この恋は…叶わない…

かいとも

この恋は…叶わない…

 俺には好きな人がいる。

 だけど…この恋は…叶わない…

 だって…王女と平民には身分差がありすぎる…

 王女を見た時から一目惚れだった。

 そして今日は王女の18歳誕生日会がある日だ。

 毎日行きたい行きたいと思っていたが、今日初めて招待状を貰った。

 なぜこんな平民に招待状が来たのか分からない。

 だけど行ってみないと、なぜ招待されたのかもわからない。

 誕生日会は夜の19時で、今は朝の8時。

 クエストを受けに行こう。

 18時にクエストを終わらせようかな。


<ギルドへ>


 うーん。

 A以上の魔物討伐は5枚のみか…

 俺は受けなくていいな。

 俺が受けれるのは10枚以上の時だけ。

 他の冒険者のクエストを無くしてしまうらしい…

 まあ、A以上の魔物討伐受けまくってたもんな。

 今日も回復草を作っておこうかな。

 とりあえず…薬草と回復草のクエストを受けよう。


「すいません。

薬草と回復草のクエストを受けたいんですが」

「了解しました。

薬草は数の量で値段が決まります。

回復草も数の量で値段が決まります」

「了解しました」


 森の入り口近くは初心者さんや、お小遣い稼ぎの人が採るから、森の奥に行って採りに行きますかね。

 Aランク以上の魔物は討伐してはいけないから、Bランクの魔物が出てくる所に行きますかね。


<薬草を採り終わった>


 よし!100草か。

 少ないけどここの薬草を採る人達もいるし。

 これだけでいいでしょう!

 回復草は3/4魔力使いましょうかね。


<回復草を採り終わったのでギルドへ>


「すいません。

薬草を100草持ってきました」

「毎日ありがとうございます。

金貨1枚になります」

「毎日言っていますが。

お金はいりません。

今はお金に困っていませんので」

「それなら…毎日私だって言ってますよね?!

受け取ってください!薬草を無料でいただき。

アイルさんはタダ働きじゃないですか!」

「お金に困ってないのでいらないです!

回復草を作りたいので部屋を借りれますか?」

「はあ…1号室です」

「ありがとうございます」


 本当に俺はお金に困っていない。

 貴族様方よりもお金を持っている。

 Sランク討伐を受けまくっていた時の報酬がまだある。

 同じ冒険者達には「貴族にならないのか?」と言われている。

 貴族にはなれない。

 貴族と王族は神様方が与えた称号みたいな物だ。

 俺は国の為に働いてない。

 貴族と王族の称号を貰った方々は。

 国の為に働いていった方々だ。

 俺はそんな方々の称号なんて頂けないし、フミン様からなにも言われていない。


<フミン

 アイルが住んでいる国の神>


 よし!1号室についたし回復草を作りますかね。


<回復草

 回復魔法を土にうつことで生える草。

 回復草にランクがあり、アイルのランクはSランク。

 Sランクの回復草は、手足を繋げる事が出来るポーションを作れる。

 普通の怪我であれば、1滴怪我につけるだけで治る>


 よし!回復草全部採り終わった!

 ふー…腰が痛い!痛すぎる!もうマジ無理疲れすぎ…

 これもギルドの受付の人に渡しに行こう。


「すいません。

回復草採り終わったので、1号室の鍵と回復草です!」

「アイルさん…3/4の魔力使いましたね!?

てか絶対に使いましよね!おかしいですもん!量が!」

「そうですよ!それとお金いらないので!それでは!」

「ちょっと待ってください!アイルさん!行っちゃった…

フミン様に報告してやるー!」


 ふう…どうしようかな…まだ時間あるんだよな…

 家に帰って、誕生日プレゼント何にするか考えるか。


<王女の誕生日プレゼントを考える為に、アイルは家に帰った>


 あー!マジどうしよう…

 王女はいったい何が欲しいんだろ?

 高級な物?でも持ってるだろうな…

 高級な物意外なにあげたらいいんだよ…

 誕生日会に行く方々は何をあげてるんだろう…

 はあ…せっかく招待されたのにどうすれば…

 なにあげたらいいか分からないし、誕生日会に行かない?

 それは失礼すぎるだろ!あー!分かんない!誰か教えてくれ!


「アイル困ってるみたいだね!」

「フミン様!?どうしてここに!?」

「フミから報告を受けたんだよ。

アイルさんがお金受け取ってくれません!

何とかしてください!ってね」

「そうなんですか。

フミン様から言われても受け取りませんよ?」

「アイルはいつもそう言う。

どちらかが諦めなければいけない事。

しょうがない受け取らなくていいよ」

「本当ですか!?」

「本当だ。

そしてアイル、何か困っているようだったんだがどうしたんだ?」

「実は…王女様のプレゼント何にしたらいいのかなって…

何が欲しいかも分かりませんし。

高級な物は全部持ってそうだし。

何をあげたらいいと思いますか?」


 王女のプレゼントか…

 私に出来る事は少ししか無いけど、成功するでしょう。


「アイル、この魔石に触れてくれるか?」

「分かりました…」


 なんで魔石に触れるんだ?

 プレゼントに関係あるのかな?


