第31話 青井との対決 決着

青井と一戦交えて、色々語り合った。その結果いじり、いじめはもうしないって言ってくれた。

ほっとした瞬間に…。



『くちゅん!』



小幡さんがくしゃみした!



『おばちゃん!しーっ!』


『おばちゃんは止めてって言ってるでしょ!』


青井は言った。


『香椎と小幡だろ?』



『…チガウヨー?』



香椎さんの裏声あまり変わってないよ!

あとおばちゃん(笑)くしゃみ可愛いんだね?

あ、今更業務ハンドミキサー回して威嚇しないで!


『まあいいや、俺は負けたし。何にも言わねえよ。』


宏介は青井を抑える結束バンドをニッパーで切った。一応女子に襲いかかるのを警戒したが何も起こらなかった。宏介は仮面を外しながら言った。


『男同士語り合うのに仮面や拘束なんて必要ない』


宏介の一言に涙する青井。こいつ結構熱いやつだよな。


時刻は7時を周り暗くなってきた。香椎さん達の差し入れおにぎりと唐揚げ超うまい!


今度は俺たち全員でいじめた、いじめられたを忘れて語り合った。


『僕立花くんと青井くんのケンカまじ感動したよ!』


『すごい拳だったぜ!』


『立花はバテバテの俺に3分待ってくれたんだぜ?その上一発避けないでもらってからしかケンカ始めないんだぜ?!漫画かと思ったよ!』


『青井は強い、かつては敵だったが…。

今は強敵ともだ』


『マジで?!本当に強敵と書いて とも と読ませるやつだ!』


『俺を強敵ともと呼んでくれるのか!』

青井は涙する。


俺たちはおかしなテンションで語り合った。

みんな夜ランタンでキャンプみたいな気分でご飯を一緒に食べたからか、ケンカした高ぶりかわからなかったがとにかくハイテンションで語り合った。


女子は8時には呆れて帰っていった。一応明日の予定だけ話した。


俺たちも9時頃解散する。それでもこの熱さが興奮状態を継続する。


『今日は星空綺麗だな!俺今日を忘れない!』


『ああ、俺も忘れない!』


『僕も!』


『同じ時代に生まれて良かったな!』


俺たちは熱く語り合い変なテンションになっていく。


俺はこの拳の熱さに負けた!とか青井の拳が当たった時宇宙が見えたとか、俺たち今通じ合ってる!とか僕も青井くんとタイマンはる!(絶対死ぬぞ?)とか今なら誰にも負けない!(めっちゃ顔腫れてる)とか興奮による全能感から厨二全開で語り合う。


宏介は黙ってうんうん頷いている。皆は時間を忘れ語り合う。



このままだと生まれた日は違えど死ぬ時は同年同月同日に死ぬとか誓いそう。

(俺3月17日生まれだから絶対末弟じゃん)って思ってやめた。



解散前に明日の段取りを相談して解散した。


帰り道興奮冷めやらない俺は星空を眺めながら独り呟く。


『…俺、今日を忘れない…。』















次の日。


『…昨日を忘れてしまいたい…。』


昨日はしゃぎすぎてしまった。強敵ともとか宇宙とか同じ時代に生まれて良かったとか思い出すと赤面するワード満載、しかも頬がめっちゃ痛い。

顔を両手で覆いベットの上をゴロゴロする。



(そういえば宏介のやつ録画してたんじゃないか?撤収時に物陰からバッテリー付きのタブレット回収していたような?スマホの録画も最後に切っていたような?)


そもそも宏介はバンド切る時以外ほぼ喋っていない。青井と俺はとても恥ずかしいことを口走っていたはず。

俺の黒歴史にまたまた1ページ…。


(恥ずかしいし、頬が痛いし学校行きたくない。)


でもそんなわけにはいかない。


俺が申し出たことだが今日俺と青井は香椎さんに公開裁判されるのだ。


朝のHR前の時間に俺と青井がケンカしたことを香椎さんがみんなの前でガッツリ叱る。暴力は絶対にダメ、喧嘩両成敗!いじりやいじめ、暴力は絶対に許さないと香椎さんに締められ俺と青井にペナルティを与える。

香椎さんのクラスへの影響力向上、いじり、いじめ、暴力を許さないというクラスの世論を誘導が見込める。

俺はその後中立派へのいじめ防止を申し込んだり、外町グループの切り崩し、牽制ができればこのクラスのいじり、いじめ、暴力問題は多分落ち着くはず。

それが達成すれば香椎さん政権は盤石となり平和が訪れる…と良いなと思う。人間同士だし何があるかはわかんないよね?


でも香椎さんの困った顔やあの日の涙を止められたなら顔の痛みなど安いものだと思った。

仕方ない学校行くか!



ーーーー

先に帰った女子の会話


『小幡ちゃん、男子ってホントに夕方の河川敷でケンカしたあと分かり合えるんだね?』


『怜奈、あれはかなり特殊なケースよ?』


『でもなんか良いよね、男子って?』


『女子であそこまで拗らせたら地獄か地獄しかないものね。』


『地獄しかないじゃん。』

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