第17話 夏が終わる。

糸野井からだった。

私を心配しての電話らしい。

私はその後家に帰った。


このまま孤木さんといても気まずいし、なんか、胸が苦しかった。


『救って欲しい』のは恋愛感情なのか。

本当の自分を見つけて欲しい。

自分のままでいいよって言って欲しい。

=好き。

は本当にあっているのか。


孤木さんの家から出た帰り道、ずっと考えていた。

空は花火を、みた時よりもずっとくすんで見えて、なんだか、心が苦しかった。



私はまた1歩踏みだし、夜の空気を胸いっぱいに吸い込んだ。


今年の夏がもう終わる。

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