第365話 新学年のストレス【side香椎玲奈】
二年生になって少し経った。
諸々の委員会や部活、その中でも役職や係など新年度に入ると色んなものが変わったり、追加されたりしていくのね。
一年経ってもう私を香椎優奈の妹って呼ぶ人は居なくなった。
当初はお姉ちゃん有名だったからそう呼ばれたけど私だって存在感ある方だからね?
男性関係では望んで無い告白は変わらずある。
校外に彼氏居るよ!って宣言(嘘)したのにそれが承くんにすぐ伝わった割に天月の生徒は天月至上主義みたいな思考で絶対天月の俺の方が良い!ってアピってくるのなんでだろう?
私を口説きにくるいつもの2人竹田先輩と梅澤くんをあしらいつつ諸々を処理していくよ!
まず今年もクラス委員長になった。
テニス部は結果出してるので部内の係や役職は免除して貰った。
けど部内の立ち位置的には新入生の指導係は持ち回り。
前年度から先生に頼まれてボランティアにも少し手を出している…。
絵本の読み聞かせを主にしている。子ども可愛い♡
最近色んな絵本を読んでいたのがひーちゃんの雪だるまを送り出すストーリーに繋がったよね?
私生活では婚約関係で松下新二さんと鶴田さんとの親交を重ねつつ、
自分の夢である弁護士になる為の勉強。
身体がもう一つ欲しい…!
忙しい、忙しいよ。
自分が悪いんだけど仕事や作業や諸々をついつい背負い込んでしまう。
頼まれてしまうとなんとかしてあげられないかな?頑張ればできるな?なーんて思ってしまって出来るギリギリまで溜め込む悪い癖がある…わかってる、わかってはいるの!
4月半ばでもうかなり忙しい。
ちょっとストレスを感じる…アレ欲しいな。
あー、今切らしてるんだっけ…。
この間の時に補充に失敗したからなぁ…。
口実…理由…大義名分…。
うん、大事なものだもん!
要るよね?やっぱり!
私は電話をかけてアポイントを取ったのね。
☆ ☆ ☆
望『先輩!いらっしゃいー!』
ニコニコして迎えてくれたのは後輩の望ちゃん。
部屋着は短めのルームウェアで脚長く見えるよね?
背が伸びて少し大人っぽくなったけど私にとっては可愛がってる妹みたいな後輩。
『望ちゃん、はいこれ手作りチーズケーキ。』
望『あざーす!香椎先輩の手作りが1番美味しいよ!』
ニッコニコで喜び受け取る望ちゃんは私を部屋へ…今日は茶の間なの?!
居間のお祖父様お祖母様にも挨拶して茶の間へ案内される…。
望『…先輩ちょっとお久しぶりですよね?
私の他に女が出来てそいつとにゃんにゃんしてるんだ!
ひどい!ひどいよー!おーいおいおい!』
望ちゃんが笑顔で泣き真似始めるのを頭撫でて、
『ふふふ、私忙しかったの…ほんっとに。』
望ちゃんが少し呆れたように私から話を引き出して驚き笑う。
私も望ちゃんや親友sの破天荒な日常を聞き出し笑う。
望『…そんな感じで来週北翔の練習参加に行ってきます。
先輩そんなに忙しいんじゃあんまり兄ちゃんとは?』
私は渋い顔して、
『うん?春休み以来会っては居ないね?忙しいのはともかく?
ロインは厚樹くんの話しが多いしね?』
あちゃあ!って顔した望ちゃんは、
望『兄ちゃん…。
兄ちゃん厚樹くんには思い入れ強いんですよね…正直キモくないです?
他の人にはああならないんですけどね…。』
望ちゃんは子供の頃遊んで欲しくて承くんに着いて行くと厚樹くんは小さい子(女の子扱いでは無い)を連れて行くのを渋るとこを宏介くんは連れて行ってあげよう?承と俺で見るから!ってとりなしてくれた思い出を語ってた。
なんか映像が浮かぶね。
私はそこで要件を切り出す。
『こないだその厚樹くんの来た同窓会で?承くんにウインドブレーカー借りたままだったから返さなきゃ?』
望ちゃんは一瞬考えて、
望『あ!じゃ私の部屋行きます?』
『いく!』
食い気味の返事に望ちゃんはニヤニヤしてる。
望『あー、じゃ入って大丈夫なんで?兄ちゃんの部屋に適当に掛けといてください♪
河川敷公園風強いから先輩に上着貸したんですね?兄ちゃんやるじゃん!』
望ちゃんはニヤニヤしている。
2階の承くんと望ちゃんの共用部屋。
なんて羨ましい…。
十畳の部屋を薄いパーテーションで区切られてて、向こう側が
望『あー。お茶入れ直してこよーっと。
5分はかかるなぁ。』
※棒読み
トントントン階段を降りて行く望ちゃんの足音消えたらチャレンジスタート!
もう絶対知られてるけど、望ちゃんには普段から
私は承くんのワイシャツ!掛けてあるやつを通販で買った東光指定の新品、ワンサイズ大きいモノにすり変えるよ!
くっ!一枚しかない!
仕方なく一枚変えて掛けておく。
2枚用意してきたのにー!
…そもそも基本的に休日だと洗濯済みしか手に入らない…!
