第279話 サプライズ?【side香椎玲奈】

最近ね?承くんがちょっと素っ気ない。

少し前に約束すっぽかされて険悪になったり?

クリスマスには劇的なシチュエーションでプレゼント貰ったり?

中学卒業から半年会えなかった割にそれを取り返すように開いた隙間を埋め埋めしあってきたよ。

…よね?



最近さ、承くんさ、あっちゃん、あっちゃんってロインで厚樹くんの話しばっかり。

東光高校で再会した厚樹くんは両親の離婚後色々あったらしくすっごい変わってたんだって。


承くんは厚樹くんの話を聞いて寄り添って側に居ることにしたんだって…。



承くんらしい。

きっと子供の頃の厚樹くんへの思いや、思い出や、助けられた事を忘れないんだね。

ただ、側に居て話しして、話し聞いて寄り添う姿勢。

良いと思うな。

もう一度言おう、承くんらしい。




でも!厚樹くんばっかりじゃない?

わかる、わかるよ!

でもさ?あんな劇的なクリスマスプレゼント渡した女の子が居るじゃない?

もうちょっと!ね?ね?


でも、彼氏の交友状況に口出す彼女って嫌がられるって聞くし…。

器が狭い女っぽい…。

でも、すっぽかし事件で、もうこうゆう事しないって約束したじゃない!


落ち着け私…まだ彼女じゃ無いし、言う筋じゃ無いよ…。



もうじき2月。

なんかイベント無ければ一カ月会えないなんてざらにある。

せめてものロインが他の男の事!


千佳は、


千佳『承くんは厚樹くんが1番好きって前に言ってたじゃ無い…ろまん。』


こうゆう事で千佳はアテにならない。

千佳は青井くんが男の子と遊ぶのはむしろ推奨って言う女の子だから。



うーん、やっぱり?

バレンタイン…良い時期だよね。

まだ婚約問題は継続中だよ。

でも、本命を匂わせれないかな?


…去年はこんな美味しいチョコ産まれて初めて食べたって言ってくれたっけ…。



ふふふ。ちょっとニヤつきながら駅のホームに降りる。

今日は休日だけど部活出て、冬季だからフィジカルメニュー主体で短め。

11時過ぎに地元の新川駅に着く。


平日だと誰かしら同級生に遭遇するけど休日だからひとりぼんやり考え事しながらの帰り道。

駅のホームから階段を上がり、改札へ向かう。


新川駅は小さいので改札口は一つしか無い。

4個ある自動改札に定期を読ませて扉開く。

登り方面行きは休日って事もあり知人や同級生居そうだけど休日の帰ってくる下り路線は知り合いが居なかった。



改札口を出てまっすぐ歩く…。



え?



ええ??



駅の改札口を出るとそこには、

承くんとひーちゃん!



なんで?なんで?!

なんで居るのー?!



私は一瞬でテンションがあがっちゃう!!

サプライズ?!何かのサプライズなの?!



一瞬棒立ちになり、口に手を当てて考える。

本当になんで?

私が来るの待ってたの?

なんでかな?


逢いたいなって思ってた承くん!

しかも可愛いひーちゃんまで!ふー!

こうゆうの!絆?赤い糸?こないだのコンビニでの遭遇もだけど運命感じちゃうよー!




私は2人に向かってニコニコ微笑みながら歩み寄るよ!

向こうも気づいた!


『こんにちわ♪ひーちゃんに承くん!

どうしたのかな?』


承『香椎さん、おかえり?』


制服姿を見て承くんがおかえりって!いい!

いつかおかえりって言いあいたいよぉ!



ひー『かしちゃんこんにちわ!せいふくにあうね!』


『ひーちゃんこんにちわ♪挨拶出来て偉いね?

クマさんの上着可愛いね?』


ひー『がおー!』


もこもこのクマを模した上着すっごく可愛い!

ひーちゃんは制服も褒めてくれた、承くん?こうゆうとこ大事なんだよ?



『ひーちゃんとお出かけ?』


承『…いや?』


なんだろう?歯切れが悪い?



『ひーちゃん?誰が待ってるのかな?』


ひー『…まってる…。』


ひーちゃんも歯切れが悪いし?

後ろから声がする。




『ひーちゃん!承くん!お待たせ!行こう!

…ん?』



そこには長い艶々の黒髪に整った容貌、細くて色白で可憐な女の子…。

…この子?

まさか?



『…お待たせ…?』


私は承くんとひーちゃんに目をやる。

ガバ!って音を立てて明後日の方へ目を逸らす立花兄弟。



『…承くん…?』


承『…こ、これはひーちゃんが…?』


冬なのに汗をダラダラかきながら承くんはもごもご言うね?

一応聞いてみる。



『…ひーちゃん?』


ひーちゃんはお兄さんとまったく同じ表情で、


ひー『…ぼくこどもでよくわからない…。』


私の目の前に『その』綺麗な娘が立つ。



?『…。』


『…。』


この娘が承くんに告白した…?

こうして会うのは初めてだよね?


それが私と紅緒永遠との出会いだったんだ。


☆ ☆

ヒロイン激突です。

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