第91話 揺さぶり
次の日、休み時間に色々完くんと打ち合わせ。
そんな中で放課後、香椎さんに呼び出された。
『どうしたの?何か問題?』
応援関連、大道具、小道具、衣装など何かと香椎さんも俺も忙しい。
こうなると校舎の補修、塗装工事でいつもより遅い体育祭日程に助けられてる感がある。
香椎さんの表情は翳り口調は重い。
『…さっきお昼休みにね、外町くんにハブるの止めさせて、体育祭協力しようか?って申し出があったんだよ…。』
『え?あいつが加担したからクラス規模の問題になったんじゃないの?』
最初は二村さんとフラれた女の子、その思い人2人の4人が香椎さんを目の敵にして自分の周りを巻き込んでハブる宣言したことに外町が乗っかって俺たち男子もそんな女の子は許せない!ってその流れで香椎さん包囲網が出来たはず。
『…それでね?』
香椎さんは言いにくそうに話始めた。
□ □ □ □
申し出 【side香椎玲奈】
昼休みに一条さんと久しぶりにお弁当食べて、小道具やってくれる子と少し話そうと思ったら外町くんに話しかけられたの。
でね、特別教室棟の階段まで移動したんだ。
『大変みたいだね?』
(誰のせいで話が大きくなっているの?)
『そうだね?みんなあまり協力的では無いからね。』
少し皮肉を言ったよ。
『クラスが割れたのは僕だけのせいでは無いでしょ?』
(…私に隙があった。私の潜在的な敵が多かった。確かにそうかも。)
『でも責任の一端は担ってるよね?』
『確かにね。でも香椎さんにわかって欲しかった。』
『何を?』
『以前も言ったかもしれないけど1人1人に構いすぎてたらクラスはまとまらないし、クラスの中心の運動や勉強に優れた人をメインに玲奈さんはケアすべきだと思う。』
『またその話?
あと名前で呼ばないでね。』
『ふふ、まあいいよ。
でも実際こうなって大変でしょ?クラス割れたのリカバリー出来てないよね?』
(君が煽ったくせに!)
『出来てはいないね。外町くんなら出来るの?』
『できるよ?その為にあっちに付いたんだから。
香椎さんが僕の言ったことに理解を示し、考えを改めてくれたらすぐに仲介して収めるつもりだったよ?
あのまま二村さんたちを放置してもきっと香椎さんを恨んで何かしでかすだろうから僕が制御した方が被害が小さいと思ったんだ。』
私が今の状況に弱っているのは事実、でも色々な人に助けてもらった。
その上で今まで仲良かった子が敵対して、クラスメイトに嫌な言葉を投げつけられることはどうしても慣れない。もし解決してくれるなら…悪魔の誘惑ってこんな感じなのかな?
『そんな…でも…。』
『一回爆発しなきゃ収まらない状態だったんだよ。折角の機会だから香椎さんに味方が牙を剥く怖さ、その危険性を知って欲しかった。』
『でも、だからってクラスを壊すようなことをこのタイミングでやらなくても!』
『体育祭や文化祭の準備の佳境で暴発されたら困るからだよ、わかるでしょ?
今ならまだ体育祭に十分間に合う。
陰キャに頼らなくっても僕や仲間たちがまた中心になって動けば進捗は取り返せるし、体育祭だって彼らの方が運動センスが遥かに高く、勝てる可能性はずっと高いはずだよ?』
『でも…』
『条件はクラスの中心を重視に香椎さんが考えを改めること、体育祭、文化祭の人員を僕らに一新すること。の2つだよ。
あとは希望だけど僕と意思の疎通をスムーズにさせる為にもっとふたりで話す時間をとってくれたら嬉しいな。
そうしたらハブるのは止めさせるし、二村さんたちを説得して仲を取り持つ。安心してまかせてくれていいよ?
誰かが間に立たないと感情的になって話し合いにならないのは昨日見ればわかるでしょ?今香椎さんの話なんて聞かないよ。でも味方の僕なら話が出来る
。
体育祭も競技に僕の仲間たちを全力でエントリーさせる。
どうかな?』
(それじゃ、今協力してくれてる子たちが…。)
『…。』
私が返事しないから外町くんは続ける。
『ああ、大道具や小道具は今のままでいいよ?応援団は…ね?
立花くんや完くんに任せたら男くさい応援歌叫ぶハメになりそうだから立花くんと応援団だけは更迭してね。』
(私の考えと、承くんと完くんたち応援団だけ解任で良いってこと?あと話す時間?…でも。)
『いやって言ったら?』
『今のクラス分裂は香椎さんの望むものじゃ無いでしょ?
さっきの話に戻るけど香椎さんにも責任の一端があるのにこれをノーリスクで解決できる方法があるのに解決しないで分裂したままにするってそれこそクラス委員長としてどうなの?
香椎さんの言うクラス皆んなで思い出作るって今のままなら絶対無理だよ。
それとも今のままで良いの?』
(私の責任…確かにそれで解決するなら…)
『…良くないよ…。』
『来週のHRまでに返答聞かせてね。
僕は正直自分の関わってないイベントなんて負ければ良いって思ってる。
でも香椎さんがお願いするようなら絶対に勝たせてあげるよ。』
最後に自分の思っていることを言うと。外町くんは私の肩をぽんと叩いて戻って行った。
(外町くんを選ばないとまともに参加しないって意味だよね。私はどうしたら…?)
外町くんにお願いして助けてもらうべきなのかな?
今のままクラスを割ったままには出来ないよ!私の責任だ!
色々な感情が胸の中で混じり合い、1個なら綺麗な色だったものが汚く混じり合いどす黒い何かが胸の中にある。
ねえ、承くん。私どうしたら良いのかな?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます