第287話 れいにゃ!【side香椎玲奈】
先日の一件以降、私は承くんに告白した紅緒永遠って娘とロインで繋がっている。
何気に千佳も知っててロイン交換してたし、伊勢さんも東光で同じクラスの親友らしい…。
こないだ会うなりずっと煽って来て?
皮肉は言う、握力で手を潰そうとする、お弁当で承くんを誘惑する、同じ高校で?同じクラスで?ってマウント取ってくる?人生ゲームでも煽って来て大変だった。
見た目は黒髪ロングで信じられないほど色白、すっごい整った目鼻立ちで滅多に見ない美人さん!
でも、なんかアンバランスな女の子。
心臓悪いらしいけど…?
東光高校の情報、承くんの高校生活、永遠と承くんの関係性…。
情報交換は向こうも喉から手が出るほど熱望してて、日々承くんの画像やそれぞれの知りうる事の情報交換に余念が無い。
…しゅっちゅう険悪になるんだけどね。
紅緒永遠は承くんの良さがわかる女の子で、もう既に告白をした勇気の持ち主。
私は彼女を【ライバル視】してる。
承くんを巡って争う女だと思い定めている。
…永遠も私をライバルって前々から思ってたらしく会うなり煽ったって言ってた。
私の知ってる過去の情報より、永遠の知ってる今の方が情報価値は高いと思う。
まして別の高校なんだから同じ高校の永遠の方が有利な点も多い。
まあ、そんな事を意識せずにロインをしていることの方が多くなっちゃうんだけどね。
大体永遠とは承くん話で盛り上がるか、険悪になるかの2択なんだけど…。
その夜、初めて電話が来た。
喧嘩して、承くんの事で盛り上がって、こないだの愛称の話しになった。
永遠『ふっふ!私はね?承くんに『わんこ』みたいって?可愛がられてるの!』
…ちょっとイラッと来たね…。
永遠は続ける、
永遠『わんこごっこで撫でて貰ったり?お手とかおかわりしたりして?
遊んでたんだから!』
※186話 紅緒はわんこ 参照
私だって黙って居られない!
『私だって?こないだ?
『れいにゃ』呼びされたし?』
でも恥ずかしい…。
承くん…ネコ好きなのかな?
動物は大体好きって前に言ってたような気がする…?
永遠『私、なんとかだワン!って承くんにわんこアピールしたことあるし?』
『私だって、次会う時はにゃんこアピールするよ!』
永遠『負けない!』
『私だって!』
永遠『今度はふたりで話そう?
承くん間に挟まるとオロオロして可哀想だし?』
『…いいね?今度は手つぶすよ?』
永遠『それはごめんて…。めっちゃ痛かったよ…玲奈のゴリラ。』
『もう一回言ってごらん☆』
何気に初めて電話の割に1時間話してた。
電話切った途端にお姉ちゃんが室内に入って来たよ…。
優奈『…話は聞かせてもらったよ…。
玲奈?いやれいにゃ!』
(マズイとこ聞かれてしまったなぁ…)
お姉ちゃんは手段の為なら目的を選ばない(普通逆)。
『…なんのこと?』
優奈『姉にそんなブラフは通用しないよ!』
(面倒な事になったなぁ…。)
姉はこういう時面倒臭いの。
パパの次くらいに私に衣装を着せたがるのね。
お姉ちゃんは目を輝かせて、
優奈『私!こんなの!持ってるー!』
ネコ耳カチューシャ…なぜこんな物が家に?
しかし、お姉ちゃんは急に真面目な顔して、
優奈『…それでね…ママのタンスにもこれが…。』
もう一つ、ネコ耳カチューシャが…?
お姉ちゃんは真剣な表情で、
優奈『…どうしよう?玲奈、私たちにまた妹が…?!』
私は遮る、
玲奈『私は!何も!見てないよ!お姉ちゃんも!良いね!?』
姉は無表情に頷いた…。
☆ ☆ ☆
優奈『じゃ、ソレ付けて甘えて?』
『なぜ?』
優奈『ノリ悪いねー?承くんにいざって時?
悩殺出来るの?練習で出来ない事本番じゃできないよ?
玲奈が1番良くわかってるでしょ?』
…確かに…。
テニスで成功率低いサーブとか本当にそう思うもん。
…絶対どこかで承くんに『れいにゃ』って呼ばれるか?悩殺しなきゃって場面が来るよ…。
ちょっとやってみようかな?
ネコ耳カチューシャ…。
可愛いけど…どうなのかな…?
