5 復讐劇直前
木曜日。ようやく、あいつに復讐ができる日だ。
とはいっても、表面上は、援助交際の証拠を突きつけ、俺との関係を断ち切らせるだけ。
表面上は、だが。
話し合いのときは、秘密にしといてやるとか優しい言葉をかけておいて、裏で暴力団のとこと、警察、それに学校にチクるという、一番あいつにダメージが行きそうな方法をとってやるのだ。
ということで、
『心陽。今日の放課後、俺の家に来てくれないか?ふと急に一緒に過ごしたいなって。』
『いいよ?楽しみ!!』
はぁ…。もうこいつの連絡先も、使うことはなくなるんだろうな。
もう今は、清々するよ。
_______
学校では、相変わらずあいつの彼女のふりをするだけ。けど、これだって今日で終わりなのだ。
「……なと。湊。」
「なんだよ。」
そっけない態度を取っているのは自分でもわかっている。これで、本当に彼氏のふりをできていたのだろうか。あと少し、バレないでいてくれ。
「あのさ、今日の、放課後って、何するの?
………まさか襲いたくなった?」
耳元での、猫なで声。なんで、いきなりそんなんするんだよ。
うぷっ…。気持ち悪い。
「え?湊。ついに襲うのか!?」
……悟さん。大声で言うのはどうかと思うよ?もうどうだっていいけど。
「……そういうわけじゃないけど…。」
「ほーん。ま、頑張れよ。」
いやだから勘違いしてるんだって。
「そうなんだぁ…。……湊、優しくしてね?」
「………」
まぁ、優しくする気は毛頭ないがな。いつまで、その期待感に満ちた目でいられるのか、見ものだな。
_______
私のクラスには、みんなが公認しているカップルのような人達がいる。
いや、カップルっていうよりは夫婦の方が近いかも?
彼ら、あまりに人の目を気にせずイチャイチャするから、周りから羨望の眼差しで見られてる。
私も、その一人。
けど、私の場合はイチャイチャしてるのが羨ましいってわけじゃなくて。
実は、私、彼のことが好きなんだ。
今までは、どうやってもあの二人に付け入る隙なんてないって思ってた。
だから、遠くから見ていただけだけど、最近、彼らの様子がおかしいの。
なんか、喧嘩したみたいな??
もしかしたら、私にも付け入る隙が出てきたのかもしれない!
けどまずは、彼と話すことから始めないと。
ほら、今だって、彼。いつもなら小野田さんとイチャイチャしてるのに、今は見ようともしてない。
彼、本当に何があったんだろう。
「春菜ー!?また彼のこと見てるの?ほら、他のクラス行こーよー。」
「あ、大声で言わないでよ!行くからー!」
むぅ………
どうにかして彼と話したいんだけどなぁ……
_______
「で、湊さん?いつ来るんですか?あの人は。」
「あー。もう少しだな。ちょっと遅れて来てくれって言ってるから。」
準備のため、と言ってある。何の準備か、は言っていないが。
「本当、準備終わったので早く来てボコボコにしたいんですけど。」
「まぁまぁ待てって。それよりも、学校に証拠は送ったのか?」
「送りましたよ?送るべきところ、全てに送ってやりました。ヤクザの組長のお宅にも送ってやりました。完璧です。」
流石、仕事が早い。
……もし、もしも、ヤクザの方々が動いてくれなかった場合には、あいつは警察からの事情聴取と学校バレくらいか。
なんか、物足りなくね?友達にも言うか…。
あ、けど結局学校でちょっとした騒ぎにはなるだろうし、どうせ友達バレはするかぁ。
_______
ピーンポーン。
あれから5分。インターホンが鳴り、恐らくあいつが来たのだろう。
「はーい。」
できるだけ平静を装って返事をし、玄関口へ。
今日で、あいつとおさらばするんだ。
覚悟を決めて……。
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次の目標は星200です!
今日もこのあと、夜8時にも投稿するので、!
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