3 陽菜と俺の母親の対面
その後。陽菜との初デートはつつがなく進み。
俺にも、陽菜にも幸福感が溢れた。デートって、こんなにも楽しいものなんだな。
「じゃあ、また明日な。」
「ええ。また明日。」
_______
月曜日は、何事も起こることなく学校を終え、火曜日に。
今日は、陽菜が初めて俺の家に来る日だ。彼女を、家に呼ぶってこんなに緊張するのか…
大丈夫かな…?お母さん、なんか変なことしないかなぁ…?
「湊さん!すみません。遅くなって。」
「いやいや。大丈夫、俺も今来たとこだし。じゃあ、他の人にバレる前に、行こうか。」
今待ち合わせをしていたのは、人通りの少ない公園みたいなところ。
人が通ることは少ないものの、万が一があっては困るからな。
だから、外では手を繋ぐのも封印。え?前の繁華街デートのときは手を繋いでたじゃないかって?
いやいや、?ね?人って、我慢出来ないときもあるじゃん?まぁあいつ以外には見られてなかったからオールオッケーだよ。(?)
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俺の家は、まぁまぁ普通の一軒家だ。陽菜の家みたいに広いわけじゃないけど、特段狭いってわけでもない。
……まぁ、この家はお母さんの親、俺の祖父母が建ててくれたんだけどな。
「……湊さん。緊張します。」
「大丈夫。そんな、怖いことはしないから。俺の母さん。気楽に行こ?」
「いや…そういうわけではないのですが…
まぁ、わかりました。」
家の中に入るが、母さんが出てくる気配はない。
まぁそりゃそうか。俺の母さん、シングルマザーでバリバリ働いてるしな。
ちなみに、俺の母さんはバツ2だ。俺は、一人目の旦那さんとの子供。けど、俺が生まれてすぐに別れたらしく。
二人目の旦那さんとは、俺が六歳くらいのときに離婚した。
二人目の旦那さんには、連れ子がいて。確か名前ははるなとか言ってたような…?もうそんなに記憶がないんだが。
その子とは、子供ながらに結婚の約束とかもしたのだが、親同士が分かれるとともに子供同士も別れてしまった。元気にしているのだろうか。
「……湊さん?入らないのですか?」
「あっ。ごめんごめん。」
陽菜と一緒に、中に入る。
「ただいま。」
一応、あいさつはしとかないとな。もしかしたら家にいるかも知れないし。お母さん、だいたい仕事だけどたまーに知らないときに休み取ったりするからなぁ…。
「うん。おかえりー。………え、?その子は…?」
そりゃあ驚くか。突然女の気配がなかった息子がこんなに美人な女の子を連れてきたんだもんな。
ってか。なんで母さんがいるんだ!?
「はい。私、湊さんとお付き合いさせて頂いてます、唐沢陽菜です。」
「あら!そうなの…その子がね……陽菜、ね………」
「うん…なんでそんなに微妙そうな反応なんだ!?」
「そうかしら?微妙な反応をしたつもりはないのだけど。すっごく可愛い子じゃない。」
いや、どう聞いても微妙な反応だっただろうが。
「えへ。ありがとうございます。」
おいおい。陽菜って今までに「えへ」なんて言ってたか?と、これは聞かないとな…
「母さん!?なんでいるんだよ?仕事は?」
「あら?言わなかったかしら?今日は半日で帰ってくるって。まぁ、私は何も聞かないし聞こえないから。お好きにどうぞ。」
「いや!なんもしねぇから!」
「あらそう。まぁいいわ。陽菜ちゃん。息子をよろしくお願いします。」
いや…、なんで残念そうなんだよ?
「いえいえ!こちらこそ、湊さんには救ってもらってるんです!」
「なら良かったわ。湊、大切にしなさいよ!?」
「わかってるよ、もちろんだ。じゃあ、陽菜、行こうか。」
「……はい。」
良かった。あいつのことは聞かれないみたいで。俺の母さん、あいつの母さんと仲いいみたいだし。
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