第202話 紅緒永遠の夏休み【side紅緒永遠】
1学期が終わった。
期待に胸膨らます春、入学式。
あの日に感じた胸のときめき、期待、喜びは自分の失策と悪手でとんでもないスタートになってしまった。
身体が目当て?顔で選ばれた?そんな男子ばかり集るように集まってしまいとんでも無い事になった。
そして女子を敵に回してしまい、稲田さんは特に敵視されちゃって?
シカトされてるのにクラス委員長に無理やり推薦された時は本当に酷い状態だった。
ふふ!
思い出す、クラス委員長の相方にあの男の子が立候補してくれて、フォローしてくれて私の日常は変わった。
彼は私に学校生活を教えてくれて…そして私は恋を知った。
少し前に会ったライバルになるであろう女の子はとんでもない娘だった。
私が考える最強可愛い女の子!を体現したような化け物。
美しく、可愛く、セクシー。
承くんのその娘を見る目が見た事無いほど優しくてショックだった。
でも、負けられないよ。
諦められないし、その気も無い!
でもね?夏休み、彼の誘いを待つけど一向に誘いは来ない!
どうなってんの?
スマホに連絡して返事来ない時はバイト先の俺カレに行くと必ず居る。
私は必ず承くんにオーダーして、承くんにお料理を持って来てもらう。
それを時間をかけてゆっくり味わいながら食べる。
承くんが働く姿を眺めながら。
バイト中の承くんは凛々しい!実は何枚かスマホで撮ってしまった!
私、承くんの手が好き。
ライバルに初めて会ったあの日、さっと手を取った時の大きさと暖かさ。ごつごつ力強いゆび。
男の人!って感じがする。
(…手繋ぎたいな。)
どうしたらいいかな?
食器を下げに来た承くんと手を繋ぐ方法?なんか無いかな?
…
…
!!
『わんわん!』
承『紅緒さん?俺バイト中だからごめんね?』
『違う!違うの!』
手をブンブン振って否定する私。
承『じゃあ何なの?暇なの?』
承くんはふふ!って笑った後、
承『もう少ししたら終わるからエイオンでアイスでも食べる?』
『食べるー!』
『さっきクリームソーダ飲んでたのに?』
しょうがないなぁって言いながら承くんは上がる支度をしてくれる。
なんのかんの承くんは付き合いが良い。
でも自分から誘ってくれないのがちょっと悔しい。
バイト中の承くんは凛々しい。凛々しすぎる!
承くんの後ろ姿にキュンとする。
少しして、出てきた承くんが、
じゃあ、行こうか?って。
自転車に乗って2人でアイスを食べに行く。
承『さっきの『わんわん』って何なの?ほんとにわんこになっちゃった?』
承くんはクスクス笑いながら私を揶揄う。
『そんな訳ないでしょ?』
言えない、わんわん♪ってしたら承くんが私を可愛がってくれて?
『お手?』ってされたら手が繋げる…なんて浅はかな企みは言えないよ…。
高校生の考える事じゃないよね…?
承『紅緒さんは頭いい割に…ね?』
『ね?ってなにー?』
私はぷんすこ怒ってみせる!
でも承くんはこの怒り方は照れ隠し!って看破しちゃう。
承くんが私を理解してくれることが嬉しくて私は今日もニコニコしちゃう。
承『最近さ、紅緒わんこはいつもニコニコしているね?』
違うよ、承くんが私をニコニコさせてるんだよ?
承くんが笑うと胸がきゅー!ってする。
最初は怖かったよ、心臓だからさ。
私は今日も承くんに見抜かれるようにちょっかいをかける。それが私の夏休みの楽しみなんだ。
そんな私の夏休み!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます