第439話 秘密の買い物【side香椎玲奈】
数時間前ショッピングエリア。
承くんとは私用で一旦別れた…。
お姉ちゃん…たまにしか一緒に居れないんだから一緒に居たって良いんじゃない?!
優奈『まあまあ♪承くんが私たちに見られたくない買い物があるように、私たちも承くんに見られたくない買い物もある…よね?』
『なに?』
『玲奈にー?誕生日プレゼント買ってあげるよ♪』
心底楽しそうなお姉ちゃん。私はむしろ今からでも後ろから追いかけて買い物デートしたい…。そう思いながらチラチラ承くんの行った方向を見ていると,
優奈『こないだの色仕掛け不発…私は下セクシーが足りないせいだと思うのね?』
『くわしく。』
聞き捨てならない。
私の魅力が足りなかったとは認めたくはない。
承くんの紳士さ我慢強さ、モラルを誉めるべきところなはずだが…私も少し納得いってないのが本音。
優奈『セクシーさが足りなかったと思うのね?
多分全裸より下着姿の方がエロい!玲奈はセクシー下着は持ってないよね?
…第一妹ちゃんの服着てたら…理性も働くでしょ?』
『…なっ…なるほど…。』
お姉ちゃん分析は納得出来るモノだった…私の女の子としての魅力が、魅せ方が間違ってた?
お姉ちゃんは自信満々に!
優奈『そこで!えっちい下着!
俗に言う勝負下着!
これさえあれば!いざって時勝負出来るでしょ?
着てるだけで女の余裕って言うか…私今日セクシー下着着けてるから!いつでも臨戦態勢!ってなるでしょ!
どう?玲奈欲しい?』
私は頷いた。
『…欲しい…!』
こうして来たちょっと大人向けランジェリーショップ…!
しゅごい。
優奈『これどう?承くんワンパンだよ?』
『何も隠れて無いよぉ!』
優奈『じゃこっちはどう?』
『コンセプトがわからないよ。』
お姉ちゃんは呆れたように、
優奈『セクシーと下品は紙一重。
結局着る人次第なの。
…じゃこれは?』
『なんで穴開いてるの?』
優奈『それは…』
『そのまま?そのまま?着たままぁ?!』
優奈『玲奈!声でかい!』
その後もお姉ちゃんは真っ赤な艶々でおっぱいが丸出しとか、
紫のスッケスケで何も隠れないランジェリーを持ってくる。
私が装備するには適正レベルが足りなさすぎるよ!
お姉ちゃんが着て見せて!そう言うと…。
優奈『…やれやれだぜ…。』
多少まともな黒のレース…縁のところが大きくレースがあしらわれてて…
少し透けてるけど肝心のとこ隠れるし、これなら下品じゃない!
…私の試着を見てお姉ちゃんは似たようなランジェリーを購入した。
私とお姉ちゃんの体型は近いし、ここは初めてみたいだけど…
※優奈のほうが全体的に大きい。
もしかして私利用されたんじゃ?
…でも初めての黒のレースをあしらったちょっとセクシーなランジェリー!
ちょっとアガる!いつか…これで!
次は必ず悩殺してみせるんだから!
☆ ☆ ☆
数時間後、立花家
望『黒のレースのスケスケ下着だよぉ!!!』
この爆弾娘は何を言うのだ…?
よりによって…見せる本命の相手の承くんに言っちゃう?
汗が吹き出しそうになるのを気合いで制御して微笑むよ♪
『望ちゃんたらぁ♪』
※目力
承『ふふ!望もバカだな…騙すならもっともらしい嘘を言えばイイのに…。』
幸い!承くんは信じていない!
私の日頃の努力の賜物だよぉ!
承『望?
玲奈さんみたいな上品で清楚な女の子が黒のスケスケ…ありえないだろ。
ほら玲奈さんに謝れ?勝手に覗いてごめんって。』
望『本当だよぉ!黒いスケスケ!ブラとショーツのセット!多分えっろいガーターみたいなのも入ってふがふが。』
『ふふ♪望ちゃんたらぁ♪』
承くんから見えないように望ちゃんの口を塞ぐよ!
『あ!承くん!少しお茶こぼしちゃった!
布巾あるかな?』
※こぼして無い。
承『すぐ取って来るよ!』
承くんは軽快な足音を立てて階段を降りる。
私は望ちゃんの耳元に口を寄せて、
『…わたし…望ちゃん大好きだよぉ?』
その後まっすぐ目を合わせて私はもう一回一言大好きって呟いた。
望ちゃんには伝わったね?
やっぱりテニス部の先輩後輩の絆だよね?
望ちゃんは背筋を伸ばして、
望『はい先輩!家だからって調子に乗りすぎました!』
『うん…わかってくれればイイよ?
来週アップルパイを焼くから食べにおいでよ。』
望『はい!』
…望ちゃんは中学入学当初のように素直で従順になった。
横に居たひーちゃんは薔薇の花束に夢中で眺めたり香りを嗅いでいた。
可愛いね♡
☆ ☆ ☆
こうしてえっちい下着疑惑を凌いで私は家に帰る。
見えなくなるまで望ちゃんとひーちゃんが手を振ってくれた。
五分ほど歩いて小学校、小学校の横の歩道橋をふたりで歩いて渡る。
ここで貰ったクリスマスプレゼント嬉しかったな。
『今日もしてるよ?』
胸元から取り出す承くんから貰ったシルバーのネックレス!
銀の結び目をモチーフにしたお気に入り!
