第456話 松ちゃんin立花家
新二『…どうも…。』
母『お土産貰ったのよ?ご馳走様♪』
新二『…いえ…。』
父さんは残業でどうしても外せないらしく、祖父、祖母、母、俺、望、ひーちゃんの構成。
俺が松ちゃんを紹介して食卓を囲む。
家族は新二くんって呼ぶ事に決めたらしい。
祖父『一杯どう?新二くん?』
『…いや、あの、車で来たので…。』
祖父『残念、今度付き合ってね?』
祖母『泊まっていけばいいのにね?』
新二『…今度…泊まり…。』
祖父母は若者酒離れについて話しだした。テレビのニュースが情報源。
母『はい!揚げたてだよ!
こっちがスタンダード!こっちがカレー味だよ!』
望『わーい♪』
ひー『わーい!』
母『新二くんもどうぞ?いっぱいあるから遠慮せずに食べてね?』
新二『あっはい。』
望『熱いよ!気をつけろ?』
母『望!あなたが口の聞き方気をつけなさい!』
はぁいって気のない返事をして望は取り皿に唐揚げをガンガン放り込む。
…皮付きのジューシーな大きめサイズを狙い撃ちしてやがる…このクソガキ!
ひーちゃんは熱いのがダメだからふー!ふー!って実際言いながら吹いて冷ましている。
唐揚げで白米をかき込む!
…ご飯3杯いける!
望『うま!』
ひー『うまだよぉ!おかあさんいいおよめさんなれるね?』
母『まあ♡』
そんなおバカな会話を惚けたように見つめる松ちゃん。
『松ちゃん、どうかな?高級なモノでは無いけど…結構美味いでしょ?』
…最近一緒に居る機会は多いけど手放しで『美味い』って言った事が無い松ちゃん。口が肥えてて皮肉屋さんだから素直に美味しいって言えないのかな?
美味しいって言った方が美味しく感じるし俺は大概美味しいって言っちゃう。
新二『…結構美味しい…。』
失礼な事言った自覚はあったのかハッとした表情で顔を上げる松ちゃん。
母さんはニコニコ笑いながら、
母『大丈夫大丈夫!人それぞれよね?
新二くんのお母さんはお料理上手なのかな?
味って個人差も癖もあるからねー?』
事前に言っておいた素直に美味しいとか褒めたりできない人って。
言っておいて良かったなぁ。
母『お仕事もして偉いね?新二くんお疲れ様!』
…さっき松ちゃんの職場見せて貰った話しをしたんだけど…
母さんは先日の優奈さんの話を聞いてるから松ちゃんが引きこもりのニートで最近働き出して俺の家の食事会も社会復帰の一環だと思っている…。
うん、都合良いのでその設定で良いよ…まさかあんな大企業の社長だなんて思わんわな。
437話 優奈の玲奈 参照↓
https://kakuyomu.jp/works/16817330656200078233/episodes/16818093081660100909
望『味変♪マヨネーズビシャがけ〜♪』
ひー『ふー!ふー!』
松ちゃんに話を振りながら白米をかき込む!
揚げたての鶏からでご飯がすすむ!
松ちゃんもおかわりして2杯ご飯食べた。
…絶対美味しかったろ?素直に言えば良いのに…。
受け身ではあったがうちの家族とも少し話しながら食事は進み皆んなお腹いっぱい!
ひー『ね!まっちゃん!じんせいげーむしようよ!』
望『…お客さん来るとしたがるよね…やる?』
ひーちゃんはおめめキラキラで松ちゃんに頼み込む。
望はどうすんの?って顔。
松ちゃんはひーちゃんのキラキラおめめに抗えなかったw
新二『え?実物?!』
望『実物以外に何があるの?』
新二『レトロだな…。』
ゲーム機でやる人生ゲームしかしたこと無いって。
お金の計算とか諸々もやり取り面倒くさいくない?って松ちゃんは言う。
望は顔を歪めて、
望『チッ、金持ちのボンボンが…。』
松ちゃんは俺の方を向いて、
新二『お前の妹可愛く無いな…。』
『…デレると可愛いよ。』
人にディスられると庇いたくなる兄心…!
人生ゲームはプログラマー松ちゃんと教師望の熾烈な二位争い。
スポーツ選手ひーちゃんが独走。
今回は平和…香椎さんと紅緒さんの時…酷かったなぁ…思い出すと息苦しいもん。
二位松ちゃんでフィニッシュ!
望も楽しかったのか、
望『レトロでも楽しいでしょ?お札貰うとニヤリとしたり子供産まれて車に刺すピン増えたり!』
新二『…お札でニヤリとしないだろ?』
望『…こいつ嫌い!』
ひー『まっちゃんたのしかったねー!』
新二『…あぁ。』
松ちゃんは兄ちゃんの兄ちゃんみたいなもんなんだよ?そうひーちゃんに説明したらひーちゃんは爆発的に松ちゃんに懐いた。
ひー『しゅごい!しゅごいよぉ!にいちゃんのにいちゃん?しゅごい!』
新二『…照れるな…。』
結局松ちゃんがいる間ひーちゃんは松ちゃんの周辺にずっと居た。
松ちゃんも嬉しそう。
…望は気に入らなそう(笑)
21:00、そろそろ帰るわって松ちゃんが呟く。
ひーちゃんが船を漕ぎ始めた。
ひー『…また…きてね?』
新二『…また来るよ。』
望『…次はレトロ格ゲーでボコす。』
望は香椎さんの事を言いたくて言いたくて堪らなそうだったけど口にはしなかった。
松ちゃんが車に乗り込む。
自転車松ちゃん家だけど明日電車で行くからって伝える。
松ちゃんは俺の家をチラッて見て、
新二『広い家だけど古いから無駄多いし、そもそも住んでる人数多いから手狭。』
…こうゆうとこあるよね…!
反論しかけたけど、松ちゃんの目を見たら続きを聞こうか?って気になった。
新二『だけど、家族の距離が近くて会話が多くて…全然俺の家と違う…。
…良い家だな?』
『うん。』
恥ずかしいけど俺も良い家だと思ってるんだ!
恥ずかしくったって否定はしない。
松ちゃんは去り際遠くを見ながらボソリと、
新二『…俺さ、承ママからお母さんお料理上手いのかな?って言われて思い出した。
…俺の母さんは料理が下手だった。
才媛で才色兼備で何でも出来る人だったけど…料理だけは大の苦手で…
でも子供の頃、まだ一緒に暮らしてた頃苦手ながら一生懸命に作ってくれた料理が…カレー、唐揚げ、ハンバーグだった…。
それだけは比較的美味しい…ママの手料理。』
『…母の味だったんだね…。』
新二『母の味…そんな手垢の付いた言葉…
俺…。』
松ちゃんなりに我が家で思う事があったらしい。
それはきっと良い事じゃ無い?
!思いついた!
『ねえ?松ちゃん?
今度さ?松ちゃんの番じゃない?
…俺に松ちゃんのママの顔見せてよ?』
松ちゃんは悲しそうに、
新二『パパに禁止されてるから…。』
『…息子が母に会うのに許可って要る?
病気とか心の問題ならアレだけど…一回聞いてみたら?
松ちゃんママだって松ちゃんに会いたいと思うなぁ。』
新二『…そうかな?そうだよな。
そっか…息子が母に会うのに許可なんて…!』
松ちゃんは執事さん?に連絡してみるって言ってなんか吹っ切れたように自分の家に帰って行った。執事って実在するんだ…!
…今日うちを見て何か伝われば良いな。
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