第6話 香椎さんちのクリスマスパーティー
終業式の次の日、12時にあっちゃん、宏介、小石と香椎さん家の近くで集合する。
小石は結局あっちゃんに土下座せんばかりにお願いして4番目の席をゲットした。
あっちゃんを先頭に香椎さんの家に向かう。立派なお家だった。
呼び鈴を鳴らすとみんな出てきてくれた。
「今日はお招き頂きありがとうございます。」
あっちゃんが丁寧に頭を下げて礼を言った。俺たちも皆続けて復唱した。
流石あっちゃんだなあって感心した。香椎さんの家には広いリビングとダイニングキッチンがあり大きいテレビもあった。
俺は初めての女の子の家っていうか香椎さんの家に緊張していたが隣りの小石が大興奮で落ち着かない為、我に返って冷静でいられた。
12時にお昼ご飯食べてその後クリスマスケーキを食べる。
食後しばらくみんなでDVD見たりボードゲームをしたり好きにお話する自由時間で16時にみんなでプレゼント交換をして17時前に解散という流れらしい。
ダイニングテーブルの上にはご馳走が並んでいて手作りっぽいケーキが真ん中にデーン!って置かれていてクリスマスパーティー!って感じだった。
席は決められていてあっちゃんと宏介の隣にきちんと意中の女の子がくる配置だった。
今日の作戦は香椎さんとその親友の小畠さんが決めたらしい。
小幡さんは少し怖い女の子、クールな子だった。
宏介 女の子 女の子 あっちゃん
小石 小幡 香椎 立花
こんな配置。
女の子同士は固まっていて男たちは分断されていた。男同士の会話に逃げない為なんだって。
「小石は邪魔なのよね、玲奈に絡むといけないから私が隔離するわ」
って小幡さんが冷めた顔で言ってた。少し怖かった。
みんなで乾杯した後隣同士で話したり、数人固まって話したり楽しい食事だった。
宏介は女の子に話しかけられ続けてちょっと困っていた。こっちに助けを求める視線を向けていたが今回はスルーした、ごめん。
あっちゃんは隣の女の子と話しを盛り上げながらも全体に話を振ったりこの会でも中心だった。
小石は香椎さんに隙あらば話しかけようとしていたが小幡さんにブロックされていて途中でコンビニにお使いに行かされたりしていた。
そんな中俺は食事に感動していた。恥ずかしいけど初めてビーフシチューを食べたのだ。隣の香椎さんに小声で聞いた。
『香椎さん、これってご飯にかけないの?』
『かけないよ。でもご飯に合うよ?パンでも美味しいよ♪』
『すっごく、すっごく美味しいね!』
『良かった!お世辞でも嬉しいな!おかわりあるよ?』
2杯目もペロリと食べた。もっと食べたい、、。そんな食い意地はった俺を見かねた香椎さんが声かけてくれた。
『立花くん、もう一杯おかわりする?』
『いいの?!』
『美味しいって言ってくれてお世辞かなって思ったけど本当に美味しかったんだね?』
『こんなに美味しいの初めて食べたよ!』
香椎さんはニコニコしながら3杯目をよそってくれた。本当に美味しい。人の家に来て食べ過ぎたかもって急に恥ずかしくなった。
その後ケーキを切り分けた。香椎さんがずっと隣に居るがこんなに話したことはなかった。人気者で可愛い香椎さんの周りには必ず人が居たから。
『立花くん、ケーキ食べられる?』
『もちろん!このケーキも美味しい!すっごい美味しい!』
『良かったー!喜んでくれて良かったよ!みんなもそう思ってくれたらいいな。』
『こんなに美味しいんだもん、絶対に喜んでいるよ!さっきも言ったけど俺こんなに美味しいの初めて食べた!』
香椎さんは照れながらいつもの2倍ニコニコしていた。
その後みんなでスマブラしたり、人生ゲームしたり、トランプをしながら楽しい時間を過ごした。スマブラは小石が一番強くて悔しかった。
そして最後のプレゼント交換の時間になった。
用意されていたくじを引いた。
俺は見事に香椎さんのプレゼントを引き当てた!
中を開けてみてって言われて開封すると大人っぽい手袋が入っていた。
『ありがとう、大事にするね!』
『喜んでくれたなら嬉しいな!』
その後香椎さんは俺のプレゼントを引き当てた。
シルバーの飾りが付いた薄いピンクのボールペン。結構良い値段がした。
『可愛い!結構高かったんじゃない?』
『ちょっとね、香椎さんのよくしてる髪留めに飾りが似てて可愛かったからこれを選んだんだ。』
『私のために選んでくれたんだね?嬉しいな♪ありがとう立花くん♪
‥?でも他の人にプレゼントがいくかも知れなかったよね?』
『全く考えていなかった。。』
恥ずかしくって真っ赤になってしまった俺を見て香椎さんは微笑んだ。
いつもの2倍可愛いって思った。
思えばこの時香椎さんを好きになってしまったんだ。
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その後の一幕
『立花くん、手袋使ってる?』
『大事に飾っているよ?』
『使ってよ!』
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プレゼント交換は女子に全部仕切られていてちゃんとそれぞれ意中の人のものが当たるように香椎さんと小幡さんに調整されていました。
『じゃあ、二人にはそれぞれあたりになるようにして‥。
立花くんの貰っていいかな?』
『いいけど‥私は小石のプレゼントかあ。』
小石のプレゼントは大きなマグカップで大きすぎて使えなくって小幡さんは小石にまたイライラした。
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