カチューシャを装着してみる。
服装は薄いピンクの丈の短いモコモコの部屋着。
優奈『!!
良い!かっわ!めっちゃエロいよ!玲奈えろ!』
はあ?エロいのは要らないよ?
可愛いの?
優奈『可愛い!これは承くんイチコロ!
童貞にはオーバーキルだよ!』
鏡で見せられた私は丈の短い部屋着の上下に猫耳姿。
ちょっと恥ずかしいから頬が赤めで、ネコ耳カチューシャが付いてて…。
ネコを意識して四つん這いで、
四つん這いだと丈がさらに短くなって太もも露出がえっちい。
緩めな胸元が少し空いて谷間が見えちゃって…?
これは…!エロいかも…?
恥ずかしい…!でもこれならどうかな?
『…に…にゃー…♡』
優奈『これ18禁だわ…。承くんに見せられないよ?』
『見せないよ!』
真っ赤になって照れる私をお姉ちゃんはニマニマしながら見てた。
お姉ちゃんのスマホとタブレットは預かって机に放り込んだから撮影は大丈夫…!
流石にこれを録画される訳にはいかないから二つを取り上げたんだね。
優奈『じゃ、エロいのは無しでさ。
最後に座ったまま、可愛く鳴いて?』
しょうがないな…あ。
『…にゃーお♪
れいにゃだにゃ…♡』
恥ずかし!恥ずかしい!!
もうこれダメ!
優奈『お姉ちゃん…もうお腹いっぱい♡
えっちいのはお姉ちゃんフォルダに保管しとく。
でも、最後の超ラブリーなやつだけは義弟にお裾分けしとく…。』
お姉ちゃんは煩悩の消えた菩薩さまみたいな顔をして胸元のペンを弄ってた…?
…あ?
あー!!!
それ!ペン型カメラ!!
『お姉ちゃん?!』
優奈『テヘペロ♡』
『ぎゃーーーーーーーー!!!!』
私は急いで取り上げようとするけど!
お姉ちゃんは狡猾で強い!
優奈『はい!PCに転送済み!PCとクラウドは自動同期!
1000万積まれても絶対消さない!
大丈夫!承くんにしか見せないよ!』
私は動揺を抑えつつ、どうにか消す方法を考える。
大丈夫、他人にさえ見せなきゃ…!
お姉ちゃんは鍵を使い机からスマホを取り出す?
私の机のカギ?スペアキー無くしたって思ってた?!
お姉ちゃんがわざとらしく、電話を取り出してどこかへかける。
お姉ちゃんが承くんのアドレス知るわけが…!
優奈『あ!承くん?
玲奈の姉の優奈だけどー?』
承『こんばんわ?どうしたんですか?』
『なんで?!』
承くんに繋がった?!
優奈『こないだ家来た時交換したの。準備あるから。』
263話 空いた溝参照
ちょ!しょ!
優奈『でさ?れいにゃの動画送るから!絶対気にいるよ!』
承『…はあ?ありがとうございます?』
玲奈『承くんダメー!それは!ダメなやつ!』
承『玲奈さん?一体何が?』
優奈『じゃあねー!ばいばーい♪』
電話を切ると姉は私を大人びてセクシーにしたような顔を蒸気させ、
優奈『れいにゃ?わかるよね?
お姉ちゃんの要求?』
私は感情を殺しながら、
玲奈『今日一緒に寝るし、寝るまでスプラトゥース付き合う…。』
優奈『いいのー♪嬉しい!今日は玲奈抱き枕だー♡
じゃセクシーなのはお姉ちゃんが保持して承くんには可愛い奴送っておく!』
私はその夜、スンって感情を無くした人形のように無表情に姉の気が済むまで頬擦りされ、ちゅっちゅされ、抱き締められたの…。
☆ ☆ ☆
衝撃映像 side立花承
不審な電話が来た直後、優奈さんから動画が送られてくる。
なんだろ?
とりあえず見てみる…。
部屋…女の子の部屋…?
玲奈さん?!
その玲奈さんはピンクのモコモコ部屋着…半袖半ズボン…丈短く無い?
肌色!肌色多くない?!
…ネコ耳付いてる…?
玲奈さんは上気した顔で、恥ずかしそうに真っ赤になり、一度目を下に向けたあと、目を瞑って、大きな目をぱっちりゆっくり開けながら…。
れいにゃ『…にゃーお♪
れいにゃだにゃ…♡』
魅力的…いや犯罪的な可愛らしさ…!
俺はあまりの可愛さに震えた。
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