第458話 婚約破棄進行状況【side香椎玲奈】

『なんでこんな台本を…!』


千佳『そんなに怒らないのよキャシー?

ぷふーっ!』


『千佳ぁ…。』


宥めているのか煽ってるのか…!

細部話し合いながら今日の顔合わせは一旦終了!

カラオケルームに居たのは3時間だったけどあっという間だったね。


終了間際


承くん?承くんがスッてやって来て、


承『…キャシーさんこの後少し時間良いかな?少し話せない?。』


『…二度とその名前で呼ばないでね?』


承『…ごめんなさい…。』


ちょっと目に力入れたら承くんが萎縮しちゃったよ…!

でも!お話し!承くんとお話し!

るんたったー♪


皆んな解散して15分後に駅前の喫茶店!

一応念を入れて少しゆっくり到着するよ!


承くん?誰かと談笑してるの?


千佳『あ!玲奈!こっちこっち!』


承くんと…千佳が先にテーブルに…。


千佳はノースリーブブラウスにピタッとしたパンツでスレンダーなのに脚とお尻のラインがクッキリ出てて格好良いのにセクシー。

承くん照れちゃって無い?

…そんなに承くんと仲良かったっけ?


千佳『玲奈絡みで話す機会は昔から多かったのよ。

…東光も色んな組み合わせの男子でアツいわよね♪

厚樹くんが誘い受けっぽくって…!』


承くんの顔が引き攣ってる…!

千佳?


千佳『…婚約者の居る女性とふたりきりは良く無いから私も同席なんだって。

承くんありがとうね。』


…少し2人で話してたらしく千佳は承くんにお礼を言っていた。


承『新二くんの話なんだけど…』


承くんの報告は新二くんと居る時間が増えた。

俺カレで食事したり料理勝負したりしてる?何それ!面白そう!

立花家で鶏の唐揚げ食べて家族に会ったり、承くんも松方家の食事会に立ち会ったりしたって。

出勤に付き合って新二くんの仕事を見学したり身してる?すごい!

…思ってた以上に新二くんの信頼を得ていない?


承くんは真面目な顔で、


承『きっと玲奈さんとの一年があったから…今の生活に疑問を持ったり家族や確かな繋がりが欲しくなったんだと思うよ。』


家族以外で1番この件を知ってる千佳はため息。

このまま上手く行って…玲奈が解放されたら良いな…って呟く…。


承くんは真面目な顔で、


承『…でもまだ足りない。

常識が違うんだ。根本的に世間の常識と違うし生活レベルもおかしい。』


この後の話しで千佳は唖然から激怒し出す。

愛人が居る生活が普通。

不快かもしれないけどって前置きで承くんも愛人宅へ新二くん送ってった話。

新二くんパパの常識はずれのパワハラ的な日常生活に歪んだ家族の話。

その上で、自分の家族の形の歪さや愛情に疑問を持ち始めてて立花家や俺カレを羨んでもいる。

…でも根本的な問題で望めば手に入るのが当たり前でもあったから都合よく考えていそうって心配していた。


承『そんな感じの近況かな。

9月中に信頼を得ないと試用期間で切られちゃうからね。

…この映画撮影も松ちゃん呼ぼうかと思ってるんだ。

…学校生活を思い出したり、俺の仲間達にも触れて欲しいし。』


…うん、良いんじゃ無いかな?

それで香椎家の方はどうかな?そう聞かれた。


…弁護士が決まらない。

スタートから躓いているのが現状なんだ。

県内に弁護士の先生はある程度の人数が居る。

パパとママが何ヶ所か当たったんだけど…。

松方家は県内では敵対しないのが普通って感じだった。


大人気ない報復、敵には採算を度外視した制裁や嫌がらせ。

県内で悪名が高すぎて皆んな話を聞くうちに松方グループと関わりがあるのでって断られているのが現状。

パパは藁をも掴む気持ちで迷惑かけたく無いって思ってた香椎商事の顧問弁護士の先生に相談した。

専門が全く違うからって前置きで都内に事務所を構える新進気鋭の先生を紹介して頂いた。

近々会って話するんだよ。そう話すとまた千佳がため息を吐く。



千佳『破棄だけなら絶対出来る案件なのよね?

それでも後の事考えると受けたく無い案件っ事でしょ?

松方グループどんだけ大人気ないのよ…!』


…そう言った現状を確認し合う。

千佳が空気を変えたい!って表情で明るく楽しい話フってくる。

中学の頃の話、最近の話し、先日のインターハイ予選話し。


千佳『承くん、玲奈明日からインターハイ本戦で遠征なんだよ!

明日は移動だから明後日からなんだけど…激励!激励してあげて!』


急な無茶振りにワクワク千佳とモジモジ承くんのコントラストが微笑ましい。

承くんが私を優しい目で見ながら、


承『香椎さん頑張って…!』


手をぐっ!って握って承くんは私の目を見た!

…手を握ってほしいな…。

いやいや…今は…。


『…うん、頑張るよ。』


承『頑張ってって適当に言った訳じゃ無いんだ!』


承くんが自分の妹の望ちゃんを引き合いに出して語り始める。

色々言いたい!でも1番頑張ってるのは本人な訳で…

ベストを尽くして!怪我しないでね!体調に注意してね?きっと大丈夫!応援してるよ!信じてる。色んな言葉をかけたいけど一言で言うと、


『がんばれ』


になっちゃう。

語彙が少なく口下手だから俺はそれしか言えない。

そう言う承くんにきゅーんってする!


『…がんばれって言葉に万感の思いが込められてるって事だよね?

…大丈夫わかるよ。』


承くんはパッと顔を輝かせて頷いた。


千佳『今のでわかるの?

…ふふ!ごちそうさま!』


承『いや!あの?!』


…承くんは千佳に冷やかされていた。

ふふー!止めなよ千佳。

承くん照れちゃって困ってるでしょ?


そうだよね、一言にだってたくさん意味が詰まってることもある。

…全部汲み取れなかったとしてもその短い激励で胸から熱が溢れ落ちそう!

頑張るよ!私も万感の思いを込めて返す。


『…望ちゃんも全中がそろそろでしょ?』


承『うん、それは観に行くつもり。』


良いな承くんが応援に来てくれる…。

羨ましい…。妹になりたい…!

いやいや!妹じゃ嫌だもん!


インターハイが終わって、夏が終わると私たちはどうなっているのだろう?

色々思う事はあるけど千佳と承くんとの3人でのおしゃべりはとてもとても楽しいものだったんだよ!



☆ ☆ ☆

尚インターハイの結果はベスト8でした。


『これだけっ?!』

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