第234話 3人ランチ【side香椎玲奈】
こうして新二さんの中学生時代のクラス委員長の鶴田さんを巻き込みランチすることに。
新二さんはお店に電話してもうひとり追加の連絡をしていた。
鶴田『えー!妹さん天月なのー?!』
『そうなんです。鶴田さんは?』
鶴田『県高だったの。女子高生懐かしいー!若い!』
そうは言うけど落ち着いた印象で全然若い鶴田さん。
同い年だけど新二さんに並べると鶴田さんは妹に見えるかも。
基本ふたりが話すのを私は横でうんうん聞いてる。
時々質問する。
新二さんは動揺してるけど決して嫌がってないよ!
お店に着く、今回も結構良いお店。新二さんはグルメというかまあ美味しいものが好き。そりゃ誰だってそうなんだけどね。
鶴田さんは驚いてるけど、まあまあって私も援護する。
入店して早々に鶴田さんがお手洗いに行った。
新二さんは慌てて私に問いただすよ、
新二『玲奈さん?なんで?鶴田さんを?あと妹って?!』
汗かいてあたふたする新二さんに私は真面目な顔で答えるよ、
『え?その方が良いか?と思ったんです。新二さん嬉しそうだったからランチご一緒にどうかなって?
あと婚約者もどきって言うとややこしくなりそうでしたし?
今から訂正しますか?』
新二『いや、あの、でも…。お兄ちゃんって…。』
新二さんは照れてる。
私の方が恥ずかしいよ!まあ話題を戻すよ!
『鶴田さん、綺麗な人ですよね?
私なんかピンときちゃいました。鶴田さんが前に言ってた委員長なんですよね?お兄ちゃん?』
お兄ちゃんって響きまんざらでは無さそうな反応。
鶴田さんの件は本当は知ってるよ!でもそれは絶対出さない!
私は鶴田さんの印象を並べた、それはほぼ良い印象。
いや、実際会ってみて良い人だな?って感じる。
新二『…そ、そうかな?
やっぱりそう思う?
昔からうるさいけど…間違いなく良い人だった。』
うんうん頷く私、敢えてこれ以上は言わない。
私が婚約嫌がってて鶴田さんに新二さんを押し付けるなんてカケラも出しちゃいけないよ!
策を弄しすぎてはかえって逆効果。
鶴田さんは帰ってきた。
また3人でおしゃべり、必然ふたりの中学時代の話が多くなるし、私も興味あるからその話が続く。
『えー!そんな感じしないですよー!』
鶴田『そうゆう女の子だったのよ!
でも新二くんはね?手のかかる生徒で提出物や係とか!』
新二『いや、あれは!』
意外にも楽しい時間。
あれこれ話す。
鶴田さんは頭の良い女性で話も面白い大人の女性だった。
…でも時折寂しい表情を見せる。大人には色々あるのだろう。
話題は料理の話から趣味の話に、
『私もお料理が趣味で…!』
鶴田『私も趣味だったけど…もう生活の一部だからねー!』
はは!笑い合う。新二さんに話題を振ってみよう、
『お兄ちゃんも料理が趣味なんですよ?』
新二『ええ?ああ、そうなんだよ…。』
照れる新二さん。趣味の料理の話は具体的だったから多分本当に自分でやってるような感じだった。
でも恥ずかしがるお兄ちゃん(笑)
お料理話は盛り上がる。新二さんのお料理話に食いつく鶴田さん!
意外なんだろうね。
鶴田『えー?!
松方くんのお料理?どんななのー?!見てみたい!』
私もフォロー!
『私も食べた事無いんです、お兄ちゃん!今度皆んなでお料理して感想言い合おうよー!』
新二『ええー?やりたい?本当?』
鶴田『…ごめん、調子乗っちゃったかな?困らせた?』
鶴田さんが一歩引いた、それで逆に新二さんは本気になった。
新二『いや、大丈夫!駅前にキッチンスタジオみたいなんあるんだよ!
そこ伝手で予約できるから、来月辺り皆んなで持ち寄って何か作ってってどう?』
どうって?でもなんか料理マンガの料理対決っぽくない?
ちょっと面白そう?
鶴田さんは驚く、
鶴田『え?キッチンスタジオって?!』
『ああ、お兄ちゃんお金持ってるんで?』
資産をちょっとアピールしとくけど、鶴田さんはまったく気にして無い。
むしろ恐縮してる。やっぱ良い人っぽい。
好感持てるタイプの好きな大人だなぁって思うよ。
『あ、じゃあ連絡先交換しておかないと!お兄ちゃん!』
ふたりは、連絡先を交換した。
レストランランチはコースになってて大変素晴らしく、
食後のコーヒーを3人で飲みながら次回お料理大会が決定した。
…話の流れとはいえまた妙な方向へ話しが流れたなぁ。
でも、3人でなら私はふたりの仲をそれとなくフォローできるよ!
なんせ私は?キューピッド実績あるし?
※それダメなカップルだったでしょ。
なんにせよ、ふたりは運命的なな再会を果たし、ランチして、連絡先を交換して次回の約束も取り付けた。上々じゃ無い?
車で鶴田さんを送った新二さん。
私をターミナル駅に送ってくれる。
新二『まさか鶴田さんに再会出来るなんて…夢にも思わなかった…!』
『鶴田さん、綺麗な人ですね?
でも綺麗なだけじゃ無い、真っ直ぐで良い人だな。』
新二『わかる?
あの子だけは評判悪かった俺をさぁ…。』
新二さんは遠い目をして、前にも聞いた話を繰り返す。
私はそれを聴きながらも一言付け加える。
『良かったね、お兄ちゃん♪』
新二『もう鶴田さん居ないでしょ?お兄ちゃんは止めて?』
うん、これ以上は踏み込まない方が良い。私は話題を変えた。
駅で別れ電車で帰る。
うん、上々。
鶴田さんと新二さんが再会できた。
一緒にランチして連絡先交換して次回の約束を取り付けた。
鶴田さんの前限定で妹認定された。
鶴田さんの前でだけ妹が残念、いつも妹として見て欲しいけど欲張りすぎかな。
シングルマザーって鶴田さんが言わなかったのも良いかも。
いきなりだとショック受けて引きそうだし。
もっと仲良くなって引けなくなってからシングルだって知って欲しいかな。
とにかく次に繋がった!お姉ちゃんと合流し家へ帰りながらその話しをする。
外で会うお姉ちゃんはビシッと決キメてパリッとした大人可愛いキラキラ女子。私もなかなかのものだけど現時点では一歩及ばない…!
2人で歩くと男の人の視線を強く感じる。
家に着く。
姉『玲奈は!玲奈は私だけの妹なのー!』
私を抱きしめ頬擦りするお姉ちゃんがウザい。
秘策の見返りなので無抵抗の私。
私は無表情に姉の愛情表現を受け入れた。
大人可愛いキラキラ女子なんて何処にも居なかった。
とにかく、千夜一夜計画一歩前進!
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