第189話 紅緒さんは結構食べる子
次の日、昨日は急に電話してごめんね!
紅緒さんに昨日のお礼と謝罪。
『いいよ!いつも助けてもらってるし?
なんか助け合ってるみたいで良いわよね。』
『今日ひま?お礼とお詫びに甘いもの奢るけど?』
『そんな、いいわよ気にしなくて?』
『あ、そう?じゃあ…。』
『引くの早く無い?
もうちょっと情熱的に口説いて!
…男の子とふたりで…初めて!』
最近すぐに口調が砕けた感じになっちゃうよね、べにお。
『とわっちー!今日帰りひま?』
『紅緒さんも一緒にどう?』
俺と話した直後にクラスの女の子に誘われれる紅緒さん。
俺は別の日でいいよ?ってジェスチャー。
うん、頷いて、
『ごめんね、立花くんがスイーツ奢ってくれるから!また今度でいい?』
(ジェスチャー伝わらない…。)
こうして、放課後紅緒さんと出かける事になった。
放課後。
悩んでても腹は減る。
紅緒さん何食べたい?何でもいいよ!そんな会話があって。
(よく母さんが何でも良いが一番難しいって言うけど…確かになあ。)
『…俺腹も減った。』
『じゃあ立花くんは何かお腹に溜まるもの食べれば?ふたりでシェアしちゃう?…なんか良い!!』
良いなら良いか?
!!
あ!『俺のハンバーグとカレー』にしよう!
ハンバーグとカレーと甘いものの店って言ってた!
自転車で案内する。
『『俺のハンバーグとカレー』?』
いいから!美味しいんだって!
着いた!
『俺のカレーとハンバーグ』だった…。
ワイルド『へらっしゅー!!』
またあの癖つよあいさつ!
『こんにちわ!』
ワイルド『あれ!こないだ来た?』
『また来ました!美味しかったんで!』
『こんにちわ♪』
紅緒さんはにっこり微笑んで挨拶!
いつもこうならクラス支配できるのに…。
ワイルド『おお、彼女すっごい美人じゃん!』
『そんなあ、彼女なんて…まだですよぉ。』
何言ってんだ?冗談を間に受けて…。
紅緒さんは、
『ねえ、何が美味しい?』
『前回カレーハンバーグ食べたけどめっちゃ美味しかった!』
『カレーハンバーグ!美味しそう…甘いものは?』
食べて無いんだよねえ。メニュー見ると、
パフェ、クレープ、あんみつ、ホットケーキ、アイスがある。
ワイルド『今流行りのパンケーキも始めようかと思ってるんだけどどう?』
今流行りの?結構定着してない?
『じゃあパンケーキとハンバーグカレー。』
『…私もハンバーグカレーください。』
え?そんな食えるの?
『私ね、体質的にエネルギー消費が激しくて…実は…ね?
結構食べるの!』
目をキュってつむって重大なことを告げた、って様子だけど…?
別に良く無い?太ってるならセーブしなきゃだけど?紅緒さん痩せてるしそうゆう体質ならしっかり食べなきゃ!
でも、ここボリュームあるよ?大丈夫?
ワイルド『お待たせー!』
『美味そう!!』
『うわぁ!良いね!
うん、おいひぃー!!』
紅緒さんは目をキラキラさせてむぐむぐ。
ハンバーグカレーは今日も絶品で、紅緒さんのは俺の7割くらいの盛りでそれでも普通の大盛り位はあるようだったけど紅緒さんは美味しそうに頬張る。
ね?美味いでしょー?!
恥ずかしそうにしてるけど、全然その必要は無いと思う。
むしろ相手が少食だと俺が気を使う!いっぱい美味しそうに食べるのが一番だと思う!
そんな事を思ってると、
『…ねぇ、本当は?いっぱい食べる女の子って嫌じゃ無い?』
『なんで?俺はいっぱい食べちゃうから一緒に食べてくれる女の子方が好きだなぁ。』
恥ずかしそうにしてた紅緒さんはパッと顔を輝かせて、
『そ、そうなんだ。一緒に食べてくれる娘が好きなんだ?』
『…。』
思い浮かぶのはやっぱり香椎さん。
あの娘もよく動くからよく食べるよね、でも俺が食べるのいつもニコニコして見てたっけ…。彼氏さん幸せ者だなぁ。
ああ、俺も変わらないと。
食べながら、少し話をする。
昨日の親友のこと、聞いてくれた事に感謝。
俺にとって大切な親友で泣いてしまったことなど自嘲気味に話しちゃう。
そして、
俺の家あまり裕福じゃ無い事、体の弱い弟が居ること。
俺、変わりたい。色々学んでもっと自分に納得いく漢になりたい。
今部活もしてないし?俺バイトしようかと思うんだよね。
紅緒さんは黙って聞いてくれた、と思ってたんだけど?
