第210話 ダイエットシスターズ
夏休み終盤、突然妹の望に『あたし太った?』って聞かれたから、
承『なんか何言っても怒られる気がする…!
ちょっとむっちりしてきた気がする…。』
そう伝えると肩をグーパンされる、こいつ力強いの!
望は弟のひーちゃん(4)に縋るように同じ問いを…、
ひー『ねえちゃん?かおがまるくなったね?せいちょうきっていうんでしょ?』
ひーちゃん!オブラート!!
※ひーちゃんは嘘がつけません。
その日の夜から望は何故か伊勢さんを誘ってダイエット!って言い出した。
伊勢さんもジャージで家に来たからつぶやく。
でも女の子ってガリガリよりはもっちりの方が可愛く無い?
望『そうゆうわけにはいかないの!』
伊勢さんはあわあわしながら、
伊勢『の、の、の望ちゃん!立花には!お兄ちゃんにはこの話ししないで!って言ったじゃん!』
望『女の子だけで夜走ったりしてたら危ないよ?兄ちゃんをボディガードに連れて行こうよ!どうせ日課で走り込みや練習してるんだから!』
伊勢さんはしどろもどろに、
伊勢『立花!私は望ちゃんの付き合いでダイエットだから!そんな太ったんじゃないんだよ?ほんと。』
望は後ろからこっそりと近づくと伊勢さんの胸を後ろからガバッと!
伊勢『うぅん!だ、ダメ!望ちゃん!』
望『えっろ!ごめん、兄ちゃんこれ18禁だったよ…!』
刺激強い!目の前で変形する膨らみで脳裏がいっぱい!
伊勢さん、ほんとごめん!
忘れろ!
いいよ。夏休みもあと1週間だし、朝夜バイト無い時間なら付き合うよ!
伊勢さんはドラッグストアで買った、発汗作用のあるサプリやカロリーを抑える的な薬、トクホのお茶など持参した。
兄ちゃんもなんか良い手考えて!って言われたけど宏介が最近女の子のダイエットに付き合ってるって言ってたからそれに便乗させて貰えば良いんじゃ無い?って提案すると。
望『えー?!宏介くんあの女と別れたの?!
あいつ嫌な女だったもんね!良かった!
…なおさらこの醜態を見せるわけには…。』
え?三島さんの本性を望は気付いてた?
小学生の頃、望が宏介にじゃれてて三島さんにめっちゃ牽制と皮肉を浴びせられて怒り狂って帰ってきた事があったんだよ。
…秘密だけど望の初恋は宏介だったんだよね…。
伊勢『宏介くんにまで太ったって知られたくない…。』
いやいや太って無いよ?ってフォローしつつ20時の夜のダイエットウォーキングに付き合う。
まず河川敷公園までジョギング!伊勢さんだけ運動習慣無いから苦しそう。
ペースは伊勢さんに合わせる。
連れが居ると楽しいし、苦しさが紛れるね?
河川敷公園まで歩いて、バスケコートで持参してたボールでひとりシュート練習する。宏介が基礎固めた方が良いよ?ってアドバイスくれたから派手な技とかじゃ無くドリブル、シュート、ドリブルシュートだけみっちり。
休憩に飽きたのか望が加わり、伊勢さんも加わる。
バスケットボールは重いから上半身や腕にも良い負荷じゃ無い?
また汗だくになったから今度はゆっくり歩いて家に戻る。
途中の伊勢さんちでバイバイして望と家に戻るよ。
ふたりがキャッキャ話しながら歩くのを見てるとこの2人が姉妹みたい。
望『じゃあ明日朝6:00から同じメニューでよろしくー!』
翌日朝ほぼ同じメニューを3人でこなして、公園の鉄棒やベンチで腕立てや腹筋など全身を軽く負荷をかけて朝食前に家に戻るよ。
食事も糖分を減らし、炭水化物も減らし、油分も減らす。
朝食時に家族にそんな話しをしてると、
ばあ『望ちゃんも女の子だね、今くらいが1番いいんじゃない?』
ばあはのんびり屋だけど健啖家でよく食べる。
じいも同意する。
でも全然ちょうど良いよね。
望がそれを聞くと、
ばあ『良いくすりあるよ…。』
ごくり、望はばあちゃんの部屋へ着いて行った。
望『なーんだ!よもぎだったよー、
草餅とかに入ってるやつでしょ?』
望はよもぎ蒸しのお茶をどっさりと、薬草の粉末をばあちゃんからもらってきた。
ばあちゃんがよく飲んでるよもぎ蒸しのお茶だよな。
スマホで検索したら、
よもぎ蒸しは、『身体の温度が上昇』「血流が促進」『疲労物質の排出』「内臓が温まる」など婦人系トラブルの改善や便秘の解消も期待できて?
