第213話 足を引っ張る者

夏休みって終わるとあっと言う間だったなぁって思っちゃう。

今日から新学期。

ひーちゃんはまだ休みみたいだけど俺も望も今日から学校。


いつものコンビニで待ち合わせ。

青井と伊勢さんと一緒に自転車で学校へ向かう。


久しぶりの学校!

なんか不思議。


紅緒さんはもう来ていて、ニッコニコ!


紅緒『承くん!久しぶり!』


『え?いやいや!昨日も会ったし、俺カレで週3は会ったでしょー?』


この娘は成績良いけどもどっかズレてる。

まあ、いつもの面子にいつもの学校…あれ?仙道は?


朝のHR時間になっても仙道は来なかった。

あいつ始業式の日間違えてるんじゃ?

夏休みに2回ゲーセンで遊んだんだけど元気そうだったよ?

担任の先生が来て、席を見渡し、空席を見つける。


先生『あれ?休み連絡来てないけど?』


ガラ!仙道が入ってきた。


先生『お、どうした仙道?遅刻だぞ?』


仙道は爽やかに笑って言った、


仙道『寝坊です。』


ぷふー!!!青井と俺は悶絶する。

あの国民的なバスケ漫画でこんなシーンがあった!

練習試合に遅れて監督に叱られて『寝坊です』って答えるシーン!



仙道に遅刻がついて始業式へ向かう。

いつもの校長先生の話しを聞いて、HRで今日はおしまい!

明後日のLHRで俺と紅緒さん司会で体育祭実行委員や応援団選出がある。

午前だけだからもう終わる。


今日は部活無いらしいのでいつもの面々でエイオンへ行き、甘い物食べたり、本屋寄ったり、ゲーセン行ったり楽しく過ごして楽しい放課後!


青井ははしゃぎ、伊勢さんは大声で笑い、紅緒さんはニッコニコ!

仙道は俺のツボをつくシュールな笑い。俺はみんなと居て楽しい!





2学期2日目。

…教室の空気がおかしい?


なんかこうゆう感じあったね…?


伊勢さん、青井からなんかおかしいからちょっと調べるから様子見てて?って言われ、普通の顔をしながら一日を過ごす。

俺、紅緒さん、仙道の3人で動く。



お昼。


仙道『紅緒さんに好意的な人達もちょっと様子見って感じですな。』


仙道がすっとぼけた感じで言う、俺もそう思う。


紅緒『…。』


『最近は好意的だったからおかしいよね?』


本当にそう思う。おかしいでしょ。

だって期末テストで一位や期末テスト勉強見たり紅緒さんは結構人気者になっていたはず。

俺はまあ、目立たないし避けられる理由わからない?単純に人気無いかも。

みんなに避けられても構わないって姿勢の頃の紅緒さんと今の紅緒さんは違う。

心細そうで、悲しそうな年相応の女の子の落ち込みが見て取れる。



放課後までそんな雰囲気で過ごし、放課後社会科教室に集まる。

多分情報入りやすいのは自分のグループがある伊勢さん、青井のふたり。

情報収集どうなったかな?

青井は部活前に寄ってくれた。


2人ともイラついた声で言い出す。


青井『立花の悪い噂が超流れてるぜ。』

伊勢『とわわんの悪い噂もだよ!』


俺と紅緒さんは顔を見合わせる。なんで?


2人のグループのみんなから集まった話では、


立花と紅緒がクラス委員長だけどあのふたりどっちも悪い噂があって適任じゃ無いんじゃないか?って。


紅緒『はあ?立候補したわけじゃ無いよ?他薦でなったよ?』

憤る紅緒さん。


で、悪い噂ってのが、


立花は中学時代にクラス委員長を能力不足と背信行為で解任されてるんだって。しかも一カ月で!

立花って学年1の美人に3回も告白して断られているストーカーらしいよ。

中3の頃、文化祭の実行委員やってクラス全員罵倒して同じ中学のみんなに嫌われてるらしい。


(細かい事はともかく大体合ってる…内容が具体的で悪意のある目線だけど事実だなぁ。)



で、紅緒さんだけど、

前の入学当初の悪い噂がほぼ同じ内容で流れてる。


パパ活や援交を繰り返して変な病気をもらって中学校に全然登校出来なかった?

パパ(複数人?)と手を繋いで歩いてた?

立花と付き合ってるんじゃ?new!

実はヤクザの娘らしい new!



紅緒『付き合ってるるるって?

あは!そう見えちゃう?そう見えちゃうかぁ…。

いや、複雑!複雑だよぉ!』


るるる?真っ赤になった紅緒わんこはチラチラ、モジモジ。

いや悪い噂だからね?


病気の件は本人が心臓が悪くて入院生活が長いって話を直接してる。それを不名誉な病気にしたい奴が居るって事だよね。

立花と付き合ってるんじゃ?は女子にはあんな美人がモブっぽい立花を騙してる。男子には立花が世間知らずの紅緒さんを騙してるって噂。


そして?ヤクザの娘疑惑出てる娘によく陰口叩いてハブれるな!怖くない?




出所を辿ると多分津南、稲田さんのグループのような感じ?

去年の香椎さん時と違って皆んな様子見!って感じだから対応次第だよ。

そこまで津南と稲田さんが人気絶大!ってほどの影響力じゃないから紅緒さん次第でなんとかなるかも?

やっぱ外町の方が怖いしいやらしい。



そんな事を思いながらどうしようかな?

とりあえず、紅緒さんを心配させないように、18時位までのんびりと俺、紅緒さん、伊勢さん、仙道でのんびりおしゃべりして、自転車置き場でバイバイ!それで行く。

取り敢えず問題は無かった。

仙道が帰り途中だから紅緒さんをすぐそこだけど送って行ってもらう。

そういえば別方向だけど家近いらしいけど行った事無いな?


俺は伊勢さんと一緒に帰る。なんかあるといけないから俺と離れた方が良いって言ったけど結局同じ方向じゃん!って言って押し切られ伊勢さんと帰った。

自転車置き場緊張する!

結局何も無かった!良かった!


☆ ☆ ☆

仙道、紅緒を送る。



仙道『…あ、ここが紅緒さんのおうち?』


紅緒『そうだよ?』


東光高校からおよそ250m。近い距離。

広い敷地にでっかい和風の邸宅、いかつい男の人が多く行き来するその邸宅前で仙道は紅緒と別れる。



仙道(なんと説明したものか…?)

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