第327話 家へ【side香椎玲奈】

俺カレでの食事を終えておなかぱんぱんで家へ帰る。

思ってたよりも美味しかったし、承くんバイト姿は凛々しくて爽やか。

私はバレないように動画を撮りまくった…!

あー、制服欲しいな…使用済みの…。


永遠『じゃ、そろそろバスが来るから出よう!』


永遠は元気。

身体弱いって聞くけど…いつも元気には見える。

待って、挨拶しなきゃ、

私は店長さんに頭を下げて騒がしくした事、お仕事中におじゃました事を詫びて、


『お忙しそうだったので遅くなりましたが、皆様でお召し上がりください。

承くんをよろしくお願いします♪』


私は差し入れを手渡した。店長さんは恐縮して、


景虎『ご丁寧に!ありがとね、承はよく君の話しをするよ?』


ワイルドな店長さんは笑顔で受け取ってくれた。

私の話し…してるんだね?どんな話ししているのかな?

…永遠が口を挟む、


永遠『大丈夫!承くんには太客の私も居るし?

玲奈は初めて来たから知らないんでしょうけど承くんだってさ?

もうバイトして半年になるんだからそんな子供扱いは失礼じゃない?』


永遠?黙って?


私たちはお会計済ませて店の外に出る。


永遠『…彼女面して!私は俺カレの超常連だからねー!』


『私だって来たかったんだもん!

なかなか、なかなかこれなくて…私だってもっと承くんに逢いたいんだよ!』


フーッ!!シャー!!

横で猫同士が喧嘩している…。

小さい可愛い子猫同士が毛を逆立てて必死に。

ほら、こんな大通り近くだと車あぶないよ?私と永遠は猫を大通りから遠ざけるように逃す。


私と永遠は顔を見合わせて笑っちゃう!

私たちもこんなかな?えー?もうちょっと可愛くない?そんな話をしながら到着したバスに乗り込む。


バスの中は満席で、私も永遠も吊り輪につかまる。

永遠は不安そうに、


永遠『私…体力無いから…力尽きたらごめんね?』


『は?せいぜい20分だよ?』


紅緒『バスは…揺れる…体幹が問われる…。』


あの傍若無人な永遠が怯えている?自信無さそう。

まさか?


揺れるバスに四苦八苦する永遠。

本当に身体弱いの?この娘?

身体弱いって聞いてはいたし、自己申告も聞いている、

でも?いつも溌剌となんでも楽しんでイキイキしているお花のような娘が?


私の前の座席が空いた。永遠はごめんって手だけで合図して座り込む。


紅緒『ふー。危なかった…。』


『本当に体力無いんだね?』


永遠『不本意だけど、おばあちゃんってあだ名も持っているよ…!』


おばあちゃん?ふふふ!ツボっちゃって私は笑いが堪えられない。

もう!永遠!


座る永遠の四階の社会科教室が承くんたちとの溜まり場で、そこへ行くのが苦行って話を興味深く聞く。

永遠の右手の指の動きでだんだん力尽きていく永遠を本人がセリフ付きでやってるからおかしくておかしくて笑っちゃう!


その時、


さわっ…。


太もも!太もも撫でられた?!横から?


バッと後ろを振り返るけど今は立ってるお客さんも少なく触れる人は居なくって…?横は人居ないし。

おかしい。


永遠『それでねー!3階位で小休止してさ?』


永遠が右手でもうダメってピクピクする永遠を表現する…。


さわっ…

ばしっ!!


また太もも横から!私は触られた瞬間掴んで指を捻り上げる!

痴漢ダメ絶対!!


永遠『痛い!痛い!ギブギブギブ!』


犯人…貴女なのかい。

永遠は涙目で、ミスディレクション(視線や注意を逸らす方法)を学んだからて!って言い訳するけど技術を悪用しちゃいけないでしょ!


永遠『だって!座席座ったら目の前に?

こんなに艶々でムチムチでスベスベな太ももあったら触るよぉ!

なるみんとはまた違う…運動してるから?ハリと弾力すごい!』


『反省してないでしょ?怖かったんだからね!』


永遠『良いじゃん!女の子同士だし?』


『運転手さん!この知らない女の人痴漢です!警察に突き出してください!

…って言おうか?』


永遠は慌てて、


永遠『ちょっちょ!ごめんて、ごめんなさい!

目の前にムチムチJKの太ももがあって我を忘れた…。』


ほんっと反省してよね?

永遠はぐちぐち言い募るんだ、


永遠『…でもさ?私だってJKの端くれだよ?

毎日女子高生と暮らして戯れて、着替えも共にして見慣れているのにだ。

我を忘れて触って確かめずには居られなかった…玲奈の太ももしゅごい。』


『太もも太もも言わないで!』


なんかバスに乗客が話しを聞いて私の太ももを見ているような気がした…居心地悪いよ!


そしてバスは最寄りのバス停へ到着して約5分で我が家へ到着!

どうぞ?永遠はキョロキョロしながら家へ入る。

2階の私の部屋に通す。ニコニコキョロキョロ、永遠は楽しそうだね。

唐突に永遠が私に声をかける、硬い口調で。


永遠『…ねぇ玲奈?』


『なに?』


永遠『…なんで承くんのワイシャツがここにあるの?』


永遠が真顔で聞いてくる…!

私は息を呑む、何故わかった?!

私は永遠が泊まりに来るに当たって取り敢えず見られてる困るものは無いけど承くんの匂い関係だけは奥にしまった。

…でも?ちょっと気付かれないように出したままにしておきたいって誘惑に駆られて私のブラウスに紛れ込ませて白いワイシャツを無造作に部屋の隅に吊るしていた…。

永遠は犯人を看破した名探偵の風情を醸し出しながらも、


永遠『…東光高校の指定ワイシャツ、サイズ、好きな男の子が毎日着てるんだから毎日見ているもん。

…それにね?袖口の絵の具は私が着けちゃったんだもん。

…わかるよ。』


『…貴女のような勘のいい娘は嫌いだよ。』


まさか私の白いブラウスやシャツに紛れ込ませた白いワイシャツで気づくなんて思わないでしょー!

私ピンチ!

※望にお願いしてゲットしたお宝でした(笑)


☆ ☆ ☆

今日の誤字

永遠が玲奈の太ももを触って捻り上げられるシーン。



永遠『痛い!痛い!!』


×ゴブ!

⚪︎ギブ!


なんかゴブリンが居たw

とわんこゴブリン転生したのかな?

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