第462話 シスコン兄貴は忙しい。

『それでさ〜?望が…』


厚樹『…あの猛獣が…つーかお客様お席へどうぞ?』


ここはあっちゃんのバイト先のカフェ。

イケメンが淹れるコーヒーうまい。

その上で雰囲気いいお店だよねぇ。

そうそう!うちの妹さ!


『まだ!ここからが!』


厚樹『いや…まじ席行けよ…

わかってる、明後日の夜はバスケするし週末の釣りキャンプは行く。

…新川で撮影する映画は興味ある…またロインするから…。』


『イケメンは困り顔もイケメンですよね…若葉さん?』


後に並ぶこれまた美人のお姉さん話をふる。

あっちゃんと少し似てる優しい顔立ちの美人が目尻を下げて、


若葉『そうそう、シスコンはむしろ正しい!

厚樹はもっとデレろ!』


『そうだ!デレろ!』


ふたり『『デレろ!デレろ!』』


あっちゃんの姉の若葉さんは最近あっちゃんのシフトの日必ず居るような気さえする。

夏休みでなかなか会えないあっちゃんに合法的に会うにはバイト先に行くのが1番!松ちゃん家がすぐそこだからさ?時間調整と一休みにちょうど良いんだよここ。


30分も若葉さんとあっちゃんの話しに盛り上がっているとあっちゃん視線が刺さるよう!ゾクゾクする!


若葉『シスコンは恥じる事じゃ無いのよ?

承くん♪』


『ですよね!じゃごゆっくり♪』


若葉『コーヒーおかわり〜♪』


あっちゃんは照れ屋さんだなぁ。

俺にお姉ちゃんは居ないから少し羨ましいと思う事もあるんだよね。

ましてこんなに美人さん!



☆ ☆ ☆


カフェから数十mほどのタワマンにて。


新二『はぁ…夏嫌い。暑いもん。』


俺に姉は居ないが兄みたいな人なら居る。

こんだけ電気料金気にせずガンガンエアコンかけっぱなしで冷たい飲み物常飲してなんかどうなってるかわからんけどすごい風が出る翼の無いオシャな扇風機(?)まで使ってて?マイナスイオン出るの?マイナスイオンってなに?



さて、しばらくぶりに顔出すとめっちゃ散らかってるし…

俺は片付けながら近況を話す。

妹の望が女子テニスで全国大会出て!ベスト4!

友人の映画撮影のはなし、香椎さんがキャシーレイナ役になりかけて怒った話、週末釣りキャンプ行く話し。


中でも釣りキャンプ。

前回会えなかったスズキさんに会いたい!マゴチさん旨かった!

松ちゃんは結構魚料理も好きだし自分でや調理もする。

得意なのはアジフライやきすの天ぷら、マグロカツ、マグロのかまを焼いたりするらしい。


新二『…下処理大変だけど美味いよな…

自分で釣る…面倒だけど面白い…か?』


『うんうん!おもしろいよ!

友達と一緒にさ!

…松ちゃんもどう?』


新二『…承の友達…きっと…

でも…変な空気ならない?』


『大丈夫大丈夫!俺の友達だよ?』


新二『友達の友達も仲間になれるって思うやつも多いんよな…

でも釣りキャンプ…そそられる…!』


俺は行こうよ!っておすすめした!

こうゆう体験は絶対いい影響があるはずだし!

俺は迷う松ちゃんを押し切って釣りキャンプ参加を取り付けた。

…きっと後々の為になる…。


話しとしてウケたのはキャシーレイナだった。


新二『キャシーって!雑な外人設定!

…玲奈さんの学生生活…。』


なんか胸が痛い。

事実として目の前の松ちゃんが玲奈さん…香椎さんの婚約者で…

アレコレ出来ちゃう権利を…このまま何もしないと清純清楚な香椎さんが…!!

※脳破壊中。


…コレは参加はしないけど撮影は見に行きたいって言った。

…まあ松ちゃんの学校生活を思い出すきっかけにでもなればいい。

明後日立花家の夕飯はハンバーグで母さんが良かったら新二くんもどう?ってお誘いを話した。

松ちゃんはどうしようかな?って顔。


『ひーちゃんがきて!って言ってたよ?』


新二『妹は?』


『…ハンバーグが小さくなっちゃう!って…。』


新二『あのクソガキw

妹何が好きなの?』


『弟と兄?』


新二『シスコンがひどい…

そう言うんじゃなくって…何持ってけばアイツ黙るの?』


『あぁ、肉か甘いものかな。』


新二『…おっけ。

お母さんにありがとう、行きますって言っておいて?』


松ちゃんとそんな話しをしながら片付けやゴミ捨てを終えてまたアニメ見ながらダラダラ話し続けたんだ。


明日は昼俺カレバイトだけど飯食いにいくわー。

って松ちゃんが言った。

ハマってるねw



☆ ☆ ☆

猛獣ご機嫌 


立花家、昼過ぎ。


望『それでね?兄ちゃんが最新型のタブレット買ってくれて〜!

見て見て!可愛いでしょ!最新型なの!

その後もさぁ?ステーキ食え!って強引に!

もう!シスコンなんだからぁ〜♪』


緑『自虐風兄自慢w』

きい『シスコンディスりながらブラコン曝け出してるね。』

茜『タブレット購入→ステーキ🥩

アクロバティックな甘やかしだね…。』


芹『良かったね望ちゃん♪』


『もう!兄ちゃんはあたし好きすぎぃ♪』


芹『なんかお返ししたの?』


望はちょっと照れながら、


望『…車椅子返して、車まで片足移動大変だから、おんぶ♪って駄々捏ねたら兄ちゃん背負ってくれた…♪

胸当たってる?って聞いたら照れて返事しなかったよぉ!

あたしも恥ずかしかった!きゃっ♡』


親友s『『『…。(お兄さん…ツッコミ我慢したんだ…。)』』』


捻挫で動けない上に昨日の負傷棄権でどんなに親友がしょんぼりしてるかとストレスを貯めているかとハラハラして来た親友sはご機嫌な猛獣を見つけて胸を撫で下ろした。


望『兄ちゃんシスコンで困っちゃうよぉ!』

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