第4話 天文学部と部員たち

キーンコーンカーンコーン

六限目終了のチャイムがなって、俺はワクワクしながら中学のころからつかっている某スポーツメーカーの筆箱だけをもって廊下へ飛び出した。

やっときた!この時が!

〈天文学部顔合わせの日〉

「ふーん♪ふーん♪ふーん♪」

やべっ思わず鼻歌歌ってた!

誰もいないよな…?

急いで周りを見渡す。

「鼻歌なんか歌って…気持ち悪っ」

「なっ凪!」

後ろにはゴミを見るような目で俺をみる凪が立っていた。

よりによって凪に聞かれてたのかよ…キモがられたしっ!

「気持ち悪いって!てか凪はどこに用があるんだ?」

凪は運動できそうな顔してるし運動部かな。

「何処って…理科室だけど…まさか…おまえも…」

げっこいつも天文学部かよ…

「悪かったな。」

暗い顔をした凪に〝一応″謝っておく。

「はぁーーホント最悪…」

すっげーため息いただきましたーって俺そんな嫌われてるの?

相変わらず凪はまた下を向いている。

「ま、まぁまぁ、そんな顔せずに気楽にやろーぜ!」

「無理。」

「グッ」

即答である。

これほんとに運命の糸で繋がった相手か?


廊下で話しているうちに理科室の前に辿り着いていた。

冷たいドアノブをひねって理科室に入る。

もう他の人は2、3人きていて、俺たちの椅子を用意してくれていた。

「すみません!ありがとうございます!」

「ありがとうございます…」

先輩かもしれないからな!

挨拶挨拶!

凪も常識がないというわけでもなさそうだ。

「いやいや!わたしは先輩として当然のことをしただけだよ。あ、自己紹介がまだだったね。わたしは3年3組の森本 梓。(もりもと あずさ)天文学部の部長だよ。よろしくね。」

肩くらいの長さの髪の毛に、控えめな笑顔。いかにも〈清楚の塊〉みたいな人だなぁ。

「こちらこそよろしくお願いします!梓先輩!」

「ちょっと待った!先輩はもう1人いるっての。」

礼子先輩の後ろから金髪のヤンキー(?)みたいな人が出てきた。

ピアスなんかつけてるし、梓先輩の真反対だ。

「俺は2年4組、蜂田 竜二(はちだ りゅうじ)だ。お前ら「蜂田先輩」と呼べ!はい!リピートアフターミー!?」

「は、はちだセンパイ!」

「蜂田センパーイ。」

うわ…こう言うタイプ苦手なんだよなぁ…

ほら…凪だっていつも俺を見る目で蜂田先輩みてるもん。

「蜂田くん調子乗らない。2人とも引いちゃってるじゃん。ごめんね2人とも。この人は星の知識〈だけなら〉ピカイチなんだよなぁ…」

梓先輩がかわいく怒りながら

蜂田先輩の頭に軽くチョップを食らわしていた。

やるなぁ梓先輩。

「ひどいっすよ!〈だけなら〉って!」

「やだなぁ。褒めてるんだよ。」

「マジっすか!嬉しいっす!」

「単細胞…(ボソッ」

「先輩なんか言いましたか?」

「ん?別にぃ?」

「ならいいすけど…」

なーんか楽しそうでいいな…

俺もこんな青春送りたかった…

「今、佐倉〝楽しそうでいいなー″とか思ってるだろ。」

横にいた凪がやっと口を開いたと思ったら!

俺の心見透かしやがってよー…

「なにを根拠に思ったんですかぁー」

「顔にかいてる。」

「マジか。」


「お前らー席座れー。」

話に夢中になってて澄川先生が入ってきているのに気づかなかった。

席は、1年、2年、3年生関係なくグループが組まれていて俺たちの班は俺、凪、梓先輩、蜂田先輩の4人だった。知り合いばっかりでちょっと安心。

あと1人俺ら以外の1年がいたんだけど、あの子、どっかでみたことあるようなぁ…

「はい、これから10分やるからテキトーにみんなで自己紹介しといて。」

光里先生、相変わらず生徒任せだなー。まぁ、山センと真逆でちょっと気が楽だけど。


「ねぇ、君さぁ、もしかして

ヒカ君?」

「へ?」

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