第292話 親友が女の子を連れて来た3

景虎『へらっしゅー!!』


景虎さんのクセ強挨拶が店内に響く。

無駄に張りのある漢らしい美声だから印象に残る…。


『いらっしゃいませ、おふたり様ですか?』


そろそろ来る思ってたよ?

宏介が今日は俺カレへ来店。お連れさんが居るね?


宏介『…ふたり。3人目が見える?』


立花『はは!弟とこないだそんなお化けの話を…

って、すいません、初めまして。

宏介の友達の立花承です。』

※外伝 立花家の怪奇現象 参照。


冬休み以来だから何気に一か月会ってない!宏介とグーパン!

…この人が…?

バスケ部の先輩マネージャーの先輩で宏介は尊敬してるのかよく話に出て来る女の子。

彼女は茶色い光沢のあるロングヘアでちょっと垂れ目のスタイル抜群な聞いてたより美人!優しそうでおっとりした綺麗なお姉さん。


愛莉『初めまして、宏介くんの部活の先輩になります、天堂愛莉です♪』


『お噂はかねがね、いつも宏介がお世話になっています。

これからもよろしくお願いします。』


三島さんの一件以来女性恐怖症の宏介が…俺は嬉しくなっちゃう。

微笑みながら会釈してメニューを置いて厨房へ戻る。


厨房から見てると何を話してるのか嬉しそうに愛莉さん?と話してる宏介。

そんな横顔を遠くから見ながら景虎さんと話す。


『…あいつ、昔から俺の保護者っぽい顔するんですよ。』


景虎『宏介くんだっけ?確かに承をお願いします。って言ってたわ。

ダチは大事にしろよ。』


『もちろんす。』


宏介は北翔の文化祭でハンバーガーショップやる時俺カレで仕入れたから景虎さんと顔馴染み。

バスケも今度呼びたい。


紅緒『宏介くん!お久しぶり!』


そしたら!うちの1番テーブルのヌシ、紅緒永遠さまが宏介テーブルに絡みに行ったのが見える!


俺が急いで空気読めないとわんこを回収に向かうと、


愛莉『よろしくね?』


愛莉さんは一個学年上なのに紅緒さんにニコニコ笑いながら接してくれて、


宏介『紅緒さん、承が睨んでるよ?』


紅緒『あ、やば!』


ってところに到着。

とわんこ!邪魔するなって!


立花『適当言わない!とわんこハウス!』


紅緒『しゅん。

あ、メニューは期間限定の「信くんセット」オススメです!

じゃあね!』


この「信くんセット」が俺カレで物議を醸してて?


信くんセットはオリジナルカレーにオリジナルハンバーグ、パンかライス、サラダ、スープ、デザート一品付く。

大変なお値打ちセットでお値段2,780円…が今だけ1,480円!!


こればかり売れてる!

しかも品目多くって面倒なの!


景虎『信生誕記念だぞ?

皆んなに祝って貰わないと!』


『奥さんに知れたら締められるんじゃ?』


俺は不安で聞くけど、


景虎『こうゆうのは勢い!勢いだぜ?

俺の息子が産まれたんだから皆んなに幸せお裾分け!』


でも、絶対この粗利率と手間と割引率は大惨事になるんじゃ?

大好きな奥さんの店復帰を俺たちは楽しみに待っているんだけど、経営のシビアな部分を受け持つ奥さんの怒りが怖いバイトたち。


1番テーブルに戻ったとわんこは形の良い顎に手を当てながら、


紅緒『…承くんの親友の宏介くんはさ?

モテるんだよね?毎回違う女の子を連れてるよ…?』


『…確かに?でも宏介は良い漢だから。』


紅緒『あと連れてる女の子…今日のお姉さんが1番感じ良いね?』


あぁ、1人目の友永ゆかりさんは…紅緒さんと一悶着あったし、二人目の永瀬綾さんはなんかお互い対抗意識持ってたから今回の天堂愛莉さんはお姉さんで紅緒さんと相性良さそうだね…?


紅緒『宏介くんは良い人だし、承くんの話聞いてるから余計そう思っちゃうけど…頑張ってるし報われると良いね?』


『本当にそう思う。』


☆ ☆ ☆

注文上がった!


『はい、お待たせしました!』


さっきも言ったが信くんセットはオリジナルカレーにオリジナルハンバーグ、パンかライス、サラダ、スープ、デザート一品付く。

すっごいボリューム!お値段2,780円…が今だけ1,480円安いよね?


料理をテーブルに配膳する時楽しい。

お客さんがニッコニコになり料理を喜んでくれると嬉しくなっちゃう!


愛莉『え?美味しい!』


宏介『そうなんです、普通のファミレスっぽい佇まいなのに、すっごい本格派のスパイスカレーと熟成肉を生かしたハンバーグなんですよ…!』


テーブル離れる時、宏介が語るのが耳に入る!

わかってるじゃない!

無口な宏介がうちの料理出すとテンション上がって語り出すのは気持ちが良い


会計前に宏介に話す、



『うまくいくといいな?』


宏介『…そっちこそ?決着つけるのか、紅緒さんどうするのか考えなよ?』


『紅緒さんとは…友達以上の女友達で…俺断って…。』


宏介『彼女、承くんの彼女になるって宣言してたよ?』


『とわんこめ…外堀を埋めにかかってきた…!』


宏介『…承は浮気や二股とかしないのわかってる。

でも、このままだと紅緒さん可哀想でしょ?

…早く…いや、わかってるよね?』


宏介には敵わない。

俺より俺の事を把握してる事が多々ある。


紅緒さんには断りを入れてるけど諦めずにまっすぐに好意をぶつけてくる。

このままって訳にはいかない…それには俺が進まなければならない…

でももう少しだけ、時間と覚悟が必要で…!

俺は宏介の一言、紅緒さんが可哀想でしょ?って言葉が胸に突き刺さる。


宏介たちのお会計。


割り勘で、愛莉さんにお代を頂く、


『…宏介、無口で無表情だから誤解される事もありますけど、

本当に良い漢です。宏介をよろしくお願いします。』


愛莉『宏介くんは頑張り屋さんだから大丈夫!』


愛莉さんはニッコリ笑って俺に頷き断言した。

ほんっとに素敵なお姉さんだな、宏介にお似合いな感じがする!

俺はくれぐれ宏介をお願いしますって愛莉さんにお願いしたんだ。



☆ ☆ ☆

久しぶりのクロス回でした。

紅緒さんの言うとおり毎回宏介は違う女の子を連れていますw

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