3 『小さい頃に、会ってたからだよ』

 鬼ごっこが始まった。みんな、最初はどこまでいっていいのか分からずに近くで逃げ惑っていた。


 けど、一人が少し遠くへ行き出すと皆もそれにつられて行くもので。俺はついに岩陰のところまで来てしまった。


 ちなみに、今の鬼は染井さん。まだ見える範囲にいる海斗と望月さんを狙っている。


 俺は、多分見つからないだろう。だってここって、注意はされたけど禁止はされてないから。


 ……なかなか安全なんじゃないか?


 なんて思って岩陰に身を潜めていたものの、暇だ。めっちゃ暇だ。


 もうちょっと先に行ってみるのもありかもしれない。一応、ここの向こうもこの海の範囲だろう?


 勇気を出して一歩踏み出してみると、そこは誰も人がいない幻想的な場所であった。


 なんか、洞窟みたいな?


 ………面白そうだ。中を探検してみよう…


「えー?ここどこなんだろう…?」


 ……え?結城さんの声じゃね?これ。


 あ、姿が見えた。鬼じゃないといいんだけど…。


「あ、結城さん。奇遇だね。」


「ひゃっ!?あーびっくりしたー。湊くんか。よかったよかった。」


 ここの洞窟ってそんなに怖くねぇと思うんだけどなぁ…。どっちかって言うとパワースポットって感じだし。


 けど、怖かったなら俺がいてよかったんだろうな。


「……そういえば。結城さん、鬼じゃないよな?」


「鬼じゃないよー。鬼だったらもっとわかりやすいとこにいる人捕まえてるし。」


 ……確かにそっか。良かった良かった。


「あのさ、ここの洞窟、なんか神秘的じゃね?」


「わかるわかるー!きれいだよねー。」


 結城さんも、この綺麗さがわかる人だったのか。

 素晴らしい。


 その後、なんとなくこのきれいな情景に見とれてしまっていた。疲れていたこともあってか、ほとんど話すことはなかったが。


 けど、なんで結城さんがこんなに俺と仲良くしてくれるのかは気になるな。


 全然いやってわけじゃないしむしろ嬉しいんだけど、なんか気になって仕方がない。


「結城さん。どうしてさ、俺とこんなに仲良くしてくれてるんだ?」


「………嫌だったの?」


 ……誤解させてしまった。そりゃそう思うか。全然嫌ってわけじゃないんだけどな。聞き方が悪かったか。


「全然いやってわけじゃないし、むしろ嬉しいんだけど、俺、なんか結城さんを助けるようなことしたっけ?って思って。」


「………聞きたい?」


 ……そんなに重要なことなのだろうか。


「そりゃあ、聞きたいけど。」


「………うーん。わかった。私が、湊くんと仲良くしてる理由はね…?」







 ……え?マジで?そういえば、俺の義妹の名前も「はるな」だったよな。


 ……もしかして、そういうことだったりするのか?


「……そうだったのか。」


「うん。そうだよ。?いつ会ってたかは、自分で思い出してほしいな?」


「……わかった。今まで気づかなくてごめんな?」


「ってことだから、これからもよろしくね?」


「……おう。」


 それにしても、意外だった。俺と結城さんが、昔に会ってただなんてな。


 ってか、もしかしたら義妹なのかもしれない。そういうところも調べてみたいな…。


「じゃあ、向こうに戻ろ?多分もう終わりーってなってるでしょ??」


 ……ってことで、元の場所に戻ることになったけど、俺、この先義妹かもって思ったら平常心でいられないかもしれないんだが!?





_______





はい…。


作者、中3であるので、小説を書く時間がなかなか取れません…。


受験勉強をしろ!という親からの圧もなかなかあってですね…。


なんとかこの作品は毎日2話投稿していきたいと思っているんですが。


もしかしたらできなくなるかもというのを知っておいていただけると。


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