第424話 色々起こって忘れちゃう
待ち合わせ場所の公園で紅緒さん弁当を心待ちにしている俺。
紅緒『ふふ♪お弁当にする?それともわたし?』
『おべんとぅー!』
紅緒『はいはい…知ってるよぅ…。
でも胃袋捕まえておかなきゃ…!いずれ私の沼にふふふ…。』
不穏な事を言ってるとわんこを放置しつつ宏介来ないなー?って思って数分。
愛莉『…立花くん。』
天堂さん?天堂さんは顔色が悪い。
そして聞かされる三島皐月の急襲を!
…三島皐月!あのクソ女!
愛莉『…私戻るね。
あんな表情の宏介くんをひとりにできない。』
天堂さんは身を翻して走りだす!
俺も!俺も追いかける!
『紅緒さん!宏介が!』
一応紅緒さんにも声かけて!
紅緒さんは頷きながら、
紅緒『うん、聞いてた。
行ってあげて?私も行く?』
『紅緒さんはここに居て?』
俺は急いで天堂さんの後を追う。
俺が駆けつけるともう宏介が体育館から出てくるところだった。
宏介『承!腹減った!
お弁当楽しみだなぁ♪』
愛莉『…。』
宏介は明らかにメンタルをゴリッゴリに削られた表情をしていた…!
☆ ☆ ☆
『それでさー!青井も今日柔道の県予選でさ?
小幡さんの応援楽しみにしてたんだけど…
小幡『…私もその日部活の県予選だから無理ね。』
って言われちゃって!青井しょんぼり!』
俺は一生懸命場を盛り上げる!
『でもさ?
小幡『航が他の男と組んずほぐれずの光景はインスピレーション沸きそうだか
ら誰かに撮影して貰って?』
って言われたらしいよ?
さすが女王!ブレない!』
紅緒『青井くんも千佳ちゃんもアレでラブラブなんだからすごいよね…。
男に浮気ならギリ許せるって言ってたよ?千佳ちゃん。』
宏介『…度し難い。』
愛莉『…まぁ。』
天堂さんの知らない人の話しで申し訳無いけど親友トークから空気を変えようと必死!紅緒さんも察してノッてくれる!
一通り笑ってお弁当食べて!
お弁当は絶品で!紅緒さんはサンドイッチにコロッケ、メンチカツ、アスパラベーコン、うずら卵の醤油漬け、プチトマトなど!
『うま!』
紅緒『えへへー!』
宏介の方も天堂さんお弁当美味しいらしい…!
口数少ない2人だけど少し話してはふふふ♪って微笑み合う光景はなんかすごく和む。
しかしとわんこは天堂さんのお弁当に興味深々で。
紅緒『愛莉さん!お弁当少し交換して!』
天堂『いいけど?永遠ちゃんのも美味しそ♪』
カツサンドうま!スコッチエッグも付け合わせのフライドポテトやピクルスもすっごい美味しい!
紅緒さんは頷きながら食べている。
宏介も紅緒さんのたまごサンドとコロッケ美味い!って絶賛していた。
紅緒『あーあ、たまにこうやって?
カップル同士でダブルデートみたいなのしたいね?ね?愛莉さん♡』
愛莉『ダ、ダブルデート?!前もそう言ってたね…♡』
『あ!とわんこの遠吠えなんで気にしないで?』
こうして俺たちは天堂さんの4回戦の相手分析を聞きながら試合VTRを一緒に観戦して宏介と天堂さんのコメントを感心しながら聞いた。
宏介は少し持ち直して来たみたい…良かった…!
…あのくっそ女めら!
しばらく休んでゆっくり体育館周りを一周散歩して宏介と天堂さんは午後に備える為にチームに戻って行った…。
俺たちは体育館の客席に戻る準備をしていると…
紅緒『…承くん…あれ…さっきの?』
三島皐月とその連れ!
俺に注意されたのに!宏介に絡みやがって!
俺文句言わないと気が済まないわ!
『紅緒さん、先入って…?
俺言わずにいれない…!』
…しかし…
紅緒『私の理想のスポーツ大会ダブルデート邪魔した三島皐月さん?
許せないよぉ…!
最近構ってくれない承くんを!引っ張り出すのに!
どんだけ大変だったか!』
…珍しく紅緒さんが怒ってる?
ワガママ言うし、激情を表に出すけど個人に怒るのは珍しい紅緒さん。
紅緒『宏介くんだって優しくて良い男の子なのにさ!
私だってしょっちゅう承くんが冷たいって愚痴ロイン聞いてもらってるもん!』
『そんなことしてんのか…?』
紅緒さんは私に任せて!って宣言して、
紅緒『男の子に言われても聞き入れない事もあるよ?
意地になっちゃうって言うか?
ここは私がビシっと宏介くんを諦めて迷惑かけない方がお互いの為になるって話ししてみるよ。』
『…おお。』
こう見えても紅緒さんは入学当初こそ初動を間違えたがクラス委員長になってからはひとりひとりと話しをして絶大な支持を集めた巻き込むタイプの委員長。
お節介で直情型で涙もろくてお人好し。
紅緒永遠はこう見えて相手は選ぶが懐に入れるタイプ!
紅緒『愛莉さんの為にも…一応皐月さんの為にもなる話しだよ…承くん任せてよ!』
俺が言いに行っても…多分ケンカになるだけ。
クソ女を会心や納得させられる気はしない。
…言って鬱憤を晴らせるか?って程度。なんの意味も無い可能性もある…。
俺は同性の言葉の方が耳を傾けやすいって紅緒さんの提案に甘える事にした。
これで宏介クソ女が迷惑かけなくなるようなら…それはそれで上々!
俺は少し離れたところから見つめる。
紅緒さんが…笑顔で近づく…。
…うん…なんか話してる…。
…。
…。
…。
…!
…!!
10分後。
紅緒『あの子あたおかだよっ!!!』
※頭おかしい。
『…おっおう…。』
だから言ったじゃん!
地味な自分が我慢出来なくて高校デビューして金持ちイケメンに速攻浮気して宏介を罵って捨てた癖に上から目線で復縁してあげる♪なんて言う娘だぞ?
あたおか案件だって言ったでしょ?
紅緒さんはニヤリと笑って、
紅緒『でも?私愛莉さんがいかに宏介くんにお似合いか?
部活でも私生活でも2人は仲良し!
師弟関係で信頼し合ってるもーん!
もうくっ付くの秒読み!残念でしたー!って煽っておいたよ!』
ドヤ顔!
『ええ?!』
紅緒『皐月さん?のこと又聞きでしか知らないけど!
愛莉さんがいかに素晴らしくって綺麗で優しくて頭の良いお姉さんでバインバインで最高のバスケ部マネージャーだって!
徹頭徹尾愛莉さんを上げて↑皐月さんのくずムーブを下げて↓来たよっ!!』
…余計な事をしたのでは無いか?
…後から聞いた…これが元で秋に天堂愛莉vs三島皐月の一戦が始まったって。
最近慣れきって麻痺してた…紅緒さんトラブルメーカーなんだよなぁ…
俺はため息を吐いてとわんこを連れて宏介の4回戦を見に行った…。
…色々あって…完全に望に連絡するのを忘れてたんだよね…俺は家帰ってからその事に気付いたんだ…。
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