第466話 メスの主張

捻挫により動けない望がストレスで卑猥な言葉を連呼しますが気にしないでください(笑)


☆ ☆ ☆

カブトムシ獲りを終えてコンビニで松ちゃんが飲み物買って(俺とひーちゃんにも奢ってくれた)家に戻る。朝ごはん食べて行って!って昨日母さんに言われてるから。


ひー『いいの?ありがとうしんじくん!』


新二『俺飼えないし。ひーちゃんが可愛がってあげて?』


松ちゃんは捕まえた分のノコギリクワガタとカブトムシを車内で渡そうしたひーちゃんに譲ってくれた。

まあ大人が飼うのはハードル高い、松ちゃんズボラだし。

俺は語る、買うのは否定しないけどこうやって自分で捕まえると思い出になるでしょ?松ちゃんは素直に頷いた。


『ね?週末行く釣りキャンプもきっと楽しいよ?

自分で釣った時の感動!』


松ちゃんに釣りの楽しさ、自分で釣って調理!なんて煽っちゃった。

…釣れると良いな…!



家に着き、準備してた上が網みたいになってるアクリルケースにレイアウトした木を立てかけ、持って帰ってきたクヌギの葉っぱを良い感じに飾ってひーちゃんご満悦!ゼリーを設置しながら、


ひー『おおきいくわがたは「しんじ」

おおきいカブトムシは「しょう」…』


始まった…ひーちゃんはすぐに3個や3匹に俺たち兄姉弟の名前を付ける。

…今回違うのは「しんじ」が居ること。

4匹だから?獲った2匹を譲ってくれたから?ひーちゃんの名付けに松ちゃんは恥ずかしそう。

中くらいのカブトムシは「のぞみ」、ひーちゃんが初めて捕まえた小さいカブトムシは「ひかる」と名付けて玄関の目立つところにアクリルケースを展示した。

きっとひーちゃんにとって忘れられない冒険だったんだろうね。

その時望が2階から降りてくる。


望『あー!帰ってきた!』


…松ちゃん居るんだから!露出多い!

脚出しすぎ!


望『あたしも行きたかったなー!

何匹捕まえた?カブトムシ居た?』


朝ごはん食べたら見せて!

器用にひーちゃん小脇に抱えてけんけんで望はキッチンへ向かう。

昨日の残りのミニハンバーグとハムエッグ、サラダ、ご飯かトーストどっちが良い?

両親がありがとうね?って松ちゃんにお礼を言う。

恥ずかしそうに俺も楽しかったんでって言う松ちゃん。

普段は朝ごはん食べる習慣が無い松ちゃんは不思議そうに朝食を食べる。

ふう、無事楽しく終わった。



望『…4匹かぁ。3人で夜出発して…。

良かったね!』


望は少ないってわかったけどひーちゃんの気持ちを考えて飲み込んだ。

そういう日もあるだろ?…本当に数が減ってたら寂しいな。

俺は夏の終わりには4匹を自然に返すことを提案する。

心優しきひーちゃんは大きく頷いた。


☆ ☆ ☆

望『は?カブトムシたちに名前付けたのー?』


望も飼った事あるから知ってる。

名前つけると死んじゃった時ダメージでかいことを。


ひー『それでね?なまえをしんじ、しょう、のぞみ、ひかうってつけたの!』

※ひかる。舌ったらずで、「る」が「う」になっちゃうひーちゃん。


望が急に自分を抱きしめて悲劇のヒロインみたいな顔をする?



望『こんな逃げ場の無い密室で…!

のぞみ孕まされちゃうよぉ!!

しょおうとひかるならともかく…しんじはダメぇ!』


新二『はあ?』


なんか望が雰囲気を出しながら、自分を抱きしめて悲劇のヒロインぶる。

…イラつくわぁ…。



新二『「しんじ」はノコギリクワガタだけど?』


望はキッと俺を睨んで、


望『あたしたち実の兄妹なんだよ?こんな事していいと…?!

…恥辱の近親相姦…!』


とわんこの影響を受けていやがる…ウゼェ…。


『それひーちゃんルールのカブトムシの名前だから…血なんて繋がって無いし…(わかんないけど)

…そもそも…。』


望『あー!あー!聞こえないー!

アクリルの中で交尾してたらショック!

逃げ場の無い密室にケダモノのようなオスに囲まれて…のぞみは望んで無いのに…中⚪︎しされて妊娠させられるよぉ!』


ちょ!待て!人聞き悪い!

他人が聞いたらとんでもない勘違いになっちゃうよ!

望は首を振り後退りながら、


望『…まあ「しんじ」は別種だとしも…

「しょう」と「ひかる」に本能のままに孕まされちゃう!近親相姦ふぁ⚪︎くだよぉ!』


女の子が!そんな事言っちゃダメ!

香椎さんを見習えよ!ああいう清純清楚な娘に育って欲しい…!


ひー『…はらまされる?』


『わー!ひーちゃんは聞いちゃうダメ!!

望!お前朝っぱらから!』


望は舌を出して、


望『テヘペロ♡

だってあたしだけ虫捕り行けないし!』


そろそろ良さそうだけど癖にならない為に家族親友みんな望を監視してる。

当然夜で足元悪い千本木なんてとんでもない!って却下された恨みがあるみたい。


ひーちゃんは望にアクリルケースを自慢げに見せ始める。

指差しながらひーちゃんは望に説明する。


ひー『このちっちゃいのがひかう!

ちいさいけどげんき!いっぱいあるきまわるよ!』


木を登って動き回るひかる。


望『かわいいね♪』


ひー『これがしんじ。おおきい!

しゅごい!』


手でクワガタの顎を表現する幼児。かわええ。


望『…これは立派なノコギリクワガタ…。』


ひー『しょうはこのおおきいカブトムシ!けどやさしい。』


しょうは動き回るひかるが来ても気にしない。

カブトムシも相性っていうかケンカばかりするヤツも居るんだよね。


望『…しょうは年寄りかな?ぷーくすくす!』


このくそガキ…!

ここで望は気付く。


望『アレ?じゃあのぞみは?』


ひーちゃんはケースのど真ん中でゼリーを自分の体で覆い隠して独り占めしてるカブトムシに目を向ける。


望『…まさかコレがのぞみ?』


ひーちゃんは頷く。


ひー『のぞみはくいしんぼ!ずっといちばんまんなかでゼリーひとりじめ。』


ケンカしないように何ヶ所か設置してる餌ゼリー。それの1番最初のど真ん中を占領しているカブトムシ…それがのぞみ。

…でも多分望が言いたいのはそこじゃ無くって…。

望はワナワナ震えて、


望『ひーちゃん?この子立派な角があるんですけどぉ?

この子がのぞみ?オスだよぉ!!』


『『あははははははははは!!!』』


そうなのだ,今日捕まえた子たちはみんなオス。

大きさで兄妹弟の名前付けたから俺たちは車内で大笑いしてた。


望『ひーちゃん!あんまりだよぉ!』



ひーちゃんは申し訳無さそうに、


ひー『だって…ねえちゃんだけいないのはさみしいよ…。』


望『ひーちゃん…でもねえちゃんは女の子なの!メスなの!

望はメスなのぉ!!』


夏の朝っぱらから自分をメスなのぉ!って叫ばないで!

何事かと思われるわ!


悲報 妹が自分はメスだと叫んでる。


⭐︎ ⭐︎ ⭐︎

昨日は素敵な思い出の場所のコメントありがとうございます。

みんな色々な場所があるよね!

とてもほっこりしました!ありがとう😊

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