第443話 三者面談

7月上旬、金曜日。

来週からテスト週間に入るこの時期、うちの高校では三者面談がある。

主な話は進路。

中間テストの結果や生活態度など諸々の話から生徒側の希望、担任側のおすすめの進路の話しをする。


今週いっぱいやってたんだけどうちは母さん都合で最終日のここ。

…俺の前は紅緒さんで…。


紅緒ママ『いつもうち娘がお世話になってますー!』


母『いえいえ!永遠ちゃんはうちの光も気にしてくれてー!』


なんて社交会話真っ最中。

紅緒さんはニコニコしながら、


紅緒『…いつか結婚の顔合わせとかでこの時ね〜なんて話すのかな?』


『…ちょっと何言ってるのかわからない…。』


紅緒『馴れ初めは…パンを咥えて遅刻遅刻!って私が走ってたら角から来た承くんとぶつかった拍子にキスしちゃって♡

『キスしちゃったよぉ♡』

が初会話のセリフだったね♡』


『…紅緒さんさぁ…初めて俺と話した時、

『立岡くん』って呼んだの忘れてないw』


俺たちが笑って話してるにを紅緒ママは嬉しそうに眺めてた。


紅緒母娘が先に面談。

廊下の椅子で並んで座る。


母『…承の進路は大学受験って聞いてるけど具体的な志望大学あるの?』


俺は首を振る。

よくわかんない。


『そこも相談してみる。』


母『うん、そうだね母さんもよくわかんない。

先生に聞いてみようか?』


家以外で母さんと並んで座る気恥ずかしさと何処か感じる懐かしさ。

家で話してるけど東光高校のこと、友達のこと、色々話す。


仙道『おー、立花!』


『仙道も今日?』


仙道ママ美人…失礼ながら…てっきり水木先生の絵柄タイプかと…。


紅緒『承くん!どうぞ♪』


紅緒さん終わったみたい!

母さんといつも教室に入る。

母さんと教室に入るって違和感がすごいw


扉を閉める瞬間、


紅緒『仙道くん?仙道くんのママ?!』


紅緒さんの驚愕の声が廊下に響いていた。


☆ ☆ ☆

担任『立花くんの成績は上位ですね。

成績も良い方でクラス委員長もしてくれて学級運営にも積極的に携わっています。』


母『やだ!うちの子優等生っぽい!』


『失礼な。』


優等生かどうかはわかんないけど真面目に暮らしてるよ!

アルバイトしてること(届出済)、近況など確認しながら担任は東光から進学出来るレベルに大学ならこのまま頑張れば大丈夫じゃないか?との事。


大学受験の手順のセンター試験から志望校の試験などの流れや

大まかな大学の費用や費用や費用など諸々の事を聞く。

…うーん、お金かかる。


俺は基本奨学金で賄う気でいた。

俺が行きたいんだから俺が払うのが当たり前!

母さんがうちからももちろん出すよ!奨学金って言い換えても結局借金で今後の人生の負担になるんだからと。


担任『まあもっと頑張って…特待生枠を狙う…これ結構条件が厳しい割に良い大学が少ないんですな。』



そうなのか…。


『先生、お金かからずにキチンと学べる4大って無いっすかね?』


担任はふむうって唸って、


『無い事も無いけど…。』


まじまじ俺を見つけて考え込む担任。

え?そんなとこあんの?


『詳しく!』


…。



…。



良いかもしんない。

俺は検討してみようって思った。

まずは調べてみよう。

自分の未来…高校受験も大事だけどここから先は自分の未来を将来を想像しながら進路を検討しなきゃいけないって痛感した!

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