7 心陽、逆ギレ
「思った………!思ったよ!!けど……、おじさんから巻き上げたお金を、湊のために使おうって思って…。」
……つくづく、呆れる。どうしたら、こんな思考ができるのだろうか。理解ができない。
彼氏ができたのに、援助交際をやめなくて。
しかも、それで稼いだ金で俺に貢ぐ?ありえねぇ。そんなんでおれが喜ぶとでも思ったのか?
「小野田さん。湊さんに申し訳ないとか思わなかったんですか?」
「………思ってました、けど、さっきも言ったように湊に貢いだら、って思って。」
「……そうか。もういいよ。お前が救いようのないってことはわかったから。今もこうやって言い訳ばっかり並べて、謝罪の1つも出てこない。どういう頭してんだ?お前。」
悪いことをしてしまったら、謝罪をする。こんなこと1つすらできないようなやつだったのか。
もう、言い訳も聞きたくない。時間の無駄だ。さっさと終わらせよう。
「……ごめんなさい…。どうか、許してくださいとは言いません。けど、学校とかには言わないで……。」
ほお。来たな。これこそが、俺の望んでいたシナリオだ。ってかこれ、本性現す前の最後のいい子ちゃんだろ?
学校バレをしないって約束したのち、学校バレ、友達バレ、警察バレ。全てしてやって、あいつを終わりにさせる。
期待させてから、落とすんだ。さぞ苦しむだろう。ざまあみろ。
「……そうだな。言わないでおいてやるよ。いいよな?陽菜。」
「……えぇ。」
「っていうか、なんでこいつがしれっといるのよ!湊こそ浮気してるんじゃないの!?」
……うわ。逆ギレだ。いや、まぁ俺だってある意味浮気してるのだが。
「陽菜には、お前の援助交際の証拠集めを手伝ってもらっただけだよ。」
「嘘だ!名前で呼ぶなんて、絶対親密な仲なんだ!」
「……そうだな。お前との仲よりは、絶対親密だよ。」
「……っ、くそーっ!まぁ、いいわ。学校とかに言わないって言ってくれたし、援助交際続けてアホな男たちから金をいっぱいとってやるんだから。」
……つくづく、懲りないんだな。俺たちの嘘も見破れずにそのまま信じてるみたいだし、どこまで行ってもおめでたい頭だよ。
「とにかく、もう俺たちには関わらないでくれ。」
「わかったわ。私は金を稼ぐから、せいぜい湊はそこの女とイチャコラしときなさい?」
「……そうするよ。」
……いつまで、金を稼げるんだろうな。その余裕の顔が、絶望に変わるのを楽しみに待ってるよ。
「じゃあ、帰るわ。彼女がいるのに他の女と仲良くなるようなやつとは、もう話したくないし。」
……どうして俺が、こんな奴にこんなに言われないといけないのか。そもそもの原因はお前だろうが。と、怒りをぶちまけそうになったが、
「……一個だけ忠告しといてあげますね?」
「何よ。ボッチ女。」
「あなたの相手の男、ヤクザのおえらいさんがいるらしいですよ?もし、私達がチクったら、どうなるんでしょうね。」
「…………」
「おい。早く帰れよ。おれとはもう話したくないんだろ?」
「…………」
あいつは、陽菜に忠告()を受けた瞬間に、途端に静かになって、何も言い返すことなく帰っていった。
はは。おつかれさまでした。ざまあみろ!
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