元々よもぎにはホルモンバランスを整える効果もあり「リラックス効果」や自律神経が整うことで「不眠」や「ストレスの解消」もあるらしい。
って出てきた。
※個人差があります!
薬草の粉末は食前にひと匙水と一緒に呑むんだって!かんたん!って望は言う。
望はじゃあこのお茶を夏だから飲みまくるよ!って言って伊勢さんにも届けに行った。
俺は一緒に渡された、怪しい薬草の粉の方が気になる。
午後から伊勢さんが家に遊びに来て、結局ひーちゃんを含めた4人で喋りながらあのお茶飲んで、おやつはばあちゃんがだし醤油で煮たこんにゃく(空腹対策)を摘みながらひーちゃん希望のジブリのDVD見たりまったり過ごす。
伊勢さんと望は胸から落ちるから気をつけないと!とかサランラップを巻くだの、半身浴だの、爪先立ちだのなんかダイエットの雑学論を交わしていたよ。
ひー『そんなにやせなくてもいいよ。』
伊勢、望『そうゆう訳にはいかないの!』
息ピッタリじゃん。容姿は全然似てないけど姉妹みたいw
望が隠れて盗み食いをしようとするのを未然に防いだり、
伊勢さんが糖分切れの禁断症状で手が震えたり、ドタバタしながら2人はダイエットを頑張る。
初めて3日目には、せめて多少の甘い物!ってスーパーに材料を買いに行き、おからクッキー(低糖質、高タンパク)を作り始めた。
ふたりが楽しそうにキッチンでクッキー生地を作り上げ、ひーちゃんも型抜きでクッキーの成形をしてオーブンで焼き上がるのを楽しみに見ていたよ。
出来上がりの一枚を俺とひーちゃんは受け取る。
伊勢さんは今日は髪を後ろで束ねてる。
あんまりギャルじゃない伊勢さん。
シンプルな半袖シャツにミニスカート。その上からのエプロンは妙にセクシーで伊勢さんを直視できない…。
伊勢『あんまり美味しく無いかもだけど…。
…香椎玲奈みたいには…やっぱ!いらないよねっ!』
『え?美味いけど?』
俺は出された食べ物はすぐ食べちゃう。
ひーちゃんも
ひー『あちゅ!ふしぎなくっきーだね!』
特別美味しい!ってものじゃ無いけど出来立ては香ばしくってサックサクで後をひくおいしさ!
望『ふふー!女の子手作りなんだからモテない兄ちゃんなんか泣いて喜ぶべきだよ!』
伊勢『はは!…あたし兄弟居ないからなおさら感じるんだけど、すっごい楽しい!』
本当伊勢さんは見た目派手だけど本質は中身で中身はもっと美人なんだよなあって思う。
そんな日々を過ごして1週間経ち、日々の測定で結果は出てるみたい。
具体的な数字は教えてもらえないけど?
伊勢さんも順調だって。お茶良い!って絶賛してた。
朝、夜やるんだけど日焼けしたく無いって夜を長めにしたり、配分が変わっていく。
俺も宏介から聞いた方法などでフォローする。
いよいよ夏休み終了日の朝。朝の日課ウォーキングを終えて。
望『目標達成!もう太らないようにするー!』
体重計に乗り望はガッツポーズ!
良かったな。ちなみに具体的な数字は教えてもらえない。
何キロ落ちたのか、何キロになったのか。
伊勢さんも目標値クリア!
目標達成したらバイト先の俺カレでカロリー減セットを俺が奢る約束。
夕方少し前に伊勢さんとバスで来るんだって。
バイト出発準備中に、
望『なんか楽しかったな。成実ちゃんって素敵な女の子だよね。』
『そりゃそうだろ。成実さんだぞ?』
望『…兄ちゃんはわかってないよ!』
何故か望に文句を言われて俺はバイトへ向かう。
待ってるよ?
☆ ☆ ☆
50000pv達成出来ました!ここまで読んでくれた皆様本当にありがとうございます!
初作品で長編になってしまった為全然読まれなかったらどうしよ?って不安でしたがコメントをくださる方、☆、♡を付けてくれる方たちの後押しでここまで来れました!
本当にいつもありがとうございます!
ある
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