閑話 ゆきだるま 前編
ごめんよ、残業です…。
今日は書き溜めた外伝です。
紅緒さん特訓中…!
☆ ☆ ☆
立花家の駐車場スペースには三体の雪だるまがある。
ひーちゃんがその雪だるまに「しょう」「のぞみ」「ひかる」って名前を付けて大層大事にしていた。
274話 雪と立花家 参照
☆ ☆ ☆
望の場合 side立花望
雪だるま作った日、
望『「のぞみ」貴女にはおっぱい盛ってあげるね?』
あたしは雪だるまに豊満なバストを付けたよ!願掛け?夢?希望?とにかく願望を雪だるまに託すの。
私もこんな立派おっぱいになりますように!ぱんぱん!手を合わせるよね!
おっぱいがバインバインになる…それは悲願!
翌朝
『…なんでだ?』
雪だるま作成の翌朝、登校時に見ると…のぞみ(雪だるま)の胸部に付けた立派なおっぱいが両方落ちているではないか…。
雪玉ごっついのふたつ付けたのに落ちた?
…なんか縁起でも無い。
昨晩冷えたせいで雪だるまは溶けるどころかカチカチで昨日よりガッチリしてるのに?重すぎた?
こんな冷えて固まるなら落ち無ければバッチリ固まってたのにな、あたしのバインバイン。
落ちた雪玉は確かに重かった…
『これは人の欲望の重さだよ。』
私は寂しく笑うと登校の為時間無いのでひとまず放置して中学校へと急いだ。
学校でこの話をすると親友sに笑われた。
…涙出るほど笑わなくってもいいじゃん!
思い出して少し腹が立つ。
今、私は下校して皆と別れてその屈辱を思い出す。
『ちょっと盛りすぎたよね?
良く無い、人には相応の望みがあるよね?お願いだよぉ。』
あたしは雪だるまのご機嫌をとる様に優しく声をかけながら中位の雪玉を「のぞみ」の胸部につける。昨日の異次元の爆乳と違いグラビアアイドルさんみたいなやつ。
カチカチ雪だるまに付けるから水使って溶着するように。
ふう、出来栄えに満足。
ひーちゃんも横の小さい「ひかる」に服着せたり、目鼻立ちをくっきりさせたりして楽しそう。
『寒いからもう入ろうか?』
ひー『うん!ゆきだるまさんきょうだいはきょうもいっしょだね!』
ひーちゃんと手を繋いで家に入ったんだ。
翌日
『…ふぁっく。』
翌朝の登校時、再び惨劇が起きていた…!
またおっぱいが落ちている…!
誰かの犯行を疑ったけどもどう見ても昨晩少し降った雪の跡から誰も雪だるまに近づいていないっぽい。
無惨に雪だるまの「のぞみ」からおっぱいは両方落ちていて、落ちるだけならまだしも…少し本体を削ぎ取るように落ちている…。
『「のぞみ」はそれで良いの?!
帰ったら話しよ!』
あたしは雪だるまに言い捨てて登校の為我が家を後にする。
その話しを学校でする、
親友1『まじウケる!』
親友2『おっぱい拒否(笑)』
親友3『のぞみグッジョブw』
ゲラゲラ笑う親友s。芹も微笑みながら、
芹『まあまあ、望ちゃんは貧乳位でちょうどいいんだよ?』
『ふぁっく。』
下校時、奴らは家まで着いてきた。
親友1『はあ、予想以上の惨状w』
親友2『三兄弟なんだ、可愛いね?』
親友3『エグレ胸(笑)』
ひー『おねえちゃんたち!いらっしゃい!』
ひーちゃんも帰って来て雪だるま見ながらひーちゃんと親友sが戯れているのを横目で見つつ、
芹『もう少し雪玉は抑えて?なんか芯になるもの入れて固めれば良いんじゃない?』
『…こう?』
私は欲を捨てて普通おっぱいを盛った。
もうわかるよね?
翌朝、おっぱいは落ちていた。
しかも本体を大きく削ぎ落とすように。
親友1『エグレ胸!』
親友2『エグレ胸!』
親友3『
『無乳じゃないの!むにゅうって触感のおっぱいが欲しいの!
エグレ胸ってなぁに?』
芹『あれで?補強しておっぱいもそんな大きさじゃ無いのに?』
芹の提案であたしらみんなで家へ行く。
親友1『あれ?』
親友2『なんか?』
親友3『ゆきだるまの形相が怒ってない?』
『んな訳ないでしょ。芹!もういいよ!慎ましい胸で!少しだけ盛る!』
あたしは胸を付けるのを諦め、補強する様に雪をくっつけてそれを多めに胸部を盛る事で今までの外付け式巨乳を止めて自然のふくらみを造形した。
…親友sは気味悪がって雪だるまに触れようともしなかった。
翌朝
『…。』
もう妖怪の仕業じゃない?
のぞみの胸部はだけ落ちてる…昨日以上の雪を落として。
胸部分だけ陥没してる…!
その話をするともう親友sは笑わなかった。
親友1『…今日もう一回行って雪だるまさんに謝る。』
親友2『これは笑えん。』
親友3『雪だるまさんの啓示なんだよ、無駄な抵抗は止めよう?』
芹『…こっわ。』
心霊現象としてとらえられる我が家の雪だるま。
え?そうゆうのあたしダメなんだけど…?
家へ戻る、神妙な顔で着いてくる4人。
雪だるまぁ…
親友1『望を笑ったのであって雪だるまさんを笑ってないです。すいません。』
親友2『エグレ胸は望の事です、雪だるまさんごめんね!』
親友3『雪だるまさん可愛いです、ガチで。』
芹さえも恐れ慄き、雪だるまにお供え物し出す始末。
ひー『ただいま!』
祖父に連れられひーちゃんが帰ってくる。
ひーちゃんは神妙な顔で、
ひー『ものにはたましいがやどるんだよ?かみさまになるんだよ?
ぼくはなかよしだからへいきだもーん!』
※妖怪事典で付喪神の話を読んだひーちゃん。
親友s『『雪だるまが優しい顔してる気がする!』』
あたしのおっぱいはダメってこと?魂宿った雪だるまにあたしおっぱいの可能性は否定されたってこと?
ひーちゃんが直した胸のエグレはもう二度と崩れなかった…。
何これ?こわい。
☆ ☆ ☆
弟の場合 side立花光
だんだんあったかくなってきました。
ゆきだるまのさんきょうだいがあつくてやせてきちゃった。
どうしよう?ちかくのゆきをあつめてゆきだるまさんにくっつけるけどだんだんゆきがなくなっちゃう。
はるがきてほしいけどゆきだるまさんたちとおわかれしたくないよぉ。
にいちゃんもねえちゃんもてつだってくれたけどゆきだるまはどんどんちいさくなるよ…。
ぼくはゆきだるまさんたちになにもしてあげられない…。
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