第335話 準決勝
2戦目の準決勝はバスケ部員も居る7組が相手。
多分強い。うちもソフトボール負けたからそっちから回ってきて人員が10人になってるけど7組も10人居る、あっちゃんの言う通り7組もソフトは負けたんだね。
スタートは俺,青井。目白くん、青井の仲間ふたり。
青井にだけ呟く、
『あーあ、あっちゃんとやりたかったなぁ。』
青井『…千佳が喜ぶセリフだな。』
青井…小幡さんをそこまで…。
こわ!付き合い始めると影響強く受けるなんて言うけどこわ!
球技大会!球技大会に集中しよ!
準決勝は激戦だった!
バスケ部2人居る7組は強敵で一進一退の攻防!
点差の無い状態でのハーフタイムで、意見を交わすけどスタミナが弱い青井がネックになっていた。
青井のところだけフィジカルゴリ押しで勝てる!って状態で青井に頼らざるを得ない。それが青井の負担を増やすし、青井の代わりが居ない。
でも終盤まで持たないであろう青井を下げて青井の仲間を代役に青井戻るまで凌げるか…?焦りから作戦会議は紛糾する。みんな勝ちたい!でも意識統一しなきゃ絶対勝てない!
そんな中、仙道が首を振り手で落ち着け落ち着けってジェスチャーしながら、
仙道『まだ慌てるような時間じゃ無い』
『『『ぷふー!!!』』』
1-4バスケチームは全員吹き出した!
国民的バスケ漫画の有名なシーン!
ネタにも使われる彼の代表的なセリフ!
仙道晃…名前の漢字違いで読み方も一緒。
でも見た目は水木しげ⚪︎先生タッチのヒョロイ色白の短髪少年なわけで。
一通りウケると皆んな落ち着いた。
そうだよね?まだ後半まるまるあるもんな?
みんなで笑いあって後半開始、青井は勝負どころまで下げる作戦。
紅緒『がんばれ!がんばれー!!』
伊勢『立花ー!青井ー!がんば!』
クラスの女子も応援してくれてみんな気合いも入る!
目白くんも紅緒さん意識して気合い十分!
紅緒『承くん!承くん!承くーん!』
紅緒さん?目白くんも応援して?目白くん涙目…。
目白くんの仲間の運動部陽キャがここで活躍!
短時間で交代するってわかってるから後先考えないハイペースで大車輪の活躍!
運動神経抜群な彼らが必死に走り回ってくれたおかげで後半残り6分で同点で青井再投入!
体力的にはカツカツだけどクラスメイトの奮戦を見て士気は最高潮の青井が最後バッチリ決めて僅差で4組勝利!
7組男子が試合後話しかけてくる。
7組『負けた!津南くん出なかったんだね?』
握手しながら不思議そうに言われる。
『わがまま言って拗ねてたよ?』
7組『津南くん(笑)バスケ部でもそんな感じでさ?
…青井くんと立花くん?バスケ部来ない?』
ジャージの名前確認しながら勧誘された、嬉しいな。
認められた気分!
『はは、津南と仲悪いの俺。バイト忙しいし。』
7組『そっか、残念!』
国道高架下バスケコートで夜や休日3on3やってるって言うと驚いてた、そんな近場にバスケできるスポットあるのか!って。
体育館出て、その足でグラウンドへ向かい女子サッカーの応援に向かう。
女子サッカーもバレーから人数を吸収して運動部が数名入って布陣は強化されているんだけど…。
紅緒『稲田さん!もちょっと右!』
稲田『なんで私が…!』
稲田さん駆り出された。
なんでも津南と稲田さんをくっつけた借りを返せって紅緒さんはねじ込んだって。稲田さんはこのままだと放課後の打ち上げ出ないから稲田さん派閥を巻き込む為に使えるモノは使うのー!って無邪気に政治力を行使していた。
…でも結果は泥試合の上、試合終了直前に劇的ゴールを決められて負けた。
伊勢さんは必死にゴールと紅緒さんを守ったし、最後のそのワンプレー以外は全てはね返してきた。
紅緒さんも飛んでくるボールを全く恐れず勇敢に戦った…。
本気で勝負すれば球技大会なんて賞品も無いイベントだって本気で悔しい。
紅緒『はは…悔しいな。
スポーツなんて久しぶりすぎて…負けたら悔しいなんて当たり前の事すら忘れてたよぅ。』
泣き笑いの顔で紅緒さんあははって笑う。
伊勢『…永遠ごめん…。』
紅緒『なるみん!謝らないでよ!なるみんが私とゴールを一生懸命守ってくれたから!ここまで!良い勝負になったの!』
みんな!終わったらうちで!打ち上げ!
女子はこれで試合はおしまい。
皆んな着替えよ?楽しかったけど、悔しかったねー?
試合の余韻に浸り笑い合いながら更衣室へ向かう女子たち。
紅緒さんはフラフラと以前文化祭時にも行ったベンチへ歩いて行くのが見えた。
…俺は黙って着いて行く。
どすんって紅緒さんじゃ無いほど重い音を立ててベンチに崩れる紅緒永遠。
紅緒『…ふえぇぇぇん…。』
久しぶりサッカー楽しかったんだね?
…一生懸命だった分悔しいんだよね。
俺たちにとって球技大会なんてたまにあるイベント。
でも紅緒永遠にとっては特別なかけがえの無いイベントな訳で。
いつもこの娘は当たり前って事は無い、いつも特別!って全ての出来事をスペシャルにしてしまう女の子。
俺は黙って横に座って、持ってたタオルを頭にかぶせた。
紅緒さんはグズりながら、
紅緒『…承くん?…女の子が泣いてる時は放っておくか、抱きしめるんだよ?』
『…。』
抱きしめる訳にはいかないでしょ。
俺はスルーする。
紅緒『はぐ!はぐ!』
涙目とわんこはおどけながら両手を前に出してハグを要求する。
俺は乱暴に頭をかき混ぜるように撫でて頑張ったね、お疲れ様!楽しかった?
と問いかける、
紅緒『…さいっこうに楽しかった!』
紅緒さんは涙目だったけど楽しかったって言い切った!
キラキラの笑顔で目に悔しさを滲ませて。
紅緒『バスケの決勝戦応援に行くよ!頑張って!』
もう少しで俺たちの最後の試合が始まるよ。
校内アナウンスが流れる、そろそろ決勝かな?
アナウンス『女子サッカー、3位決定戦が始まります。
1年4組!直ちにグラウンドへ集合してください!』
紅緒『…まじか。』
とわんこのサッカーはまだ終わらない!
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