第342話 やっぱりね…。
※暴力的な表現があります、くれぐれも真似しないようにお願いします。
☆ ☆ ☆
もうじき12:00になる。
13:00から紅緒邸にて打ち上げが行われる。
それまでに諸々終わらせてしまいたい。
紅緒さんが朝カレー作って来たから食べたい人はカレーライスなら出すよ!って宣言して男子中心にけっこう楽しみにしてる人は多い。
青井『口がもうカレーになってる。』
『わかる。』
河川敷公園に着いた俺たち。
自転車を駐輪場に停めて待ち合わせ場所の高架下へ歩き出す。
…平日の昼間で全長2km近くもある河川敷公園は真ん中辺りのサッカー場(球技大会特訓に使用)や野球場、遊具と噴水のあるエリアは人も多く人気がある。
端っこにある高架下あたりは拡張工事中でまだ整備されてない場所も多く人気は無い。自然は多いけど。
ちなみに対岸があの青井と対決した場所で望が外町を落とし穴にハメた思い出の場所になる。
自然豊かで、並木道通りや川が近くて…良いとこだよなぁ…。
あー。
やっぱりだぁ。
遠くから津南がニコニコしながら歩いてくるのが見える…。
1、2、3、4、5、6、7?
なな?
俺を過大評価してない?
前回も5人だったっけ…?
やっばい。3人位なら?って思ってたけど…7人。
これもう事件じゃない?
逃げようかな?青井と視線を交わす。
青井はヤる?って顔。どうなってるの?
遮るものが無い為、少し風の強い河川敷公園。
津南含む7人はニヤニヤしながらゆっくりこっちへやってくる。
…?
青井『…立花?一応仙道に通報案件じゃね?』
青井はリラックスしててやり合う気みたい。
…青井だけヤンキー漫画登場人物なの?ってほど落ち着いて居る。
それが心強い。
でもさ?7人の1番後…の人…?違う?6人プラス1人。
あれあっちゃんじゃない?1番後を静かに歩きながらこっちにシーって唇に人差し指を当ててる…。
青井も気付いてむず痒そうな顔をしていて。
もうはっきり表情がわかる距離になった頃、
あっちゃんが1番後ろ歩いている男に…後ろから!チョークスリーパー!
※チョークスリーパー…別名裸絞め。後ろから頸動脈を締め上げて早いと5〜7秒で落ちる。
あっちゃんの奇襲に綺麗にオチる(失神)のを見て、俺は慌ててこっちに意識を向ける!
『こんなところに呼び出してどうゆうつもりだよ!』
あ!青井は雰囲気出してて!
威圧だけ!俺たちに注意引きつけよう!
津南『…立花さぁ。前に一回締めてやったのにわかって無えわ。』
津南は吐き捨てる様に言う、
『は?5人で囲んで?殴ったあれ?』
思い出したらめっちゃ腹立ってきた!
津南『…お前さ?陰キャのモブのくせにさ?クソ邪魔なんだよ?
クラスの!真ん中で!お前如きが!』
『はあ?じゃあお前もクラスの為になる事や惜しまない協力すれば良いじゃん?』
津南『おかしいんだよ、本来お前らの方から俺に体育祭や球技大会協力してください!お願いします!って頼まなきゃいけない立場なのに?俺を外して平然としやがって…。』
憎々しげに俺を睨みつける津南。
俺は言葉としてはもちろん意味わかるけどそのメンタルは理解出来なくて聞き返す、
『やりたくないって言ってるの尊重したぞ?
俺出たく無いって言うから無理して俺と青井でバスケ部活相手に苦戦して…。』
津南はキレる。
津南『俺無しで決勝まで行きやがって!空気読んで無様に惨敗すれば良いのに!
大体なんでお前がクラスイベント仕切ってるんだよ?!』
『クラス委員長だからだよ。』
お前が立候補者に圧かけて誰も名乗り出ないから俺出たんだろがい。
…あっちゃんはビニールひもで昏倒したやつの手足縛ってる…。
よく特番でやっている、ドリ⚪︎の大爆笑のアレみたい。
『志村!後ろ!』
ってヤツ(笑)
そしてあっちゃんは次の奴の後ろに回った…。
みんな俺と津南のやりとりに集中している。風が強いのもあっちゃんの奇襲にプラスに働いているみたい。
津南はなんでそんなに偉そうなのか?って態度で、
津南『マジムカつくわ。
ほんと、永遠ちゃんだっていつのまにかお前に懐いて…俺が孤立させて!メンタルボロボロにしたとこで助けて俺の都合良い女にしようって思ってたのに!
お前が良いとこで助けて信頼させて!全部いいとこ持って行きやがって!』
『お前もう喋んな。クズが。』
時間稼ぎどころじゃ無いほどキレそう。
…あんなに頑張って一生懸命な紅緒永遠の何を見て都合の良い女にしたいと思える?
暴力とか嫌いだけどこいつだけは前回の1発もあるからヤッてしまわなきゃいけない!
青井『…立花?立花落ち着け?』
珍しい展開!青井が慌てて俺を宥めようとしている?
後ろのあっちゃんもどうしたん?って顔で2人目を絞めてる…!
オトしながらゆっくり後へ引っ張って少し離れたところでまた手足を…。
津南『青井もさぁ…優しくしてりゃ調子こいて…山目!お前は全力で青井を抑えろ!今日はマジ締めるから?』
…山目くん?居たんだ?
山目くんはガタイのいい青井と似たスタミナ以外のフィジカルはすんごいけど存在感の無いガタイのいい男。青井と仲良くなったように見えたけど…。
259話、260話参照。
山目『…津南くん、やっぱこういうのは…。』
津南『お前は言う通りやれば良いんだよ!』
青井『…山目…お前それで良いんか?』
青井は山目くんに問いかけるけど困ったように山目くんは青井に相対する。
津南『…じゃ正々堂々高校生らしくケンカでカタつけようぜ?』
『こんなに人数集めてか?』
俺の苦々しい言葉に嬉しそうに津南は、
津南『散々俺の邪魔したんだから!二年生になったら?今後俺を見かけたら慌てて隠れるようになるほどいたぶってやるぜ!クソモブ!
…証拠とか残されると困るからお前たちのスマホバッキバキにしてそこの川に投げ込んでやるよ!』
『スマホに手をだすなよ!』
青井『…めっちゃキレて無い?』
青井が呆れてるけど、スマホ買って貰う為に俺がどれだけ…!
紅緒さんの事だけでも怒り心頭なのにスマホまで…もう許せない…!
あっちゃんは手際よく2人目の処理も終えて3人目をオトして熱心に手足をビニールひもで結んでいた。
…必殺の仕事の人かな?
今ならあっちゃん数に入れて良いなら3対3…。
もう少し気を引いたらどこまで減らしてくれるだろうか?
虫がイイ事を思ってしまう。
津南『まあ、今日でもう一年生も終わりだし?
二年になったら俺見たら頭下げるか急いで逃げ出す様にたっぷりボコってやるから!なあ?お前ら?
それともふたりして黙って殴られる?今からでも青井俺につくか?』
青井『はは!おもしろ!お前とつるむなら立花とボコられた方が楽しいわ!』
青井は津南の誘いを笑い飛ばす、
津南は勝ちを確信しているからか、笑いながら後ろを見るとあっちゃんが3人目を拘束してるとこで唖然とする津南チーム。
あっちゃんはイキイキした顔で3人目の処理を終えて津南に相対すると、
厚樹『はい3対3!
俺、承の友達!よろしく!』
友達…友達…リフレインする響き…だよね?
相思相愛だよね俺たち!
そしてあまり手慣れたあっちゃんの手際の良さに改めて怖くなってくる。
あっちゃんの喧嘩に明け暮れた暗黒時代がいかにケンカ慣れさせたか肝が冷えるほどだった…。
津南、山目の次の序列って感じのその男は半グレっぽいガラの悪い生徒。津南の指示なくあっちゃんに殴りかかったけどあっちゃんはひらりとかわして腹に2発鈍い音の拳を入れると地面に崩れ落ちた…あっちゃんマジ強い…。
厚樹『じゃ、そっちはそっちでやってて?
声出したら腹サッカーボールキックするって言ってあるから声出せないはず。』
あっちゃんはそう言うと、もうバレてイイからキツく締め直してくるわ。って言って4番(名前わかんないから番号制にした)を引っ張って最初の1番の所へ戻って行った。
後から聞いたけど絞めてオトしてもすぐ回復しちゃうから縛りながら意識回復した奴に声出したら…ヤル。って脅したら皆んな大人しくなったって。こわ!
残るは…津南と山目くんだけだね…。
津南は信じられない…って表情で叫んだ。
津南『…ひっ卑怯だろ?!正々堂々勝負しろよ!』
俺、青井『お前が言うな。』
俺と青井は綺麗にハモった。
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