第364話 新しいクラスで
そしてクラス替えで仙道だけ別クラスって別れを体験した俺たちは2組に入る。
紅緒さんの話せる少女マンガ好きの2人や伊勢さんのギャル友もひとりいた。
青井は前と違う格闘技部活の知り合いを見つけ話しかけている…!
俺…ぼっち。
ぽんぽん。
紅緒『私が居るよ!大丈夫!
去年の私なんてぼっち以下でびっち扱いだったからね?』
『…あれは紅緒さんが初手間違えたからでしょ?』
紅緒『てへぺろ?』
『なんか最近女の子友達増えたせいか?今風の女子っぽい言葉使うようになったね?』
これも成長なのか?
一年前との違いを感じる…。
『一年前はクールぶって?クールなキャラで売ってたのに?』
紅緒『…人は変わるの。
今は私ぴえんとか流行りの女子言葉多用する今風女子だからね?』
『ぴえんってどんな時使うの?🥺』
紅緒さんは困った顔で考え込んで、
紅緒『雷電、月光、ぴえん。』
『男塾やないかい!』
…久しぶりにがっつり突っ込んでしまった。
紅緒『小5から中3までの多感な時期に入院しがちで!
差し入れに90年代前後くらいの少年マンガばっかり持ってきたうちの東光組の皆さんが悪いの!』
紅緒さんは他人のせいにするけどとわんこのする事だからね?
もうどうしようも無い。
…ただ一年間で1番つるむ相手紅緒さんってのはマズイと思った。
…女の子の告白を計画してるにに違う女の子とめっちゃ仲良しってなんか最低なことしてる気がするんだよね。
☆ ☆ ☆
新しい担任は…数学教師の気難しそうな痩せてる中年教師だった。
始業式、対面式と終えて今年最初HRで全員の自己紹介を行う。
当然?今年も無難だよ!
そしてクラス委員長を決める事になった。
当然、
紅緒『はい!私立候補します!去年も1ー4でクラス委員長でした!』
明るく輝く笑顔で挙手しながら立ち上がる紅緒永遠。
紅緒さんは校内では有名な生徒である。
成績優秀でこの美貌。
二年生のみならず学校でも有名人。
そんな紅緒さんは他クラスにも知れ渡っていて、
『賛成!』
『今年も盛り上げてくれるの?』
『4組去年すごかったもんね?』
『よろしく!』
…しかし担任は、
担任『…他におらんのか?
紅緒は体弱いし?負担かけさせるな?』
紅緒さんの顔がみるみる曇り始める…。
担任は…事無かれ主義なのかな?
紅緒は身体弱いから…他に立候補者居ないのか?
誰でも良いぞ?
俺はたまらず声を張り、
『誰でも良いなら立候補者の紅緒さんで良くないすか?』
クラスの賛成の声がする。
担任は苛立つように、
担任『じゃあ誰が紅緒の補佐する?立花やるか?』
紅緒さんはパッと顔を輝かせて俺を見るけど…今年俺の補佐要らないでしょ?
もう紅緒さんは一人前のクラス委員長で去年だって立派に勤め上げたもん。
担任『もうじき受験で学校行事で遊んでばかりじゃいられなくなるんだぞ?
紅緒は去年イベントに力入れてたんだろう?』
それが悪いのか?
俺…数学教師と相性悪いのかも。
中1の嫌いだった担任も数学教師だったわ。
『確かに紅緒さんはイベントに全力投球でしたけど?
でも成績も学年一位で?勉強会開催してクラス平均点めっちゃ上げましたけど?
他に居ないなら俺クラス委員長の紅緒さん補佐します!』
青井『参戦!』
伊勢『異議なし!』
『『良いんじゃない?』』
担任『お前らが良いなら良いが…真面目にやれよ?』
こうして第一回HRが終わった。
☆ ☆ ☆
HRが終わると旧1ー4メンバーは紅緒さんを囲む、
…紅緒さんの大きな目が涙目で決壊しそう。
伊勢『とわわん!気にすんな!』
青井『ああ、あれはムカつくわ。』
『青井さっき参戦って言って無かった?』
青井は憮然として、
青井『去年紅緒がどんだけ一生懸命にクラスに向き合ったかアイツわかってねえんだよ!ムカついた、俺も一緒に戦う!って意味で参戦って言った。』
青井の表情は至って真面目。独特の価値観だけど俺がそれが好ましい。
続けて伊勢さんも、
伊勢『とわわんが学校に、皆んなにかける情熱を知らないんだよ!
大丈夫、あたしがクラスの女子を取りまとめて見せるから!あのバカ担任にとわわんの良さ見せてやろ?』
伊勢さんがそう言ってにっこり紅緒さんに笑いかけると紅緒さんの涙腺が決壊した!
伊勢『ああぁ!とわわん!泣かないで!
あのバカ担任の言う事なんか気にすんな!』
紅緒さんはエグエグ泣きながら、
紅緒『違うの!青井くんもなるみんも!
承くんも私を信じてくれて、私のために声を上げてくれる事が嬉しいのー!!』
わんわん泣き始める紅緒さんはクラスの注目の的。
泣きながら紅緒さんはこの一年を全力で皆んなと楽しむ事を誓う。
それを見たクラスメイトの視線が優しくてすぐにじゃ無くてもこのクラスのカラーをまた紅緒永遠色に塗り替えていくのかもしれないなって思った。
帰り道、
青井は部活、伊勢さんは木多さんと寄り道。
仙道も新しいクラスに馴染む為付き合い優先。
これから紅緒さんを家に送って今日は帰る。
紅緒『前に承くんが言ってた、違う人と仕事したりする時が来たんだね?』
ああ、文化祭の時にそんな話ししたっけ?
『そうだね、必ずしも好意的な人と組めるかわからないし?』
紅緒『ね?今年も私を助けてね?
いっぱい思い出作ろうね?』
紅緒永遠の笑顔はキラッキラで輝くように美しい。
補佐に名乗り出ておいて『それは出来ない』とも言えない。
『今年も協力する。
でも距離近いんだよ?とわんこ。』
紅緒さんは嬉しそうに、
紅緒『今年も承くんと一緒に協力してクラス委員長が出来る。
それが嬉しい…わん♪』
とわんこの真っ直ぐな好意が嬉しいような困ったような。
俺はなんとも言えない気分で二年生初日を終えたんだ。
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