第468話 妹の正論
香椎『香椎お弁当店でーす♪』
翌日、11時すっごい可愛いお弁当配達員が来た!
肩が出てる薄い水色のサマーワンピに白いサンダル。
リボンが付いた大きめ麦わら帽子をかぶって大きめなトートバッグを持っている!
清楚な夏のお嬢さん!
…すっごい可愛い…!
何これ!君が好きだと叫びたい!!
お弁当取りに行くよ?って言ったのに香椎さんが届けてくれると…。
昨晩を思い出す…。
☆ ☆ ☆
24:00
望は腕を組み俺を罵る。
望『いいか!お前はウジ虫だ!この世で最も劣った存在だ!』
『海兵隊式罵り手帖?』
芝居がかかった仕草で妹が兄に向かって舐めた口を…!
望『いいか!考えてみろ!
逆の立場なら!』
さっきまで寝落ち寸前だった望は目をバキバキにして、
望『なんでもいい!兄ちゃんが香椎先輩にプレゼントしたい!って口実で…なんでも良いけどカレー券!手渡した!』
…お、おう…。
望『香椎先輩が!承くん!お願い!ってじゃあカレーを一生懸命作りました!玲奈さん美味しいって喜んでくれるかな?って思いながら作るよね?はい!香椎家に持って行きます!』
うん。
望『香椎『ありがとう!今日のカレーお姉ちゃん用なんだ!
私これから部活友達とランチ行ってくるね?
承くんありがとう♪ばいばい!』
はい!今の気持ちは!!』
『俺が間違ってた!!』
望『そうだよ!
香椎先輩だよ?絶対適当に作らないで試作したり美味しくなあれ!って頑張って作って来てくれる…それ無駄にしていいの?!』
『良くない!』
うおぉ…俺は人として最低だ…!
まさか妹に完全にわからせを食らう日が来るとは…!
キツイ。優奈さんにも世話になってるけど…玲奈さんの為に作ったモノは玲奈さんに食べて欲しい!
望の言う通りだ!
望『だっけ!明日は!お弁当は美味しくふたりで頂く!
でも!香椎先輩に少しでもお返し!
お返しして喜んで貰ってお互い楽しい1日にしようよぉ!』
※兄ちゃんが全部食べな?とはならない。
『お…おう!!』
望『いい?兄ちゃんが当たったお弁当券を使ってお弁当いただくだけ!
香椎先輩は同級生にお弁当を約束通り持ってくる!
直属の後輩あたしと3人で午後色々遊ぶけど同級生と後輩と遊ぶだけ!
ふたりきりじゃ無いし!訴訟案件でも浮気弁当でも無いんだから!』
『おう!』
望は最後に危惧してた事の解釈を確認した。
それで良いのか…!
望…!妹で良かった!
☆ ☆ ☆
望『せんぱい!いらっしゃい!上がって上がって♪』
香椎『電話でも伝えたけど全中ベスト4おめでとう!
捻挫大丈夫?』
望『大丈夫大丈夫!上がってー!』
茶の間にエアコン付けて用意してた。
冷たい麦茶勧めて望と香椎さんと3人でテーブル囲む。
『今日はありがとうね?
昨日突然ごめんね。
…香椎さんお弁当がどうしても食べたくなっちゃって…!』
言い過ぎか?!いや!食べたいの本音!
望と話したらむしろ望にあげたくない位香椎さんのお弁当食べたくなって!!
香椎『ふぇっ?!
承くんが…そんなに?私のお弁当を…!』
香椎さんは恥ずかしそうに指をモジモジさせ始めて…
その仕草も可愛い。
望『いいなー…あたしも食べたいなぁ…。』
望が羨ましそうに三段お重で持って来てくれたお弁当を羨ましそうに見つめる。保冷剤入りトートバックにわざわざ。
香椎さんはにっこり笑って、
香椎『いっぱい作ったから望ちゃんの分もあるよ?
きっと食べてくれるんじゃ無いかな?って思ってた♪』
望と視線を交わす…。
『『(聖女さまだろ…。)』』
俺が1番喜んで見せるのが礼儀であり嬉しいはず。
…そんな考えが吹き飛ぶほど本当に嬉しい豪華なお弁当だったんだ…!
一段目はおかず。
卵焼き、レタスとアボガドのサラダ、タコさんウインナー、きんぴらごぼう、こんにゃくの煮物、キウイフルーツとおかずがたくさん。
二段目はみっちりご飯の上に敷き詰められた鶏の照り焼き!
鶏の照り焼き重と言うべき代物でカットされた鶏の照り焼き…!
茶色い甘しょっぱいタレがうっすらかかって焦げ目も素敵!
うっすら刻んだ海苔がまぶしてあるよ!
三段目は…食後のデザートなのかな?
寒天とフルーツと白玉のフルーツポンチ。
香椎『うちのおばあちゃんが作ってくれたカルピス仕立てのフルーツポンチなんだよ!』
望『これ絶対美味いやつ!』
望大はしゃぎ!
香椎さんも一緒にどう?
香椎さんは恥ずかしそうに、
香椎『…私結構試食とかでつまみ食いしちゃって…お腹減って無い…かな?』
小さく首を傾げて困った顔の香椎さんの健気さ!
俺…ほんっとこの気持ちを無碍にするところだった!
この気持ちに報いるには…食べて美味しい!幸せ!って嘘偽りなく伝えること!全力で美味しく食べること!
時刻は11:15。
俺は申し出る。
『…香椎さん、見たらもうたまらない!
お弁当頂いていいかな?』
香椎さんは驚いて、
香椎『まだ11:15だよ?早く無い?』
『こんなに美味しそうなお弁当見たらたまらないよ!
横の望もヨダレ垂らしそう!
ね?良いでしょ?』
香椎さんは本当に嬉しそうににっこり笑って、
香椎『そんなに?そんなに食べたいの?
…一生懸命に作ったよ?
美味しいと思うんだけど…口にあったら嬉しいな♪』
照れて微笑む香椎玲奈は本当に可愛い!
俺と望は両手を合わせて…
『『頂きます!!』』
香椎『どうぞ♪いっぱいあるからね?残しても良いからね♪』
結論 照り焼きご飯すすみすぎて家の残ったご飯まで食べちゃった…。
香椎さんはお腹大丈夫?無理しちゃダメだよ!
って言いながら俺たちががっついて食べる様をそれはもう嬉しそうに見つめて時々ふぅって幸せそうな吐息を吐いていた。
上気する頬にニコニコ笑顔香椎玲奈は控えめに言ってお嫁さんにしたい女子No.1の名に恥じない素敵なお嬢さんだったよ。
望は妊婦さんみたいなお腹で茶の間で仰向けでひっくり返っているよ…。
…いつも言うけど香椎さんみたいに清楚で上品な娘に育って欲しい…。
お重を洗って、お茶入れ直してお話しするけど…話題は尽きないし、楽しい時間。
そこに計画通り提案する。
『香椎さん、今日のうちの夕飯カレーなんだよ。
俺カレでバイトしてるからカレーは結構自信あるんだけど良かったら午後一緒にカレー作りながらレトロゲーとかしてゆっくり話しながらカレー煮込んでのんびり過ごさない?』
香椎さんは目を輝かせて、
香椎『承くんのカレー?
うん!いいね♪』
香椎さんのテクニックと俺カレのポイントを教えあおうってことになった。
楽しくなりそう!
☆ ☆ ☆
玲奈『…コレはもう共同作業でしょ…
うふふふふふふふ♪』
玲奈ご機嫌!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます