第20話 男子高校生の恋バナ会
ある日の昼下がり。
教室の端で俺と鳴海は2人で昼ごはんを食べていた。
相変わらず鳴海はイケメン陽キャだった。たまに思う。
「鳴海って俺なんかといっしょに昼飯食べてて大丈夫か?」
正直俺は三軍程度の人間だ。周りから見たら相当異様な光景だろう。
「なんで?俺と佐倉は友達だろ?」
うわっ眩しっ……これが本物のイケメンか……
「ていうかさ、佐倉、聞いてくれよ。俺さ、孤木さんのこと好きなんだよね。」
ん??????
今なんて言った????
俺、孤木さんのこと好きなんだよね……
俺、孤木さんのこと好きなんだよね……
「は!?」
マジかこいつ……
別に俺には関係ないんだけどさ…マジかこいつ…
「んでさ、お前、幼なじみじゃん?なんか知ってることある?」
俺は手元にあるチョコチップメロンパンをちぎりながら思い返す。
幼なじみと言えど、小学校以来今まであっていなかったのだ。
んん……
ただこれだけは言える。
「とりあえず一人称のことについては触れないでいたら?」
るぅはずっと変わっていない。
心の奥底に誰にも触れてほしくない「何か」があることも。
でも、こいつは人の触れてほしくない所にもズカズカ土足で踏み込んで行くやつだから。
これはしっかりとした忠告だ。
「おう!分かった!」
笑顔で答える鳴海の姿は入学当初から変わっていない。
しかし、
「本当にわかってるのかなぁ…」
やっぱり心配だった。
ちょっとミステリアスすぎるるぅと、そんなのお構い無しな鳴海の組み合わせか……
「ま、案外どうにかなるか。」
「佐倉?なんか言ったか?」
「いや、なにも?てか、相談乗ってやったんだからお前の菓子パン1口もらう。」
「おーそんくらいなら……って半分持っていきやがったな!」
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