第454話 彼女出来たの?!【side立花望】
地方大会を優勝という最高の形で終えていよいよ次は全国大会。
北翔高校の特待生条件の全国進出を勝ち取りこれで内定!
完全オフだけど昼前に一回学校に報告に来いって言われたから慣れ親しんだ新川中へ向かう。
茜は悔しくて落ち込んでる。
午後から芹の家でお疲れ会やるんだー♪
…でも心中はそれどころじゃ無いよぉ!
昨日の晩に兄ちゃんが語った、宏介くんに彼女が出来た!って衝撃!
あたしはなんかモヤモヤして気が気じゃない。
…あんなに格好良くてクールで優しいんだよ?彼女くらいすぐ出来ちゃうよね…。
中学校の真ん前の宏介くんちの宏介くん部屋を見るけど…家に居ないみたい…。カーテンですぐわかっちゃう。
教員室では拍手で迎えられ、みんなは口々に褒めてくれる。
テニス部に顔出しても後輩たちが大喜びでやって来て褒めてくれるからちょっと良い気になっちゃって?
でも、帰ろうと思って宏介くんちの前を通ると…宏介くん?!
あたしは駆け寄って宏介くんの肩を掴むよ!
『…ねえ宏介くん…彼女出来たの?
冗談だよね?誰を騙してるの?
あたしは信じて無いけど…あ!昨日地方大会優勝したんだよ!ふぁっく!』
…まとまらないよぉ!
昨日の結果を話して!褒めて貰って!
それから…彼女のこと聞けば良いのに!あたしもパニクってたんだよぉ!
『…離せ。
話を聞け。』
宏介くんを揺さぶるあたしの手を掴んで外す宏介くん…。
男の人って力強いなぁ。
※望は宏介をなんでもプラスに捉えます。
宏介『…承から聞いたの?』
頷くあたし。
宏介くんはふう。ってため息吐いて。
『…なんでか反響があるんだよなぁ…。
誰にも言うなよ?これは…。』
ふんふん。なるほど…そんな事が…。
宏介くんを取り巻く謎。
春に届いた3通の手紙…その謎を…!
宏介『だから、その囮。
ニセ彼女なの。』
『DA!YO!NE!
わかってた!
宏介くんがそんな簡単に女の子と交際始めるチャラい男子じゃ無い事は知ってるもーん!』
だよね?だよねー!
良かったー!
宏介くんは未だフリー!
宏介『夏いっぱいは日奈子が彼女だって事になってるから。
承にこれ以上広めるなって言っといて?情報源はたぶん田中くんだろうけど。』
…日奈子…そいつが…。。
覚えておこう。でも心の声が漏れちゃうよ。
『…日奈子…名前呼びなんだ…。
日奈子。…いいな。』
そしたらさ?宏介くんが優しい瞳で、
『お前は昔名前呼びでしょ?
望!望?』
『ぴゃい!』
ピョンって飛びあがっちゃう!
嬉しいな!最近名前で呼んで貰えるときゅんってするよぉ!
そうだよね?ポッと出のニセ彼女なんかに…宏介くんが奪われる訳が無い…!
『りょーかい!
いやぁ宏介くんが急に彼女なんてびっくりしたよ!
…宏介くんみたいに大人でクールな男の子には…陽気で話が合う妹みたいな女の子の方が合ってるんじゃない?』
際どい事言っちゃったかも!ドキドキしてると宏介くんは笑いながら、
宏介『…日奈子は1学年後輩でさ?
頭のいい帰国子女なんだけどさ?
陽気でおバカで…軍師と武将の話合うんだよねw
妹キャラかもしれないなw』
『…ふぁっく…!』
じぇらしー!!
宏介くんの妹を卒業したいのに!
妹みたいな女の子とウソとはいえ付き合ってるのぉ?!
脳が破壊されちゃうよぉ!
妹って今の立ち位置をキープすべきか投げ捨てて前へ進めるべきか…!
あたしの心中はわからないであろう宏介くんは、
宏介『それでさ、日奈子は田中くんをニンジャ先輩とか呼んでて…
ムジヒ!とか語尾がちょっとおかしくってw』
『ぐぎぎぎぎ…。』
宏介『…望と気が合うんじゃないか?』
『絶対合わない!』
※断言
宏介『そんな事言うなよ。会うこともあるかもしれないじゃない。
…とにかくおめでとう、これで多分来年は後輩になるな?』
宏介くんはそう言ってあたしの頭を撫で撫でしてくれて…
兄ちゃんより小柄だけどあたしより大きい宏介くんは優しくあたしを見つめて撫でてくれる…。
無性に恥ずかしくなっちゃって頬に血が集まっていく感覚がする。
多分真っ赤になってるんだろう。
あたしは身動き一つせずに頭を撫でられる感触に身を任せていた。
これも勝ったご褒美。
…全国大会で勝ったら、日本一になったら兄ちゃんも宏介くんももっと褒めてくれる?
あたしが1番だよ!って褒めてくれるかな?
そしたらいっぱい撫でて貰って…そしたら言えるかな?
兄ちゃんへの感謝の言葉と…宏介くんに……だよって…。
兎にも角にも宏介くんの彼女はニセ彼女だった!
あたしは不本意ながら小さい胸を撫で下ろして家へ帰った。
☆ ☆ ☆
『そしたらねー?
立花はやると思ってた!って(笑)
あたしが箒でフラスコ叩き割った時以来仲悪かった理科の先生がw』
芹『…アレは望ちゃんが悪いでしょ…。』
午前に中学校へ報告行ってきた話を親友sとする。
…茜はまだ落ち込んでいる。悔しいよね。
芹ママがさっきから甘やかしてるけど全然ノッてこないもん。
ちょっと話を変えようと宏介くんの彼女話をすると…
茜『ええ?!宏介くんの彼女?!望大丈夫?!』
4人ともびっくりで話に食いつく。
大丈夫!実はね?
良かったー!良かったねー?
盛り上がる親友s。
しかし。
緑『早くキメないと!こういう風に横から攫われちゃうよ!』
きい『そうだよ!ニセ彼女が本物になる話なんてカクヨムでもごまんとあるでしょー!』
茜『そうだよ!後輩になれるんだし!』
芹『…でも北翔に入学決まってるのに…もし失敗したらしんどく無い?
通学の駅やお兄さん絡みで絶対顔合わせるだろうし…?』
『『『あぁ…。』』』
…なんて怖い事を…!
あたしは思ったまま、
あたしは後輩になってから…入学してから…高校生になって、
大人になったよ、もう子供の頃と違うんだよ!ってアピールしてから…
今までの色々な事を語って、その頃からずっと好きだったんだよ。って伝えたいな。
呟くように言うと…
ガバ!!って親友sに抱きつかれて!
緑『きゃわわ!望らしからぬきゃわわ!』
きい『健気!幼馴染のお兄ちゃんを慕ってる妹みたいな女の子感ある!』
茜『…それで行こうよ!当たってくだけろ!』
芹『…望の…15年…その頃には16かな?
伝えよう!余す事なく!その為にも!
今からアピールだよ!』
なんか親友たちが盛り上がってきた。
緑『望は自分になにが足りないと思う?』
…根本的な質問が来たね…
あたしは香椎先輩から常に自分のストロングポイント弱点を把握しておきなさいって言われてきた。
…当然自分を冷静に見つめれば答えはおのずと出るよ!
『おっぱい。』
4人は悲しい顔して、
『『『…。』』』
誰も目を合わせなかった。
ふぁっく。
☆ ☆ ☆
クロス回です。
21:00更新の外伝側では宏介サイド目線で同じ場面やっています。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます