第451話 地方大会…どころじゃない【side立花望】
緑『のぞみっ!』
真夏のグラウンドで女子中学生の声があがるよ!
センタリングがあがる!トラップする暇無いよ!ダイレクトシュート!
ゴールキーパーの芹の届かないところ!
きい『…させない…!』
茜『カットー!』
2人がマークしてくる!
あたしはするっと抜け出して飛び上がる!横転するように身を捩りながらっ!
『…ファイア…トルネードぉ!』
ばしゅ!ゴールネットにボールが吸い込まれる!
ばたん!あたしも受け身を取って着地!
豪炎寺くんみたいにはいかないね…
芹『望ちゃん?!』
担任『こらぁ!望!
あんた明日から大会なのになんで怪我する可能性のある危ないことやってるのー!?』
テニス部の休憩中にサッカー部が片付け忘れたボールいじってたらこうなってたよ!イナ⚪︎イレブン好きだったなー!
…明後日から大会なのに怪我の可能性ある激しい遊びするな!って担任の先生に怒られた。
若い綺麗な先生なのに怒りっぽいと婚期遅くなっちゃうよ?
明日隣県へ移動して!いよいよ地方大会。
勝ち進めれば3日の日程。
三勝で全国大会行きのベスト4、出場者はあたしと茜。
もう三年生は引退したけど親友sは部活付き合ってくれてる。
明日2台に分かれて茜家族とうち家族で出発。
先生と緑きいは茜車に同乗。
うちは家族と芹。
…兄ちゃんは今回来ない。
その代わり!全国大会には来てくれる!
絶対全国行くんだもん!
県内最強jcから地方最強jcに…!
隣県だと北翔の練習参加で会った
あのお嬢様に会えたらリベンジしたいなー。
そんな事を思いつつこの日は軽めな調整に終始する。だからついついサッカー燃えちゃった♪
☆ ☆ ☆
家に帰ると…兄ちゃん♪
今日は珍しく兄ちゃんが家に居てひーちゃんも嬉しそう!
でしょでしょ?ひーちゃんが寂しがるし?兄ちゃんはもちょっと家に居た方が良いと思うなぁ。
部屋でゴロゴロ三兄妹。
ひーちゃんが嬉しそうに、
ひー『…はーちゃんがねえちゃんとあそびたいって!』
『ぴゃ!』
※(> <)こんな感じになってます。
…はーちゃん…あたしが修学旅行先から連れて来た…着物着た5歳くらいのおかっぱの男の子?修学旅行の時は見えたのにアレ以降は見ていない。
兄ちゃんが真面目な顔して、
兄『…はーちゃんがこないだ俺カレや松ちゃんちのライフライン壊して俺を望の試合に行くように仕向けたらしいぞ…。』
マジモンじゃん!
こっわ!
『…あたし怖い話自体は好きだけど…話だから良いのであって…。』
兄『なんか力持ってる。
気をつける…ってより?変なお願いや利用するとバチがあたるぞ?』
まんが日本昔話みたいなかんじ?
たまにあるおどろおどろしい救いのない回。
子供の頃よくDVDで見たなぁ。
兄ちゃんは意外と迷信深い。
『わかってるよ!簡単に力借りると借り作ったり代償がいるもんね?
わかってるよぉ!』
あたしもそんなバカじゃない!
☆ ☆ ☆
翌日夕方。
『…ここ?』
母『ここ。ここしか取れなかったのよ…。まあまあ大丈夫!』
明日の大会前に隣県に車移動したあたしたち。
お昼に名物食べて会場のコートを下見して有名な名所回ったらもう夕方。
…辿りついた宿泊先は…古びた旅館…。
雰囲気ある…いやありすぎる…!
ひー『でもこんでるね?にんきなの?』
『へ?混んでる?
どこが?』
旅館前はガラガラで人なんて?
ひーちゃん?ひーちゃんは顔を曇らせ、
ひー『…こどもだからまちがえた…。』
『ひーちゃん?ねえひーちゃん!本当のこと言ってよぉ!』
ひーちゃんに高速頬擦りしながら聞き出すと…。
ひー『…まどにいっぱいひとがいたよ?』
『ぴゃ!』
芹『ひーちゃんが言うんだよ?大丈夫かな?』
母さんとひーちゃん、あたしと芹はそれぞれの部屋へ別れた…。
こうゆう時に限って2人部屋!4人部屋で良いでしょぉ!
古いけど掃除の行き届いた和室。
…何故窓が大きいのに暗く感じるんだろう?
芹が震えながら、
芹『…掛け軸の裏にお札貼ってあるよぅ。』
『盛り塩がある…。』
ふたりで頭を抱えていると、
ひー『ねえちゃあ!!
…しちゅれいしました…。』
ドアを開け放ち最愛の弟ひーちゃんが部屋に入って来た瞬間表情を暗くして出て行こうとするよ!
芹『ひーちゃん!ひーちゃん!!』
芹がひーちゃんを引き止める!
あたしも抱きつく!
ひー『…ぼくおかあしゃんとこいきたい…。』
ひーちゃん!お願い!
何が見えるの?
ひーちゃんは黙ってる。
芹が引き攣った笑顔で、
芹『…ひーちゃん?
「ナニカ」居るの?』
ひーちゃんはコクンって頷いた。
芹はふふふ♪って笑うと、
芹『…私そこのネットカフェで…』
ひとりなんて嫌すぎる!
『ネットカフェで寝たら明日の試合に影響出るでしょ!』
芹『私は試合無いもん!今からでも違うとこ!』
2人でネット検索かけるけど…!
ダメだ!大会のせいかな?空きがない!
そうだ!茜家に混ぜて貰おう!流石に無理か?
お母さんは安くて温泉目当てだからこの旅館で無問題なんだね。
おばけ!って言ったら、
母『…望、生きてる人間が1番怖いんだよ?』
…なんか重いコメント言われた…。
お母さん?
ダメ元で見える子のひーちゃんに縋る。
『ひーちゃんなんとかならない?』
ひーちゃんはあっけらかんと、
ひー『はーちゃんがなんとかできるっていってるよ?』
『なんとかして貰って!!』
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