2 ナンパを撃退する美女三人衆

「なぁ…悟、海斗。これ、俺たちが早く着替えないとあいつら、ナンパされるんじゃないか?」


 どんどんと悪い予感が大きくなっていく中で、こいつらはどう考えているのだろうかと思って聞いて見たのだが…。


「まぁ大丈夫だろ。」


「女子の着替えって長いし、大丈夫じゃね?」


 確かに、ナンパって高校生じゃあんまり実感がないかもしれないけど、こういうときって大体悪い予感が当たるんだよ…。


「まぁ、早く行くに越したことはないだろ?行くぞ!?」


 心配症じゃないかって?いやいや。こいつらの危機感がなさすぎるんだろ?自分の彼女がナンパされそうってのに、こんなに楽観的なのがな…?


 なんて考えながら颯爽と着替えを終わらせて外に出てみると、案の定。二人組の男に声をかけられていた。


 助けないと、と思ったのだが、なんか、彼女たちの方が男たちを打ち負かしそうなんだけど?


「だから私達は連れがいるって言ってますよね?」


「人目が気にならないんですか?本当に迷惑です。」


 ……強。俺の友達さん、めちゃ強いです。これが俺に向かないようにしないとな。


 こんな感じで男たちがどんどん押されていたところに、結城さんがトドメの一言。


「あんたたち、こんなところでナンパなんてしてるから彼女の一人もできないしナンパすら成功しないのよ。まず、自分磨きから始めたほうが良いんじゃない?」


 こんなキツいことを言われ、さらに長い間押し問答をしていたからか、周りの人達も男たちに軽蔑の視線を向け始めた。


 そんなことを言われてしまっては居座ることはできなくなったのか、男たちは悔しそうに拳を握ったあと、顔を赤くしながら去っていった。


「さっすが彩花たち。ナンパの撃退はお手の物だな。」


「いや、早くあんたたちがきてくれたらこんなことにはなってなかったんだけど?」


「湊はナンパされるかもって言ってたんだけど、俺は彩花を信用して……」


「それはただの丸投げでしょ!?」


 あれ?こんなに仲いいカップルでもちっさい喧嘩ってするんだな。


 こういうのって、仲裁とかに入ったほうがいいんだろうか?


「まぁまぁ結果オーライってことでいいんじゃない?湊くんが行動イケメンってこともわかったし。」


「「はーい…。」」


 ……なんか急に俺の株が上がった気がする。


 嬉しいんだけどね?なんか海斗と悟が良くなかったってだけだし。


 その後、仲直りし、6人で仲良く拠点をたてて、ついに海に入ることに。


 そんなに人がいなかったので、人の海に入るってことにはならず、ちゃんと水の海に入ることができた。


「なぁ!海で鬼ごっこしねぇか?」


「どうしたの?急に。」


 あぁ。海斗が喋るとすぐに染井さんが反応するの、やっぱりカップルって感じするよな。


 それはさておき、海で鬼ごっこ、いいんじゃねぇか?やったことないし、面白そうだ。


 と、言おうとするが、俺が言う前に


「いいよいいよ!やろう!!」


 結城さんが賛成の意思表示。


 一人が意見を言うとそれに乗っかってくのが人ってもんで。みんなで鬼ごっこをすることが決まった。


「じゃあ、この海全部な!?ちょっと広いし、岩陰とかもあるけど、まぁダイジョブだろ。」


 ……岩陰、か。そこに隠れてみるのも面白そうだ。


 鬼はじゃんけんの結果悟に決まり、ついに鬼ごっこが始まった。





 _______






 鬼ごっこ。岩陰があるらしいです。これは、はぐれるフラグが立ってますねぇ…。


 誰とはぐれ、どんな話をするのか。次は、けっこう大切なお話です。




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