第218話 紅緒家
紅緒パパ『いらっしゃい…永遠のお友達かな?』
顔に傷のある、迫力のある顎ひげを生やしたガタイのいいおじさまがスーツをビシッと着て出てきた。
この方が紅緒さんのパパらしい…。
迫力がある!
上がって、どうぞ?と言われ玄関からお邪魔する。
クラスの大半が靴を脱いでも大丈夫な玄関…すご!
なんのかんのクラスの大半、数えると28人は広間みたいな部屋に通される。
お茶とお菓子が振舞われるけど…ふいに28人の来客に対応出来るって?
みんな緊張感で味もわからないような有様。
?『いらっしゃい?いつも永遠がお世話になってます。永遠の母です♪
あ!貴女がなるみんでしょ?』
伊勢『あ、はい!
とわわんの友達の伊勢成実でーす!』
伊勢さんはすぐに人と打ち解ける。すごい。
紅緒さんのママはなるほど、娘さん美人な訳だ!と思わせる迫力がある美人。
とわんこはママ似なのかな?
紅緒ママはクラスメイトにお茶、お菓子、ケーキをふるまってしばらく談笑して、解散になった。
永遠『あ、承くんとなるみん、仙道くんは残って?』
皆んなを送り出したあと今度は奥?
家族スペースなのかな?
8畳くらいのダイニングキッチンに通される。
紅緒さんのパパ、ママが居る。
紅緒パパ…大丈夫かな?
俺SATSUGAIされない?
紅緒パパ『君が立花くんだよね?』
仙道『え?違いますけど…?』
パパは仙道に話しかけた。
はは、わかってる。そう呟くと、ぎゅって俺と握手する。
強くは無い、でもぎゅっと、ぎゅっと威圧感!
紅緒パパ『はじめまして。』
『はじめまして…。』
目が!瞳孔開いてる!
めっちゃ威嚇されてるー!
紅緒ママ『パパ!』
永遠『パパ!』
紅緒パパは引いた。
ちっ!って悔しそうに。
大人気無いぞー?!
永遠『お父さんは娘離れしてないの。
困ったもんだよね?』
パパ『娘!離れ?!冗談じゃ無い!
永遠ちゃんは嫁にはやらん!』
ママ『はいはい、貴方は仕事しててねー!』
紅緒ママはパパを引きずって出て行った。
その後、お茶飲みながら紅緒さんとママ、時々戻ってきたパパも入り談笑する。
マンガで出てくる娘命ってキャラみたいなお父さん、綺麗で娘を1番に考えるお母さん。
2人の愛情を一身にあびて育った紅緒永遠という娘。
それが容易に想像できる暖かい家庭だなって思った。
帰り際、紅緒ママに呼び止められる。
ママ『立花くん、永遠はね、最近君の話ばっかりなんだよ。
世間知らずで、面倒かもしれないけど永遠の事よろしくね?』
イタズラっぽく微笑む笑顔の顔が紅緒さんによく似ていて不思議な感じ。
紅緒さんも年を重ねるとこうゆう感じになるのだろうね。
『俺も永遠さんに勉強教えてもらったり、クラス委員長一緒にやったり助けたり助けられたりなんです。』
ママ『あら!好青年!
じゃあヒントあげる。
永遠はチョロいから毎日可愛いねって言うだけで好感度カンストするよ?』
好感度?カンスト?
微笑みながら、ママは言う。
ママ『永遠はね、学校生活がしばらく出来なかったから…。
今の学校生活がすごく幸せそう、本当にありがとう。
君たちのおかげだね。
入学式の日なんて
『もうダメ…入学式セーブしてからやれば良かった!』って錯乱してたの!』
永遠『わーーーー!!止めて!聞かないでー!』
ママ『ふふ、娘をよろしく♪』
そして、パパにも呼び止められる。パパは男前の顔で。
紅緒パパ『…嫁には出さないけど、永遠がどうしてもって言うなら百歩譲って婿なら可。』
永遠『わーーーー!!!!!』
『ちょっと何言ってるかわからない…?』
紅緒パパ…すっごい男前でいかついダンディなのに残念な…。
こうして、初めて紅緒さんの家に行った。
そして初めて紅緒さんのパパとママに会った。
☆ ☆ ☆
夏休みの終わり頃、紅緒家。
永遠『ママー!お小遣い無くなっちゃった!ごめん、頂戴?』
ママ『珍しいわね?』
永遠はあまりお金を使わない。
大体ママのクレジットカードで通販で買うし、それは購入金額や品物がまるわかり。
そもそも買い物に行く体力がほぼ無い。
おかしいぞ?ママは疑う。
それとなく聞く、何に使ったの?
…買い食い?
買い食いで数万円飛ぶ?なんか変な友達にたかられてる?
悪いホストとか?
うちの娘世間知らずだから!
その晩。
永遠『くぅ、くぅ。』
ママは罪悪感がありながらも娘が心配で娘のお金の使い道を調べる為に寝てる娘の財布を開ける!
レシート、レシート、レシート!
ママ『何にこんなに使ったの?』
ダブルハンバーグセット
カロリー2倍パンケーキ
クリームソーダ
コーラフロート
フライドポテト
温玉サラダ
計4200円
こんなレシートだらけ!
まあこれだけ食べればこれ位の金額行くか?むしろ良心的な価格?
やっぱり奢らされてる?
でも人数は1人。ひとりで食べたの?
レシートを見ると週3か4は通ってる…!
次の日こっそりと娘の後をつけるママ。
『1番テーブルにヌシが入ります!』
ママ(ヌシ?!)
オーダーに迷いながら店内と娘を観察する。
承『はい、注文のダブルハンバーグセットとクリームソーダ。』
永遠『…承くん、たまに座って相手して?』
娘がスタッフの男の子に真っ赤になりながら一生懸命話しかけてるのを見てママはすぐに気づく。しかも無茶な要求!
ママ(あ、あの子が承くんなんだ。)
ママは承くんにオーダーを頼み、わからなくって?って言いながら聞くと彼はとても丁寧に優しく教えてくれた。
注文したおススメのハンバーグカレーもすっごく美味しい!
ママ(良い男の子みたいで安心したわ…問題は…!)
永遠『承くん!カロリー2倍パンケーキと、いちごシェイク。』
バイト中の片思いの男の子に話しかけるためだけに散財して大食いする目を覆いたくなる愛娘の姿!世間知らずってレベルじゃ無いでしょ!
その日からママは永遠に男の子は正攻法で落としなさいって教育を始める。
秋、永遠は正攻法(?)で承を攻略にかかる。
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