『それじゃ!私との時間減っちゃう!放課後の社会科教室タイムできなくなっちゃうじゃない!』
焦ったように食ってかかる。
あれ?ここって応援してもらえる流れじゃね?
ワイルド『店暇だからよ?話しっかり聞いてたんだけどよ?』
ワイルドがパンケーキ持って出てきた!
ふつうは聞くつもりじゃ無かったんだけど…とか言わない?
ワイルド『お嬢ちゃん、彼女なら彼氏を支えてやらないと?
彼氏が変わりたいって決意してんだろ?』
真っ赤になってまんざらでもない紅緒さんは、
『彼女?彼女に見えちゃいます?
…そっかー。彼女のサポート…なんかイイ!』
ワイルドはウインクして、
『話を聞いたのも縁だろ?
うちさ、俺の奥さんがおめでたでさ、バイト入れようって考えてたんよ。
君うちのカレー気に入ってくれてるみたいだし?どうよ?』
え?いいの?!
『いいんすか?!
俺ここのハンバーグカレーすっごい美味くて…。』
ワイルド『世の中には好きな物を仕事にしろって言う奴と好きな物は仕事にするなって言う奴が居る。
でも好きな方が良いに決まってんだろ?って俺思うんだよね。』
ワイルドはニカって笑うと、明日一応履歴書持って来てよ?
で、明日から皿洗いとかバックヤードやって貰って?慣れてきたらホール。
ゆくゆくは簡単な調理やらせるから!って。
週3、4位、土日祝日はちょろっと入ってくれて、2年位やって欲しいって。
その頃は大学受験とかでしょ?って。
俺は渡りに船で大助かり!
ワイルドさんはなんか陽気で気さくないいお兄さんな感じがする!
紅緒さんは複雑そうにパンケーキをつつきながら、
『バイト無い日はちゃんと構ってよね?
そうゆうので疎遠になるカップル多いって聞くよ?』
何故か彼女ムーブを決めてくる。
話ずらしとけ。
『パンケーキ美味そう!
どう?』
にっこり、
『美味しいよ!
…立花くんも一口食べる?
…はい、あーん?』
真っ赤になるならやらなきゃ良いのに?
あむ。
美味い!パンケーキふっくらでもっちもっち!
生クリームに包まれて甘味と旨味!!
ワイルド『どうよ?ターミナル駅前の人気店に奥さんと3回通ってパクって来た味だぜ?』
ワイルドさんドヤ顔。
すげえ、パンケーキも美味いんだ…。
お会計も前回同様ハンバーグカレーは880円で紅緒さんはハンバーグカレー中盛りでパンケーキで1,580円で、
『え?パンケーキで1,480円とか当たり前にありますよ?』
ワイルド『いいの、いいの。
試作だから!jkが美味いって言うから大丈夫だろ?』
お礼を言って帰る。
紅緒さんは高校の側だからここでばいばい。
『本当に良い店よね…。
ここで立花くんバイトするんだ…?』
なんか嫌な予感するから釘だけ刺しておく。
『紅緒さんは体弱いんだからバイトしようなんて考えちゃダメだよ?
明日病院なんでしょ?』
紅緒さんは1月に一度病院で検査あるから午前は休み。
早く終われば午後から登校してくる。
『学校好きだから午後には登校したいよ。』
慣れて、口調も柔かくなったけど目は変わらずに強い。
宝石の中に炎が揺れてるような強い瞳。
別れ際、紅緒さんはいつもブンブン手を振る。
危ないよ!前見て!せめて自転車止めて!
…その姿は尻尾をブンブンふるわんこを想像させた。
紅緒永遠は俺に助けて貰ったと事あるごとに言うけれど。
俺はけっこう紅緒永遠に救われている。
高校生活に加えて明日からバイトが始まる!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます