第350話 おしゃべりと愛読書【side香椎玲奈】
こうして紅緒邸に14:00すぎ入った私。
一応持って来た普段着に着替えさせてもらって…。
永遠は泊まっていけ、泊まっていけってうるさい。
…どうしよ?けっこう永遠と話すの楽しいけど?
未使用の部屋着と下着貸すよ!夕飯も付くし!朝食も付くよ!
流石に悪いので、今日は夕飯ご馳走になって後日お泊まり会する事にした。
『玲奈さぁ…どうなってんの?ウエストそんだけ細くて胸だけ肉が付くって…。』
さっきの着替えの時マジマジ見られたと思ったらそのコメント!
『肉が付くって言わないで。』
『…そのおっぱいがあれば…お見舞いの時の胸チラで承くんをKO…。』
私は怒気を抑えながら…
『また知らないワード出て来た!
お見舞い?胸チラ?とーわ♡』
『ひいっ!玲奈こわ!圧!圧つよ!』
とりあえずここ一連の流れを吐かせることにしたよ!
☆ ☆ ☆
『…以上かな?玲奈はあれ(バレンタインデート)からなんかあった?』
『無いよ!』
呆れた…永遠はバレンタインデートのあと、色々あって?
球技大会出場して、筋肉痛になって。
そこでお見舞い?弱ってるとこに胸チラで悩殺した?!
※湿布の貼りすぎで祖母を思い出しましたw
その後宏介くんと先輩の女の子の橋渡しの為のダブルデート!!おかしくないかな?
私の仕事じゃ無い?宏介くん!私頼ってよ!
…無理かな?…昔間取り持った三島皐月さんが宏介くんを裏切ってボロクソに捨てたって…。会わせる顔無いよ…。
…三島さぁん…?
承くんの事なら承くんより宏介くんの方が知ってるかもしれないほどふたりは親友。
永遠…戦略的にも正しいよ!
…私が手一杯だったこの1月。
デートしたから?またお誘いあるかな?って待ってた1ヶ月…なにも無かった…当たり障りないロインだけ…それで満足してた私の甘さ。
こないだのホワイトデー(3/14)も…時間無くて駅前で待ち合わせて私はチョコあげて、チョコ貰ったから?お互いに交換したような形。…永遠も慌ただしくお返し貰ったってだけって聞いてる。
永遠は真面目な顔して、
『承くんは男遊びに夢中なの!』
『わかる!承くんは厚樹くん!厚樹くんばっかり!』
私も同調する。
先日もロインでなんか?あっちゃんあっちゃん!って!
何かピンチを救われたらしいんだけどね…承くんは友達大好き過ぎる。
…宏介くんと厚樹くんは特にそれが強い!
男同士だから?何も無いとは思うけど。
永遠が煽る。
『…私たちのライバルってひょっとしたら…宏介くんと厚樹くんかもよ?
』
『…まさか?』
千佳だけ喜ぶ展開だよ!
永遠は私の目を見ながら、
『そもそも玲奈は余裕持ちすぎじゃない?』
また?
永遠はいつも私に冷水を浴びせるような言葉をぶつける。
『好きだったら、ましてライバルが狙ってるなら先制して!全力で仕留めに行かないと!
…本当は言わない方が良いんだけどね?
待ってて結ばれるならいくらでも待つよ!私は時間が無いからそうも行かない。
玲奈は承くん以外に忙しかったり気になる事あるなら?私に承くん託して高学歴なエリート男性と高級タワマンとかに住んで、
『色々あったけど今が幸せ!』とか言って、私たち立花夫妻と親交を持てば良いよ?』
『…なんで永遠が私たち立花夫妻なのよ。』
…煽るなぁ?永遠は毎回全力で煽ってくる。
不快じゃ無いのは本人が本気で思ってるし、私のことも思ってるからなんだろうけど。確かに黙って私の失点を待てば良い。
『なんで?なんか承くんにアタック出来ない理由や問題があるの?
それなら私に承くん任せてよ!承くん貸して?倍にして返すから!』
『倍になるなら…って!ギャンブルでお金借りるんじゃ無いんだから!』
思わずノリ突っ込みしちゃう。
こいつー!好き放題言ってー!
でも、婚約問題は最悪の最悪だ…早くなんとかしないと…!
私は話題を逸らそうと永遠の本棚に目をやるよ…。
そこで思わず声が出る…!
『…武将様に溺愛されて?〜無骨だけど真っすぐな漢は絶倫で一晩中…〜』
永遠がガバっ!て音を立ててこっちを向く!
さっきの余裕ある態度が一変!
『私!小説は好きだけどさ。えっちい小説はちょっと…って思ってたんだけどね?…玲奈だから言っちゃう!
それすごい!すっごいえっろい!
しかも!主人公の姫にベタ惚れの武将が格好良くて!義理堅くて!承くんみたいなのー!承くんみたいな武将が!普段は静かで目立たない漢が!
戦に出ると!姫の為に!って!』
『…わかったわかった。』
永遠は興奮しきり、
『わかってない!その冷静で目立たない漢が!周辺の敵国の包囲網から!一歩も引かずに姫の国を守り切って!望む褒美を与えるって言われるの!
金銀財宝、官位、領地、姉姫を筆頭に美女!なんでも良いよ!って言われるのに、その目立たない姫を!
『…姫を賜りたく…他に何も要りませぬ…。』って!それだけを求めるの!』
『『キャーー!!!』』
やばい。シンクロしちゃった…。
ぺら、ページを捲る。
永遠は覗き込んで、
『あー。良いとこ。
…その承くん似の武将…夜は絶倫で…ずっと『姫、姫!』言いながら!
なんかこのイラストとか承くんっぽいの。』
ゴクリ。
私は興味無いフリして、本を戻した。
永遠は語りたがったが永遠ママがご飯だよー!って呼びに来たからここで話は終わった。
『あーあ、玲奈も気にいると思ったんだけどなぁ…。
今日の献立はね…?』
…こっそり。
密林アプリ起動、赤城アンネ先生…キーワード検索、武将、溺愛、絶倫、
…私はこっそり密林のお急ぎ便をポチった…。
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