第6話 最後一年、思い残すことがないように

年度初め二週間は分散登校で始まった。一週間目と二週間目で午前と午後を入れ替えて行われた。分散なのでクラス人数は半分。その分全員居る時より静かに思えた。この時には長い休校期間もあり、いじめられたことに対するダメージはマシにはなっていた。しかし、マシになったと言っても、受けてしまったダメージの傷は決して癒えることはない。それだけは分かっていてほしい。


二週間後、分散登校期間が終わり、全員が集まっての授業が始まった。

全員が集まると、当然ながら初見さんが居る。初期席は出席番号順で組まれている。自分の席に座ってみると、悲しくも前後左右知らない人たちだった。席替えまでの少しの間だけれど、これには正直「終わった」と思ってしまった。名前も性格も知らない人たちと接するのは当時の僕には無理があった。とりあえず、その席で、前期の班が決まるまで過ごした。この期間、特にこれと言って問題は起きなかった。


ようやく席が前期用に変わった。僕の前期の席は窓側で黒板側の角席。先生の机が目の前にある状況。言わば特等席。と言っても、そんなことする勇気は無い。


前期に僕は係的な意味で何班に入っていたのか覚えていない。単純に忘れているだけと思いたい。


中学三年生となれば、進路について考えなければならない。また、進路実現に向けた毎日の授業や、家での受験勉強が大切になってくる。僕は頭の良い部類には入らないけれど、自分なりに頑張った。(そしてこの小説を書いている今、志望した高校に通えている。悲しくも、落ちこぼれになるのかな?)

授業も勿論大切だったが、この中学校で過ごすのはあとこの一年しかないので友達関係は大切にしようと思った。

勿論、自分の心の健康を最優先に。

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