1 本当に好きなのに…
「ねぇねぇ、手、繋がない?」
うっ…。まぁ当然そうだよな。つきあってしまったんだし。けど、誰が好きでこんなやつと手を繋がなくてはならないのか。
どうせ、昨日の夜はあの男とヨロシクしてたんだろ?どうせその汚い手も使っていただろう。本当に不愉快だ。
本当なら今すぐにでも罵声を浴びせてしまいたい。けど、
「いいよ。俺たち、付き合ってるんだもんな。」
まだ別れを突きつけられないから、受け入れなければいけない。
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嫌なことは時間がすぎるのが遅く感じるってのは本当にそうで、今日の登校中はいつもの5倍くらい長く感じた。
ようやく学校につくも、悲しいことに俺とあいつはクラスが一緒なのだ。
だから、クラスの中に入ってもくっついて来るのかなぁ…?と思っていたのだが、あいつはあいつの友達と話に行ってくれた。
もしこれが何も知らない状態だったら不満だったかも知れないが、今なら大いに結構。
既に一日の体力の半分以上を使いながら自分の席に行くと、友達たちが話しかけてきた。
「湊?どうだよ?初彼女ができた感想は?」
こいつは九条悟。普通にいいやつなんだが、今は俺の気分が良くないからイライラしてしまう。
「最あ……最高にハッピーだ!けど、絶対に他の人には言わないでくれよ?」
「分かってるよ、……そうかそうか、良かったな。せいぜいクラスでイチャイチャしないでくれよ?まぁ今までもしてたみたいなもんだが。」
イチャイチャするわけないだろうが。あんなビッチと。
その後も、休み時間のたびにあいつが俺のところに来たり、ご飯のときも一緒に食べようとしてきたりと、本当に鬱陶しいことばかり。
恥ずかしいんだと言って逃げたが、こんな嘘でいつまで逃げれるかもわからない。
そして、浮気されたというショックで頭がおかしくなりながら学校を過ごし、ようやく一日が終わりまで来たのだが…
「湊?一緒に帰ろーよー。」
来た。行きはなんとか我慢したが帰りは本当に無理だ。まじでこれ以上一緒にいたら殴ってしまいそうなくらいに。
「……ごめん。今日は委員会の用事があるんだ。」
「そっかぁ…。じゃあまた明日ね~。バイバイ。」
委員会入っててよかった……。本当は仕事なんてないけど、こういうときにごまかせるのほんといいな。
けど、仕事と言ってしまったので、早く帰ることはできない。
はぁ…一回も行ったことないけど図書室とか行ってみるか…
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私が、小学校の時から仲が良かった彼、田上湊から告白されたのは昨日のこと。
まぁ昔から仲がいい友達だったし、なんか気づいたら好きになってたから、告白されたときは結構嬉しくて付き合った。
けどさ、なんか付き合った瞬間に湊の態度がおかしくなったんだよね。
もしかして、私が援助交際をしてるのがバレたのかしら。いやいや、そんな、付き合ったその日にバレるなんて。バレるならもうすでにバレてるだろうし。
じゃあどうしてなのよ?私、本当に湊のことが大好きなのに……。
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次話では、真ヒロインが登場です!
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