第3話 壊された日常

何も解決しないまま中学二年に僕は進級した。クラスが変われば当然知らない人も居るし、知っている人も居る。前期の班の構成は半々だった。何なら、保育園の時に一緒だった人が居た。

……

………今こうして思い出しながら書いているが、この頃の事を上手く思い出せない。それだけ当時が苦しく、精神に相当な負荷がかかっていたんだろう。

先に言おう。

僕はこのクラスの女子からいじめを受けていた。

悲しいが発端は覚えていない。けれどされた事は何となく記憶にある。


いつからだったかな…?

気付いた時には僕の班の『班長(女子)』と『それのオトモダチ』に避けられているような気がした。事実避けられていた。もう嫌だ、またリーダー格のヒトだよ…。

しかもその班長、冒頭で言った保育園が同じだった子。六年も会ってないから忘れていたけれど何かね?

避けられていると分かってから、だんだんとそれはエスカレートしていった。

ひとたび廊下ですれ違えば、僕を中心に円を描くように通り過ぎて行った。

また、別の行動ではあるが、僕に対する陰口を叩いているような仕草を取っていた。というか、実際叩いていた。


行動で示されると、ショックだし、何より悲しい。陰口を耳にすればたちまち悲しくなる。だけど、それは表には出さなかった。これらの行動をとった時の彼女らの顔は、笑っていた。正直言って怖かった、訳が分からなった。毎日ずっと。


人一人を複数で傷つけておいて楽しいのかよ。はいはいそうですか。僕は何一つ楽しくない。お前らのせいで学校すら楽しくないんだ。強いて楽しめたのは部活だけだった。一年の時も、二年の時も。もうやめてほしい。そんな心の中の気持ちを出す勇気がその時の僕には無かった。だんだんと彼女らに向ける思いに怒りが増えていく。


書いている最中。

(「あぁぁ!!もう!!!記憶は薄いのに何でこうもイライラするんだ!?」)

記憶は薄くとも怒りや悲しみだけは今も健在らしい。


僕の席の横が例の班長で僕の周りに班長のオトモダチの席が。このような地獄みたいな状況で心に日に日にダメージが蓄積されていく半年を過ごすことになった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る