洗濯済みでも…襟口とかくんくんするとほんのり承くんの匂いがする!良いよね!
でも?どうしよう?立花家が高い値段の消臭除菌力の強い、洗うと残り香すら無くなる洗剤を導入したら…!
立花家の洗濯事情を憂慮しつつ、机周りを軽くチェックして変わったモノは無い…?
!!
こないだの!植物館デートのツーショット写真プリントアウトして飾ってあるー!!私も!私も飾ってるよ!
…惜しいのはこの日衣装が露出度高くて恥ずかしい!!
※承は望が気付いて無いと思ってるけど飾った日に望は気付いて言いたくて仕方ないけど我慢してる経緯があります。
…まだ、まだ時間あるよ!
ベッドに腰掛けまたコテンって倒れ込み…。
枕にすりすりグリグリスーハー!
くんくん!くんくんくん!
自我を保て!暴走させるな!
これは!そう!テイスティング!
くんくんしながら私はゆっくり布団に入る…そろりそろり。
はー!今私承くんに抱かれて寝ているも同然!
ここから…ゆっくり服脱がされて…承次郎くんみたいに…すっごいので…めちゃくちゃにされちゃうっ!!
とん、とん、とん、
シュバ!って音を立ててベッドを最初と同じに直して、パーテーションを戻して、望ちゃんスペースでにっこり笑って望ちゃんを待つ。間に合った!完璧!
完璧って思ったけど望ちゃんは何か持ってて?
望『…先輩、兄ちゃんのワイシャツもう一枚洗って無いのあって?要ります?』
『…要る。望ちゃん?何がいい?』
欲望には逆らわない…!
即買収を持ちかけるよ!口止め料も含んでいるね…。
望ちゃんはウキウキしながら、
望『チョコレートケーキ!かアップルパイがいいです!』
『両方作ってあげる。だから…ね?』
望『はい!任せてください!』
望ちゃんは飛び切りの笑顔で頷いた。
後はお願いね?
☆ ☆ ☆
妖怪のしわざ。【side立花望】
『ってわけで?兄ちゃんにウインドブレーカー借りてたってお礼言ってたよ?』
そう言いながら私は泣く泣く薄くスライスしたチーズケーキを兄ちゃんに勧める、紅茶まで入れる妹の鑑!
承『うっま!濃厚だからこんなに薄切りなんだ…さすが香椎さん…!』
…食べすぎて残りそれしか無かっただけなんだよね。
横でひーちゃんもうなずいてたべてる。かわゆす。
承『ウインドブレーカー没収されたかと思ってたから戻って来て良かった。』
兄ちゃんはそう言う、
『なんか没収される様な事したの?』
承『してないんだよなぁ。』
兄ちゃんは戻ってきたウインドブレーカーを羽織ってみて、
承『…!
なんか良い匂いする!香椎さんの匂い?』
『まあ香椎家に保管されてたんだしね?』
そう言いつつ、先輩ぶっ込んできたなー?って思った。
絶対匂い付けて返したでしょ?
翌朝。
起き抜け1番に兄ちゃんがため息と共に、
承『…望、香椎さんってすごいよな?
昨日寝る時、布団入ってもなんか香椎さんの良い匂いがするんだよ…。
どんだけ良い匂いしてんだろ?あの娘?』
『そうゆう事もあるんじゃ無い?』
※笑いを堪えています。
ひーちゃんも幼稚園の制服に着替えて私たちの部屋に来た。
兄ちゃんは着替えながら、
承『あれ?ワイシャツが余裕ある気がする…?』
『…へえ…。』
承『時々さ?前からワイシャツのサイズ言わなくてもワンサイズ大きいのに変わっててさ?母さんに聞いても知らないって言うんだよ。』
不思議そうな兄ちゃん。
※笑いを堪えています。
承『望のは無いそういう事?』
『無いね。まとめて買ってきてて?私のと記憶ごっちゃで母さんも忘れてるんじゃ無い?』
兄ちゃんもまだ納得いかないけどその可能性かも?って顔で、
『そっか?そうゆう事もあるかな?』
するとひーちゃんが真面目な顔で、
ひー『それはようかいのしわざじゃないかな?そうゆうことするおばけのイタズラだよ👻』
承『…ようかいのしわざか。』
兄ちゃんはひーちゃんに大きく頷いた。
私はもう限界だった…!
『そうだね?そんなことするのもにおい残していくのもきっと妖怪のしわざだよ!』
あたしはお腹抱えながら笑ってしまう。
それ全部!妖怪匂いフェチ娘のしわざ!
香椎先輩は綺麗で可愛くて勉強もスポーツも女子力もメンタルも人格もどれも素晴らしいのに闇が深い(笑)
だがそれがいい!あたしはそれも含めて香椎先輩がお姉ちゃんになったら良いなあって思っちゃうんだよね。
☆ ☆ ☆
昨日はマジ寝落ちで起きたら朝でした。申し訳ないです。
夕飯食べてお風呂入って19時ベッドにコテンでもう翌朝6時でしたw
その余韻で香椎さんもコテンして貰いましたw
本編更新怠ったのは初めてのような気がする…。
2話に分割しようかと思ったけど原液で香椎玲奈のクンクン回をお送りいたしますw
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