06 記録と記憶
「私、やってません!」
「じゃあなんで
「わかりませんよ。
でも在庫確認は、
「いや、昨日確認したときは
ちゃんとあったんだよ!」
商品の
入荷して注文を受け付けたが、
発送の段階で欠品が起きる
もしくは単純にエラー。
これを
そんなときがあれば俺を呼び出してと、
受注担当の先輩社員らに頼んでおいた。
今回は、丸井
あんなに
方向性が間違っているけどな。
職場の割り当てそのものが間違いなのだ。
しかし俺はホッとした。
「殴り合いが始まってなくてよかった。
で、どうしたんですか?」
「この新入りが
「私が取ったって、
「逆ギレするな!」
在庫管理の
問題を無視してきた会社にも責任がある。
「
「なに!」
「あれ。」俺は
天井に貼り付いた白色の機器。
機器の中央には半球状のレンズ部分が見える。
照明器具ではない。
以前、
パートが大量に
「なんだと思います?」
「もしかして、カメラ?」
丸井
「何度もおんなじトラブル起こして、
僕が無視してると思います?
さきほどまでの
俺を嫌っているだけなら普段は
なにも
「で、これが
このスマホからでも見られるわけですよ。
そりゃ
大事なウチの商品ですからね。」
動画を開こうとしたが、
鬼の
「あっ!」
「知るか! こいつがやったんだよ!」
「そうやって
スマホにしか動画がないと思って。
クラウド保存されてるんで、
「チッ!」
なにかを言うのを待ったほどに。
「すみませんでした。お
残っている作業を進めてください。」
「いえ、その、ありがとうございます。
私のせいで、ご迷惑を…。」
「迷惑かけたのは
丸井
そう思っていた。
「あっ、あーっと…、
「はい?」
この会社の社長は
社長夫人も
その息子も
「私、
「たばかり…丸井くんのお
「いや、ウチは高校で母親が再婚して、
丸井くんから同じ話は聞いたが、
「へ? へぇー。げっ…。」
思いがけないかたちで、
俺の過去を知る人物に
前の会社に
頭から血の気が引く。
青い記憶が
追いかけて地元から逃げたくなった。
「なんだ、ここって
重力というやつはこれだから
俺は重力に
◆ 07 転がるふたり につづく
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