カノとウェロウ
ウェロウとカノは、翌日、医者クロベーの元を訪ねていた。
カノ「本当に“ソレ”役に立つのよね」
ウェロウ「ええ」
カノ「なんで今までだまっていたの?」
ウェロウ「私には荷が重すぎたのよ、それに、タイミングがあると思って」
カノ「まあいいわ、私だって、あなたに秘密にしていることの一つや二つ」
ウェロウ「何の話?」
彼女らが話ながら、やがて地下の診療所へたどり着いた。護身用の銃を大事にぶらさげていたせいか、物取りにもあわなかった。
時間は夕方ごろで、クロベーは先日と同様に診療所を閉じて、二人を案内した。
クロベー「で、それの中に何が入っているって?」
ウェロウ「"驚くべき真実"そうメラスはいっていたわ」
クロベーはアゴに手を当てて考える。
「それを見た場合、私にどんな不利益があるか、分析したこと自体がやばい品物かもしれない、何しろメラスはこの前抹消されたからな」
窓際にもたれかかっているカノが口をはさむ。
「別にいいんじゃない?それとも、お金がたりないっていうの?私はいくらでも……」
クロベー
「はあ、そういう事ではない、ともかく見よう、それから、君たちに"護衛手段"でもあれば、私の持てる限りの力を使って助けよう、それでいいか?カノ君」
「いいわ」
真顔で、かわいらしい顔を少しゆがませてカノは答えた。テーブルに置かれたのは、ウェロウが"メラス"からうけとった三角形のデバイスだった。その端末を最新鋭の四角いティッシュ箱ほどの映像投影機器に移す、それはクロベーのものをかりた。そこにはホログラム映像が映っていた。
「まずこの映像を君に残したのは他意はなく、彼の正義に敬意を表し――あなたの正義を信じるためです、ウェロウ、立派な警官の妻である君の正義を」
そうして徐々に語りだす。そこには生前のメラスの姿だけが映し出されていた。
「これは、ある仮説です、ですがこの仮説が正しければ、あなた方は私の残したウトレバーの欠片"エイド"だけではなく、あなた方の存在そのものが狙われる可能性がある……そして私はCROWに仲裁をもとめたが、件の機関も最近怪しい噂がある、人工知能の更なる飛躍と推進を求め、人間に敵意を持っている者たちが多いと……前置きはさておき、ウェロウ、これから残酷な真実を話すわ、あなたの"夫"は"殺された可能性が高い"」
呆然自失のアンドロイド・ドール ボウガ @yumieimaru
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