<アイルが魔石をさわった瞬間。

 魔石は赤色の魔石に変化した>


「あの…この魔石は?」

「この魔石はな。

あなたを一生大切にしますって魔石だ」

「この魔石をプレゼントにしろって事ですか?」

「そうだが?」

「一生大切にしますってどういう事ですか?」

「ああ!そうだったな。

この魔石を受け取った人物が「助けて!」って思うと。

魔石をあげた者にその事を伝えるんだよ」

「そうなんですね。

ですが…王女様には近衛兵がいます!

俺の助けなんていらない気がしますが…」

「アイル、お前はフミン国の中で1番強いんだ。

この魔石を受け取った者は安心するんだぞ?

だから、これをあげなさい!

あと箱の中に入れておくよ」

「フミン様ありがとうございます!」

「それじゃあ私は教会に戻るわね」

「ありがとうございました!」


 あの魔石にはもう1つの意味がある。

 だが2人が喜ぶ意味だ。

 アイルに隠したまんまでいいだろう。

 今日の夜にその意味も分かるんだから。

 ああ、楽しみだ!


<そして19時になった。

 アイルはフミンから貰った魔石を持ってきている>


「どうもー!この国の神フミンだよ!

プレゼントは王女が1人1人受け取りに行くからね!」


 周りを見た感じ、俺以外の平民はいないんだな…

 周りには、貴族と他の国の王家の方々がいる。

 速くプレゼントを渡して帰りたい…


<アイルが速く帰りたい理由それは…周りからの声だ。

「なんで平民がいるの?」

「だれよ!平民を招待した人!」

「誰も招待してないよ!きっと入り込んで来たのよ!

堂々していればバレない!って」

「王女様の誕生日会を汚さないでほしいわ!」

「確かあの平民…貴族より金持ってるって噂の奴じゃない?」

「調子に乗ってる平民か」

 アイルに聴こえるように半数の貴族は言っている。

 だが、アイルに聴こえるなら。

 フミン、王家の人達にも聴こえている>


「アイルさん初めまして」

「王女様初めまして」

「王女様は辞めてください。

私にはミマという名前があります」

「承知しています。

ですが、王女様と呼ばせてください」

「分かりました。

好きに呼んでください」

「今日はお誕生日おめでとうございます」


<アイルはそう言い、魔石が入っている箱を渡した>


「ありがとうございます!開けていいですか?」

「はい!大丈夫です!」


<王女が箱を開けた時に周りから。

「おめでとう!」

「ふざけんな!」

 という声があがっていた>


 どういう事だ?なんでおめでとう!とふざけんな!って言われているんだ?


<王女とアイルの所に10人以上向かってきた>


「平民のくせに!王女様に結婚申し込みするな!」


 は?結婚申し込み?どういう事?フミン様になにも言われてないよ!


「そ…それでは」


 速く帰らないと…

 どういう事だよ!フミン様…

 結婚申し込みの魔石なんて聴いてないよ?

 王女様にきもがられてる!絶対!


「なんで帰るの?アイル」

「なんで帰るの?じゃありません!フミン様!

結婚申し込みの魔石なんて聴いてません!

俺は帰ります!」

「なあアイル。

貴族と王族はなんだ?」

「なんですか!速く帰らせてください!」

「答えろ!」

「神から与えられた称号ですか?」

「そうだな。

私達神は地へと舞い降り。

そして国を作った。

だが、国をまとめる者達が必要だった。

だから、民達と誰が国をまとめる者にするか決めたのだよ。

それが時はたち、貴族王族となった」

「それがどうかしたんですか?」

「まだ分からんのか?

貴族王族と平民では身分差がありすぎる。

だからこの恋は叶わないと思っている。

私が与えた称号は誰も持っていない。

称号を持った者の子供として産まれただけだ。

平民の事を嘲笑い。

国の為に働かない奴の言葉を聴くな!

アイルお前は誰が好きなんだ!

王女…ミマの事を普通の女性としてみろ!」


「王女様…いや。

ミマさん!俺と付き合ってください!」

「喜んで」


 え?今…喜んでって言った…嘘…じゃないのか?…


「これは夢でも嘘でもない。

ミマはアイル、お前の事が好きなんだ」


「ふざけんな!王族と平民は付き合ったら駄目だ!」

「そうだ!そうだ!」


<よく思っていない者が、この会場で半数いるみたいだ>


「よく思っていないゴミ貴族どもよ!

貴族と呼ばれているのは、先祖の方達のお陰なんだぞ?

貴族の家計に産まれた、ただの人間だぞ?

貴族の家計に産まれなければ、平民だぞ?

お前達はなぜそう育ったんだ…

よく思っていないゴミ貴族どもは、貴族という物を剥奪する!

お前らが嘲笑っていた平民にさせてやる。

よく思っている者達よありがとう。

新しい夫婦に盛大な拍手を!」

「夫婦じゃありません!フミン様!」

「夫婦じゃありません!フミン様!」

「何を言っている?お前らは両想いだ!

すぐに夫婦になるだろう!」


<ミマがアイルの事が好きだったのは。

 国の為に誰よりも働いている姿をみて、アイルが好きになったみたいです>

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この恋は…叶わない… かいとも @kaitomo

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