エピローグ
朝起きる。今日は珍しく二度寝もすることなく早起きだった。授業は2限からだが、出発まで約2時間も余裕がある。
身支度をしている間、今日見た夢の事を思い出していた。あまりよく覚えていなかったが、嬉しくて悲しいような長い夢だったと思う。
特に記憶に強く残っていたのは、『君にとって「幸せ」とは何だ?君がそれを望むなら、私はそれを叶えよう』という言葉だった。誰が言ったかわからないが、何となく見覚えがある身近な人だったと思う。
左耳にお気に入りイヤーカフを付けて、大学に行くため、駅に行く。いつも通りの登校だった。そして、ある駅で友人と落ち合い、ゲームの話で盛り上がる。そうしている内にいつの間にか最寄り駅に着いている。
最寄り駅から授業がある校舎まで大体10分ぐらいだ。そして、教室に入るといつも早く来ている友人がいる。
その友人は、不思議なオーラを持っていて、人付き合いは苦手そうだったが、様々なことに詳しく、一つの事に情熱をかける友人だった。そして、「おはよう!」と言うと、いつも手を振ってくる。
この時、私は何かを感じたが、気にかけず、これに応えるように手を振って、「おはよう」と言うのだった。
幸慾の果て 若田 神奈 @KANNABI-800000
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