

喉までその言葉が出るひーちゃん。

でも…赤ちゃんを譲って貰えるわけがないのは子供のひーちゃんにもわかります。

可愛くて可愛くて仕方ない!うちにも弟生まれたらいいのになぁ…。

しんちゃん…かわいいなぁ。


後ろ髪引かれる思いで信ちゃんを永遠ちゃんに譲ります。

景虎さんが名残惜しそうなひーちゃんに声をかけます。


景虎『ひーちゃん、今日も信を可愛がってくれてありがとな?』


ひー『…せかいでいちばんかわいい…。』


景虎さんはうんうん頷きながら、


景虎『だよね!おじさんもそう思う〜!

みんなに可愛がって貰えるってのは幸せなこと。

ひーちゃんも皆んなに可愛がられてるもんな?』


そうかな?そうかも!

ぼくもじいちゃんばあちゃんとうさんかあさんにいちゃんねえちゃんはーちゃんってかぞくたくさん!


『そっか…ぼくもかわいがられてしあわせなんだ…。』


ひーちゃんの胸に暖かいものが灯ります。

それだけで十分しあわせ!

だけどね?景虎さんが嬉しいことを言ってくれました。


景虎『ひーちゃん、またいつでも来てね?

うちの信を弟みたいに可愛がってやってね?頼むな?』


ひー『!!たのまれた!

はい!ぼく!しんちゃんおとうとだとおもってかわいがるよ!

しんちゃん!おにいちゃんだよー!』


ひーちゃんは興奮しきり!

しんちゃん!しんちゃん!

その日は寝る直前まで信ちゃんを弟のように可愛がるよ!って兄姉に語って幸せそうでした。


ひー『…しんちゃ…ぼくがにいちゃやねえちゃに…

きちゅちゅききっちゅ…。たのまれたよぉ…。』


承『ソレはやめとけ。』

望『キツツキキッスは愛情表現!』



そんな夏の日!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る