承『着けててくれてるんだ…。』
承くんは恥ずかしそうに微笑んでいた。
初めてのバイト代で悩んで迷って必死に選んでくれたんだもんね?
私の宝物!
今日は真っ赤な薔薇の花束を持ってこの歩道橋を渡る。
幸せだな。
いつか…胸を張って隣を歩きたい。
口実をつけたり理由をつけないでただ一緒に居たいからふたりで。
帰り道はあっと言う間。
私の家にすぐに着いちゃう。
『…家寄って行かない?』
承『いや、寄れない。
じゃあまた。』
『うん、またね。』
承くんが見えなくなるまで見送って家へ入る。
…良い一日だったなぁ。
☆ ☆ ☆
家へ入りシャワー浴びて部屋に花瓶を運び薔薇を活ける。
いつもの部屋が真っ赤な薔薇の花束で華やかになり良い香りが充満する。
夕食時、パパママにも祝って貰い私は幸せ。
色々問題もあるけどそれには触れず和気藹々な楽しい家族の時間を過ごす。
素敵な一日だったなぁって思いながら部屋に戻ろうとするとお姉ちゃんに呼び止められる。
優奈『もう一個誕生日プレ!!玲奈おめでとう!!』
『今日はいっぱいしてもらったよ?お姉ちゃんありがとう♪』
優奈『まあまあ!見てみて!気にいるから!』
そう言い、お姉ちゃんが手渡してきたのは…写真?
それは2枚の写真。
…連写してたヤツ!
一枚は、
私が承くんを少し見上げながらネクタイを直してる写真…。
ふたりとも顔真っ赤で見つめあってる写真。
もう一枚は、
承くんが私に真っ赤な薔薇の花束を手渡す写真。
跪いて薔薇の花束を差し出す承くんに私がびっくりして受け取る写真。
私が写真に見惚れていると、
優奈『この受け取った後の玲奈もすっごい可愛いの!』
私が惚けたように頬を赤く染めて座り込んでる上目遣いの写真…
…可愛いかも。
優奈『きっと承くんから嬉しいプレゼント貰ったからその表情なんだね?
誕生日おめでとう玲奈♪』
私はお礼を言って部屋に引き上げる。
…お姉ちゃんは添い寝で抱き枕を要求して来たけど今日は断った!
私だって忙しいだもん!
☆ ☆ ☆
※性的な表現があります!ご注意ください!
電気を消して、スタンドのライトの灯で薔薇の花束を見つめる。
『ふふー!愛!花言葉が愛ってわかって花束贈るんだ♪
跪いて花束…もう完全にプロポーズだったよね…?』
思い出して私は幸せ気分になる。
先日の告白からプロポーズらしき流れがあったけど今日の花束の渡し方も完全にソレで私ちょっと腰が抜けそうになっちゃった…!
ふふ。
お姉ちゃんの撮った写真を取り出して眺める。
ネクタイ直すところ夫婦みたい。
花束手渡すところプロポーズみたい。
思い出したように今日のプレゼントのひとつ、ランジェリーも取り出す。
…あのすっごいセクシーを見た後だったからコレが上品に見えたけど…
やっぱりすっごいえっちい下着!
…そっと部屋着を脱いで、ランジェリーを身に着ける…。
『…かなりえっちだ…。』
…黒ってこんなにえっちぃものなの?
なんか自分じゃないようなエロさに少し興奮する。
もう17歳だもん。ちょっと大人っぽいのも…ありだよね?
承くんはどうかな?可愛いの?綺麗なの?セクシーなの?どれが好きかな?
スタンドのライトのせいで陰影が体型を際どく生々しく見せる。
薔薇の香りに包まれながら私はカバンから…ジップロックを取り出す…!
…こっち見つかる方がヤバかった?
七月に一日中着てた肌に直に触れてたTシャツは濃厚な承くんの匂い!
…今日は残念ながら体育は無かったんじゃないかな?
それがわかる私は承くんソムリエ一級資格者を名乗れるよ!
※昇格
『くんくん…くんくんくん!』
グリグリすーはー!
Tシャツに顔を埋めて顔を擦りつけながら匂いをくんくん!
承くんの匂いを嗅いでると頭が少しぼーってしてくる。
するとその…ムズムズしてくるよね…。
『ん…あっ…。』
敏感なところ、先端を摘むと甘い声が出ちゃう…。
『…うぅん…ん…』
段々ペースが上がっていく。
もちろん承くんがお相手…
想像するのはあの日のふたり。
告白してくれた日、ベッドでふたりきり。
もしてあそこで、結ばれてたら…?
『ん!…あっ…いっ…
ふーっ♡ふーっ♡あぁん♡
ふにゃぁっ♡』
部屋に充満する薔薇の香り。
承くんが必死にバイトして買ってくれたネックレスにキスして、
承くんのTシャツを身体に巻きつけて、
承くんの匂いに包まれてイッちゃった…
こんな姿見せられないよ…♡
※Tシャツは没収したままですw
☆ ☆ ☆
その頃の立花家
望『赤い薔薇の花言葉!美!愛情!
兄ちゃんやるー!』
承『…俺しばらくいじられんの?』
望『香椎先輩も満更じゃない感じだし!愛!愛だね!』
承『(でも…今日の玲奈さん綺麗だったな…ネクタイ直して貰う時や花束渡した時の表情…清楚可憐で。
…今頃何してるんだろ?)』
☆ ☆ ☆
その頃玲奈はナニして承から没収したT シャツに溺れてました(笑
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