第235話 怒りと不安とドーナッツ【side紅緒永遠】
私は怒っている!
なんなの?!
もう10月も下旬になる、クラスの文化祭準備は佳境に入った。
なのに!全然承くんは協力的では無い!
10月1日
私は承くんにお願いしていた。
『ね?承くん!文化祭は一緒に実行委員やって?ね?やろうよ?』
承『クラス委員長の業務もあるし…バイトもあるから…ごめん。』
『えー?大丈夫だよ!私と承くんのコンビなら息ピッタリの相性バッチリだよ!』
承くんは申し訳無さそうに、でもキッパリ断った。
怒りポイント1
クラス委員長の仕事はキッチリ私の分までやってくれてる。それは感謝。
☆ ☆ ☆
最近、休み時間。
それでねー?えー!いつもの皆んなで話してると、
承くんはチラチラスマホを見る。
おかしいな?スマホを買った直後でさえこんなに気にして無かった。
ぶぶ!
承くんのスマホがブルった。
承くんは口元が緩み、優しい目をしてる。
私の好きな顔なんだけど…。
スマホ見て、その優しい微笑みで返信してる?
すっ…
私は気配を消して後ろに回り込む…。
承『わっ!どしたの紅緒さん!』
ちっ、バレた…。
理由が気になる、とっても気になっちゃう。
望ちゃんやひーちゃんなら許せる。
でも他に女を作ってるんじゃ…。
※彼女ムーブ発動中。
私の不安と好奇心がせめぎ合うなか真実はあっさり発覚した。
青井『立花!香椎のロイン来たからってにまにましすぎ!』
承『!
いや、ニマニマしてない!』
やっぱりそうなんだ…。
あの、香椎玲奈とロインしてるんだ。
だからあんなにスマホを気にしてすぐ確認するようになっちゃったんだ?
私は泣きそうになりながら陰で承くんにロインを送る。
ぶぶ!
承くんはまた優しい笑みを浮かべスマホを見る。
なんだって顔して私の方を見て、
承『どうしたん?構って欲しい?』
よーしよしよし!よーしよしよし!
大型犬を愛でるように髪を喉を丹念に撫でてくれた。
嬉しくて恥ずかしくて私は真っ赤になっちゃう。
成実『とわわんは乙女だね?
ちょろ!』
なるみんが撫でられながらぽわわんとしてる私に向かってニコニコしながら言う。撫でてくれるなら良いか?きっと私の特権。
香椎玲奈は撫でてはもらえないでしょ?
承『ほら、しげざねさんも!
よーしよしよし!よーしよしよし!』
なるみんは真っ赤になって、
成実『ちょおお!ちが!たちばな!
…もぅ…』
なるみんにも撫で撫でしてるよー!!
顔を真っ赤にして恥じらうけど逆らえないなるみんは可愛い+セクシー!
なにこれ?何を見せられてるの?
仙道『立花2アウトー!
セクシャルハラスメント!!』
ジャッジ仙道は立花くんに2アウトを宣告した。
承『ええ?!セクハラなの?!
よく望がせがんでくるんだけどー!
中2の妹が試合で負けたりすると必ずあたしの機嫌とって!って強制してくる…!』
承くんは驚愕の表情、仙道くんは無表情に、
仙道『3アウト!
逮捕案件でしょ。』
他の女の子のラインにニマニマ 怒りポイント1
撫で撫で私以外にもしてる。 怒りポイント1
☆ ☆ ☆
そして、
『承くん、文化祭のね?備品なんだけど…。』
承『…目白くん管轄でしょ?目白くんに聞きなさい。』
『ううん、場所わかるし手伝って?』
承『…目白くんに頼みなよ。
自分飛び越えて他の人相談されたら嫌でしょ?』
…むう、確かに私の分野!って事をなるみんに相談してたら嫌かも…。
でもいいじゃない!私が承くんと作業したいんだもん!
承くんが手伝いを渋る 怒りポイント1
怒りポイントと裏腹に何で今までどんな事でもフォローしてくれた承くんが急に私を突き放すんだろう?私は漠然とした不安を抱えていたんだ。
☆ ☆ ☆
ドーナッツ論争。
うちの4組は模擬店をするの!ドーナッツショップ!
クラスの娘がね、ミスドードーナッツでバイトしててね、その伝手で大量に購入すればほぼ半額で仕入れ出来る!って事なんだ。
だから?ほぼ半分売れれば?元は取れる。
もちろん諸々の経費もかかるから半分以上は売れないと困っちゃう。
『ほぼ半額…もし売れなかったとしたら自分たちで買い取りで半額で食べれる?』
『売り切れない方が良い?』
『ヒャッハー!ドーナッツ半額だー!』
みんな?本末転倒だよ?
でも女子を中心にドーナッツフィーバーになってて。
大量仕入れで残りは皆んなでお金出し合って半額購入!
ドーナッツパーリィーだしょ!ってノリなの!
もちろん、ビラ配り手配や店番の順番やドーナッツショップの制服に似せたユニフォームなんかを用意したり大忙し!
服飾に興味あるなるみんたちギャルがミスドードーナッツ風の制服を作って女子大興奮!
文化祭上がるわー!って大盛り上がり!
承くんも手伝ってくれたらもっと楽しいのに…。
そんななか、ドーナッツ論争が巻き起こる。
『ホイップクリームの入ったエンジェルフランスが究極!』
『もっちもちのポンデーリングこそ至高!』
『基本のオールドフィクションです!』
なんて論争が巻き起こる。
大体一回食べる時の2、3個で何を入れるか?って論争だったんだけどね。
なるみんはホイップクリームの入ったエンジェルフランス派なんだけど、間違いなく美味しいよね?
成実『じゃ、とわわんはエンジェル派だね?』
『うーん、でも好きなの食べれば良く無い?』
後から思えばこれが良くなかった。
私はよく空気が読めないって言われるの。
女子1『でも、紅緒さん!お金だって有限でしょ!そこで何を買うか悩みどころでしょ?』
女子2『そう、私はカロリー!カロリー計算して、泣く泣くポンデリーングを外したの!』
縛りって言うのかな?私はこうする!みたいな皆んなの語らいだったんだね。
私は失言をした。いや、言い訳だけど素直な思いなんだよ。
『カロリーなんて気にしないで財布の中身のありったけドーナッツを食べれば良いじゃ無い。』
女子みんなポカンとした後爆発した!
『貴族だ!』
『カロリーなんて紅緒様には関係無いんだ!』
『憎い!太らない体質ってヤツが!』
『ブルジョワジーめ!』
私のあだ名がマリー 永遠ネットになった…。
いよいよ明後日文化祭!楽しみだよ!
…だからマリーって呼ばないで!
私の世間知らずっぷりをマリーアントワネットとかけているんだ。
この頃の怒りと不安で文化祭に私は承くんとぶつかっちゃって…結果的に関係性を大きく変える事になる…。
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