4 復讐劇、下準備
自分の部屋に入ると、突然陽菜が俺にキスをしてきた。
「………ッ。どうしたんだ…?急に。」
「だって。私はもうお義母さんに彼女って認められましたし。私、手繋げなかったのすっごく悲しかったんですよ?ちょっとくらいよくないですか?」
「……そうだな。いいよ……ッ…」
陽菜って意外と愛が重いよなぁ…別に嫌ってわけじゃあないんだけど。
また、キスをする。今度は、舌を入れてきた。
「ん……」
何分経ったのだろうか。陽菜が、やっと離れた。
ぷはぁ…苦しいな。息するのを忘れてた。
「湊さん……」
「い、いや。だめだ。お母さんがいるから。今は、我慢だ。今日は、陽菜のお父さんが調べてくれた情報を話すんだろ?」
「それはそうですけど……」
「……もう、それ以上は。俺の、理性が……」
本当に、これ以上は爆発しそうになるから……
こんな、親がいる前ではできないんだよ…
「……わかりました。ふぅ……」
「次は、最後まで行きますからね?」
耳元に、吐息の混じった声。背筋がゾクゾクっとして、慌てて陽菜から距離を取る。
「あは。湊さん、耳、弱いんですか?」
「……本当に、やめてくれ。限界なんだ…。」
どろどろと。俺の理性を溶かしてくる。俺だって、男なんだ。限界ってものがあるんだよ。
そして、今はそれを越えることができない。
「……少々いたずらし過ぎちゃいました。さぁ。私の父が取ってきた証拠、見ましょうか。」
見たいよ。見たいけど、今は。
「……ちょっと、ちょっと休憩させて……」
「じゃあ、一緒に寝ますか?」
「一人だ。今は、一人にさせてくれ。落ち着かないと…。取り返しがつかなくなるだろ…」
_______
「陽菜。もう落ち着いたし、取ってきてくれた証拠、見るか?」
「……そうですね。まず、私達が確認した通り、相手は5人でした。」
「ってことは、俺入れて六股ってことか?あいつ、ほんとに馬鹿なんだな。」
あんな女に引っ掛けられた俺も、本当に馬鹿だったんだな。
「えぇ。そしておそらく、これは「援助交際」だと思います。これを見てもらえればわかると思うんですけど…。」
そう言って陽菜が出してきたのは四枚の写真。そして、その全てが男からお金を貰っている写真だった。
「………」
「あの人は、犯罪行為に加担している様なものってことです。一緒にホテルに入っていたので。売春って言い方のほうが正しいのかもしれませんけど…。」
本当にその相手のことが好きだったならほんの少しは納得できる部分があったかもしれないが、ただ自分の体を売っているだけの女には、同情のかけらもない。
「……そうか。絶対潰す。それで、相手の男たちはどうなんだ?」
「そうですね…。四人は一般の男だったので、警察に突き出してもその相手が逮捕されるだけかも知れないんですけど…。………まぁ、逮捕されてもすぐに出てくるんですけどね。」
そこで一度言葉を切った陽菜は、次に衝撃的な事を告げた。
「最後の一人が、ヤクザのおえらいさんなんですよね。」
「それってどういう…。」
「つまり、相手の男を警察に突き出すと同時に、その相手のヤクザに小野田さんとおえらいさんが一緒にホテルに入っていく様子を送ってやれば、小野田さんに理不尽に復讐が行くってことなのでは?って思ったんですよ。」
たしかに、ヤクザって少々あれだし、逆恨みして組員があいつのことを襲うかもしれない。
流石に殺人にまではしないだろうけど、死なない程度に痛み目見させるくらいは普通にしそうだもんな。
「湊さん…?復讐するって決めたんですよね?」
「……あぁ。」
「これが、完璧だとは思わないですか?」
傍から見れば、やりすぎと思われるかもしれない。けど、これも全てあいつが引き起こしたことなんだ。
「そうだな。けど、ヤクザの方々が動いてくれるかどうかはわかんないんじゃないのか?」
「……いいえ。絶対に動きます。」
………そんなに断言するならそうなんだろうな。
「じゃあ、その案で行こうか。」
「わかりました。これで、ようやく別れることができますね。あの人と。3日後くらいでいいんじゃないですか?できるだけ早いほうがいいでしょうし。」
三日後…。?金曜日か。
「いや、明後日にしよう。それで、その日のうちに学校にも通告してやるんだ。金曜日だったら、月曜日までまたないといけないだろ?」
「たしかにそうですね。じゃあ、明後日ですか。準備、しておきますね。」
復讐の舞台は、整った。あとは、
……頑張らないとな。陽菜の、ためにも。
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