第3話 部活選び

青春だらけの高校生活っ!

エモい窓際の席!

しかも運命の相手と隣!

最初の出会いは印象が悪かったけど、話すうちに打ち解けて最終的に付き合って…

っていう俺の完璧な計画が…

実際には運命の相手はま、まぁ顔は整っている…いやでも男で話しかけても「うざい」「キモい」

「話しかけないで」の3択しかないしほぼ無視されるし!

俺の完璧な青春学園生活を返せー!


…てか、初めて会ったときからもう2週間ちょい経ってるんだよなぁ…席に座っている俺はがっくりとうなだれた。


「朝のHR始めるぞー席につけー」

教室のドアから勢いよく入ってきたのは山センだ。山崎先生だから山セン。

名づけの親は鳴海だ。

それからみんな山センってよんでる。

山セン、悪い先生ではないんだけどなんていうか熱血っていうか…

地味にクラスのみんなに馴染めてない。

「今から、部活動の入部届を配るぞー!自分の組、名前を書いて入りたい部活の顧問の先生にだしてくれ!ちなみに先生は

野球部顧問だぞー!」

がはっはっはとうるさく笑うその

山センの様子をみてみんな呆れていた。


部活かぁ…何部入ろうかな。

凪にちょっと聞いてみるか。

「凪っお前何部はいるんだ?」

隣の凪に少し小さな声で話しかける。

「なんでもいいだろ。」

そっけなく返された。

えぇー…何部があるかわかんねーよ、この高校。

「〝何部があるかわかんねーよ″と思ったそこのあなた!ちゃんと部活リストアップしてるぞー!」

お、たまにはやるじゃん山セン。

前から回ってきたプリントに目線をうつす。

んーなになに?

サッカー、野球、バド、卓球

テニス、バスケ、吹奏楽、合唱

…めっちゃあるんだけど…


頭を抱えて考える。

どうしよう…

何部に入るのが正解なのか…

サッカーは陽キャが集う部で、野球は強制坊主で目立つ。バドは上下関係強そうで、吹奏楽、合唱は一軍女子で埋め尽くされるな。

(個人的な偏見である。)


テストの時より多い思考量で部活リストを眺めていると、ある部が目に留まった。

天文学部…?俺、星とか好きだし、陽キャとかいなさそうだし入ろうかな。

顧問は…「澄川(すみかわ)」…


と、放課後入部届持ってきたはいいが…

職員室こえーよ!?

妙に静かだし?!コーヒーの匂いが漂ってるし?!

まてまて俺は小学生かっつーの!

俺は高校生!こんくらいよゆーだよな…


「しっ失礼します!澄川先生いますか!」

よーし言えたぞー

まぁ噛んだのはなかったことにしよう。

「澄川は俺だが。何の用だ。」

黒い癖のある縮毛。

目の下にくっきりとあるクマ。

ゆるいジャージ姿で背は猫背だがバスケ選手にも劣らないくらいのでかい身長。おまけに目は死んでいる。

「えと…天文学部のに、入部届を提出しにきましたっ!」

「ああ、どーも。んじゃ来週の木曜日、放課後理科室集合な。部員の顔合わせと今後の活動について言うから。」

や、やべぇこの人ぜっったい表情筋死んでるわ…じゃなくて!来週放課後理科室…顔合わせか…どんな奴がいるかなぁ。

「わかりました!失礼しました!」

よし。任務完了。

あいつ(凪)のせいでこっちは青春台無しにされてるんだ。 

部活くらいは楽しまねば…

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