第248話 可能性【side紅緒永遠】
私は全身全霊で絞り出す…!
『承くん、好きです。
私と付き合ってください…!』
話は少し遡る…。
☆ ☆ ☆
私はキャンプファイヤーの前でクラスメイトの女子たちに囲まれていた…。
そりゃ、みんなの前で承くんを好き!って宣言したのはやりすぎだったと思うよ?でもこんなに反響があるとは…。
とわわん勇気あるしー?
ビックリしたよ!
いつから?いつからなのー!
正直あると思ってた!
囲む女子たちは好きなことを言うけど…。
でも、いつも1番側に居てくれるなるみんがちょっと離れてる。
…ずっと上の空だ…。
でも私は今いっぱいいっぱい!
どうしよ?この後…告白するんだよね?
自分で呼び出していまさら逃げられない…。
正直わからない。
成功率が何割あるのか?
ふー、ふー、論理的思考で考えよう…。
成功、保留、失敗をまあ、そうだなあ。
40:20:40としよう。
☆ ☆ ☆
ここから
クラス女子のコメント
紅緒独白後に、紅緒永遠推理の告白成否確率が算出されます。
例
とわわんこんなに綺麗なのにいじらしくて可愛いんだよ?
(そうだよね、私の事世界一可愛いって言ってくれた!守りたいって!)
紅緒試算 ↑70:20:↓10
成功:保留:失敗
真面目回の直前の紅緒さんのメンタルの乱高下をお楽しみください。
☆ ☆ ☆
(でも…あんなに私に親身なのだから可能性は高いんじゃないかな?
そうでしょ!あんなに一緒に居たんだよ?
いつも私をフォローしてくれた、周りに敵しか居ない頃からずっとそばに居てくれた。大丈夫!)
紅緒試算 ↑50:20:↓30
周りの女の子たちは騒ぎ立てる、
いや、とわわん位綺麗で可愛くて?断る男子居ないっしょ?
確かに!細くて、髪も綺麗だし!
成績だって良いし!
素直!純粋!
わんこ!
(最後は違うくないかな?
でも、でも?そうかな?そうだよね!
皆んなもそう思っちゃう?!
そうだよね!勝算あり!)
紅緒試算 ↑80:↓10:↓10
女子たちは言う、
でもさ?男子って意外とナイーブだから公開告白って結構厳しいらしいよ?
ええ?!でも元々紅緒さんと立花くんはコンビ扱いじゃない?
そう、だからこそよね?
あれだけ一緒で?この時期の高校生なら彼女欲しいじゃん!
なんで立花はさっき好きって言われてあんなに驚いてた?
…確かに。好意あったら驚きつつ嬉しい!って照れ照れになっちゃいそう…。
(ええ?!そうなの?…うそ。)
紅緒試算 ↓60:↑20:↑20
まだ女子達は言う、
そもそも、立花くんって優柔不断そうじゃ無い?
確かに!地味だよね?
でも目立たないけど仕事頑張ってくれてるよね?
…こんなにとわっちが勇気出したのに日和そう…。
公開告白受けるアグレッシブさがあればとっくにとわわんにアプローチしてない?
(そうかな?優柔不断では無い…しかしアグレッシブ?日和そう?うーん。
保留もあるかな?)
紅緒試算 ↓55:↑30:20
女子たちは言う、
でもさ、今までで1番キュンてくる事って何って言われた?
聞きたい!
『うーん、
承「※ひーちゃんは)すっごい可愛い。この世でいっちばん可愛いと思う!
…守りたい…!」
かな?』
キャー!直球!
すごい!そんな事言われたの?!
勝ち確じゃん!
絶対成功でしょ!わっしょい!
(え?やっぱり?そうなっちゃう?
わっしょい!!)
紅緒試算 ↑80:↓10:↓10
さらに女子は言う、
でもさ、その割に立花くんは紅緒さんを見る目が優しいって言うか…?
わかる、女を見る目じゃない?
わんこ!可愛がってるわんこを愛でる目!
確かに…恋焦がれる感じしないのよ…。
(それは…確かに不安、私を情熱的に見つめる!とか無い…。お出かけとか絶対誘ってくれない…。…今のままじゃ恋人になれる気がしないの!)
紅緒試算 ↓55:↑20:↓25
さらに噂好き女子が言う、
でもさ、目白くんがとわんこ好きって噂じゃない?
えー!目白くん?
目白くんと立花くん体育祭の頃なんか話し合ってるの見たよ?
目白くんを応援で、紅緒さんから距離置いた説あるよ?
(そう言えば、目白くんに聞け、目白くんに頼めばって言う時期が…。)
紅緒試算 ↓45:↑25:↑30
私は意を決して少し離れたなるみんのとこへ抜け出す。
『なるみん、なるみんは応援してくれないの?』
親友のなるみんが1番頼りになる。
私をよく知り、承くんと同中で、承くんの妹弟とも親しい。
なるみんの予想が、予測が結局1番信じられる。
なるみん『…うん、応援はしてる…。
でも…。』
歯切れ悪い…。
本当の所上手くいくと思う?
忌憚の無い意見知りたいって私は伝えた。
なるみん『…本当に思ったまま言うけど…立花は、
…昔からずっと香椎玲奈が好きなんだと思う。
冷水を浴びせられたような気持ち。
さっきまでの数字の上げ下げなんてなんの意味も無いってわかった。
なんで私、そんな意味ないことに現実逃避なんかして!
気を取り直して聞き返す、
『でも、中学卒業の時何も無かったんでしょ?』
なるみん『ううん、何かあったんじゃないかな?逆に。
立花は香椎の事になると向こう見ずで、損益や後先考えずに何でもするよ。
…でも、とわわんに対しそんな情熱感じない…。』
私は自分で聞いておいて聞きたくなかった。
親友なんだから応援してくれたら良いのに!
でも、なるみんは寂しそうな顔で、
なるみん『…私は永遠を尊敬する。
よく皆んなの前であんなに好きって宣言できるな、すごいなって。
好きって伝える勇気と決断、すごいよ永遠。』
いつになく真剣な表情に何も言えない。
それでも、背中を押して欲しい、なるみんはどれくらいの可能性があると思う?
なるみん『立花はちょっと普通の男の子と違う。
わかってるでしょ?
可愛いとか綺麗は大事だけどそれだけで選ぶ男じゃ無いんだよね。
だからどれだけ心を打つか?だと思う。』
(それは…わかってる。心の中に別の女の子が居ることも…。)
私は結局、考える事を放棄した。
数字をいじくって自分を騙してもそんな事に意味無いってわかったから。
私の好きな男の子はそうゆう計算が1番似合わない男の子だった。
それに惹かれたんだ。
クラス地雷女をフォローしたり、思い出作りに必死になったり、何にも自分の得にならない事に一生懸命な彼を好きになったんだ。
結局私はノープランで告白に臨む、ただ、少しだけふたりの歩みを思い出してもらって。
精一杯好きだって伝えよう。それしか出来ないのだから。
でも…うん、今回私の気持ちを知ってもらう事がまず第一だ。
それで初めて香椎さん?と同じ土俵に立つ。私は多分、恋人候補すらなっていない。
女の子として意識して貰う所からのスタートになるのだろう。
告白で、私を刻み込む、意識して貰う!
…でも告白成功したら最高なんだけどなぁって欲は消えなかったんだよ。
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